【インタビュー:後編】筋肉少女帯、「今回のアルバムは“いつか、自分だけが観たい映画”みたいなイメージ」
■ホントに40周年かっていうのを
■内田君、あとで確かめといてね
──はい(笑)。そして、普通であればこうして作品の話をした後でお訊きしたいのはその先にあるのが普通だったライヴのことになるわけですが (編註:現在、アルバムツアー開催中/デビュー33周年ライブも11月28日に実施予定)。
橘高:まあ、こういう現状ではあるんだけど、ライヴは当然やりたいです。このアルバムを携えてのツアーなんかももちろんやれると思っていて。ただ、ここで“コロナ禍は収束したから、来月ライヴやります”というふうに簡単にはいかないところが音楽ビジネスの厄介なところで。ライヴ会場にしても、週末のいい日なんかは1年以上前からブッキングしないと押さえられないというのが当たり前で。だから我々も、やれるようになった時にちゃんと動けるような準備を常にしてるというか、そういう計画の立て方をしてはいるんだけど。まあでも筋少の場合、幸いにも3本くらいはできたのかな、要請に従った形で。この先も規制のあり方は変わってくるだろうから、実際ライヴをどんなふうにやるかっていうのも難しい問題で。ただ、こうして世の中のサイクルが崩れたわけだから、アルバムのツアーをやるのがアルバム発売日の周辺じゃなくてもべつにいいだろうし。まあ、いい形で組んで発表できるよう考えてはいるんで、待っていて欲しいですね。ライヴへの渇望を根源とする楽曲とかについては、そこでようやくその曲の光景が完成することになるし、それが我々にとってのひとつの映画のシーンにもなるので。だからとにかく、是非ライヴをやりたいなと思います。
本城:そう、いつでもやりたいですが、こんな時代なので、いつも準備は欠かさずにいます。まあ、必ずできると思って、信じて、今はとにかく前を向いて行こうっていう感じですね。
──内田さんはいかがですか?
内田:ライヴのことですよね? はい、やりましょー、やりましょー(一同笑)! できる時にやっておきましょう!
本城:そうです、それが大事(笑)。
内田:なるべくね。やるやる!
▲本城聡章 (G)
──大槻さん、いかがでしょうか? 寂しい思いを解消できる機会は、やっぱりライヴだと思うんですよ。
大槻:はい。コロナ禍になってから、ライヴというものがキャパシティの半分しかお客さんを入れられず、発声NGで、場合によっては換気のための転換タイムがなんかがあるっていう、今までとまったく違うスタイルになっていて。ただ、最初のうちは戸惑ったんですけども、あっという間にバンドもお客さんも対応するようになったので……そうですね、それを経験して、さあ次はどんなライヴ・スタイルになるのかな、というのを楽しみにしている段階です。
橘高:あと、昔はね、たとえば僕なんかが子供の頃は、海外のアーティスト、それこそ大好きなKISSとかがアルバムを出すと、“このアルバムで日本に来てくれるのかなー?”と思って、そのライヴを想像してたわけですよ。僕の場合、メイクしたKISSを初めて観たのが、リユニオン・ツアーとかだったので、要するに十何年ずっとアルバムを聴きながらKISSのライヴに参加することを想像して、日夜レコードを聴き続けてたんです。このアルバムを聴いて、ライヴを想像して楽しんでもらうっていうのも、そんな子供時代の僕みたいなもんだと思うんです。それこそクイーンがライヴ活動をしなくなった当時だって、アルバムを聴きながらライヴを妄想してたわけで。そういう楽しみ方もできるはずだし、音楽のCDというのは相変わらずいろんな楽しみ方ができるものなんだな、と思うわけです。で、そこには自信を持ちながら我々もこのアルバムを制作してきたので。だから、受け手側のお客さんたちがこれを聴いてライヴを渇望してくれるもよし、スタジオ盤の世界に酔ってもらうもよし、そうやって、それぞれが求める方法で感じとってもらえるひとつの作品になればいいのかな、と思ってますけど。
──そこはもう、受け手側の想像力次第でいかようにも膨らむということでしょうし。
橘高:うん。それこそ僕の頭の中では、KISSが毎晩ライヴを繰り広げてたんで。
──それ、疲れますよ(笑)!
橘高:俺、だからホントに疲れてたの、子供の時(笑)。毎日、頭の中でKISSのライヴを観てたから(笑)。
──いや、でも、受け手側の想像力次第、という部分はすごくこのアルバム・タイトルにも重なってくるところがあると思います。『君だけが憶えている映画』。要するに、あなただけが知っているライヴの楽しみ方、音楽の楽しみ方をしてくれていいんですよ、ということにもなんとなくリンクするものを感じさせられるわけです。そして、最後にもう一個だけ訊かせてください。来年で、活動再開から15年ということになりますよね? しかも結成のタイミングからすると、40周年ということになるはずで。
内田:え! もう?
橘高:結成から数えるとそうだと思うよ。
本城:ああ、そうだね。
──デビューとかではなく結成からすると、来年が40周年で。なんか、今の“え!”っていう反応からすると、それに向けての計画とかは特にないんですか?
内田:なるほど、40周年ね……。
橘高:正直ね、さっきも言ったように、今、音楽業界が置かれている状況を考えると、先々の計画というのはしっかり立てておかなければ実行できないんですけども、なかなか立てにくい状態ではある。でも、さっきも言ったように粛々とパーティの準備は続けなければいけないなっていうことは、ステージに立つ人間としては常に考えてます。なので、みんなでその時にどんな形になるかはわからないけど、何かできればいいなって。確かに大きな節目ですからね、それは。
大槻:あと、ホントに40周年かどうかっていうのを、内田君、あとで確かめといてね。さすがになんかもう、よくわかんないんだよね……。
内田:うーん。結成、いつになんの?
橘高:1982年になってんだよね、オフィシャルでは。
本城:初ライヴが確か、1982年なんだよね。
大槻:あ、そう? じゃあ、それでいいか(一同笑)?
取材・文◎増田勇一
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■New Album『君だけが憶えている映画』
【初回生産限定盤 (CD+DVD)】TKCA-74993 ¥4,950 (税込)
【通常盤 (CD only)】TKCA-74994¥3,300 (税込)
▼収録曲 (初回限定盤・通常盤 共通)
01. 楽しいことしかない
02. 無意識下で逢いましょう
03. 坊やの七人
04. 世界ちゃん
05. COVID-19
06. 大江戸鉄炮100人隊隠密戦記
07. そこいじられたら〜はぁ!?
08. ロシアのサーカス団イカサママジシャン
09. ボーダーライン
10. OUTSIDERS
11. お手柄サンシャイン
▼初回限定盤付属DVD収録内容:<2020筋少1stライブ>&<2020筋少Finalライブ>
<2020筋少1stライブ>2020.10.18 EX THEATER ROPPONGIより ※ディレクターズカット版
01. 孤島の鬼
02. 暴いておやりよドルバッキー
03. 日本印度化計画
04. イワンのばか
05. カーネーション・リインカネーション
06. ディオネア・フューチャー
07. サンフランシスコ
<2020筋少Finalライブ>2020.11.19 EX THEATER ROPPONGIより ※ディレクターズカット版
01. くるくる少女
02. 僕の宗教へようこそ〜Welcome to my religion〜
03. 踊るダメ人間
04. 香菜、頭をよくしてあげよう
05. これでいいのだ
06. ツアーファイナル
07. 釈迦
※封入特典:筋少トレーディングカード1枚 (全10種ランダム)封入
限定盤・通常盤共通 初回プレス分のみ封入
■ライブ<君だけが憶えている映画ツアー2021>
(問)清水音泉 06-6357-3666
11月13日 (土) 神奈川・YOKOHAMA Bay Hall
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
▼Streaming+にて配信決定
配信視聴チケット ¥4,000
アーカイブ:11/13(土)17:30~11/20(土)23:59
Streaming+:https://eplus.jp/sf/detail/0167710002-P0030145P021001?P1=1221
■<ベストセトリ!筋少デビュー33周年記念ライブSP>
11月28日 (日) 東京・LINE CUBE SHIBUYA
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
※全会場キャパシティの50%で開催されます。
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