【ライヴレポート】SHANK主催<BLAZE UP NAGASAKI>DAY1、ロットン、G-FREAK、coldrain、マンウィズ、フォーリミ、WANIMA「迎え撃っていきましょう」
SHANKが11月6日、地元・長崎にて<BLAZE UP NAGASAKI 2021>DAY1を開催した。一昨年までは長崎ハウステンボスで行われてきたが、今回会場となったのは11月1日に開業されたばかりの出島メッセ長崎。新長崎駅から屋根付きペデストリアンデッキで直結している好立地かつ短時間で十分な換気ができる設備も兼ね備えられている。本フェスは2年ぶりの開催、加えて出島メッセ長崎の開業記念、長崎国際テレビ開局30周年記念のお祝いも兼ねており、熱気が渦巻いていた。
◆<BLAZE UP NAGASAKI 2021>DAY1 画像
2DAYS開催となる初日の冒頭からそんなムードを加速させたのがオープニングアクトとして登場した龍招宝による龍踊りだ。日本三大祭のひとつ、長崎くんちで奉納されるだけあって、エキゾチックな音楽をバックに、巨大な龍が会場を練り歩く姿はド迫力。歴史ある郷土芸能に触れられる、貴重な機会にもなったはず。
▼ROTTENGRAFFTY
トップバッターとしてフロアを点火するどころか、焼き尽くさんばかりのヘヴィさと勢いで一気に熱気を高めたのがROTTENGRAFFTYだった。NOBUYA(Vo)とN∀OKI(Vo)の両ヴォーカルが噛みつくように咆哮し、「ハレルヤ」から躊躇なく踏み込んでいく。そこにオーディエンスが呼応しようとも「いけるやろ?」「もう始まってるんぞ!」と煽り続け、生命力を吹き込みながらラッシュし続け、「THIS WORLD」ではトドメを刺す一撃を食らわせるのだ。
N∀OKIが<BLAZE UP NAGASAKI>を「SHANKが大事にしてきた宝物」と称したように、同じく生まれ育った街で<ポルノ超特急>を主催する彼らは共感する部分も多いのだろう。溢れ出す想いが強靭なサウンドとして投下されていく。ラストは「金色グラフティー」から「Error...」という、完全にオーバーキルな畳み掛け。さすがとしか言いようがないステージだった。
▼G-FREAK FACTORY
もはや<BLAZE UP NAGASAKI>には欠かせないといっていいだろう、ローカルに軸を置くバンドとしてSHANKにも多大な影響を与えているG-FREAK FACTORY。暗闇の中でステージに立ち、いきなり「Too oLD To KNoW」で吉橋伸之(B)がフレーズを奏でるやいなや、オーディエンスは大きな拍手ですぐに気持ちを重ねていく。会場が太陽に照らされたような温かさに包まれ、そこに響くのは訴えかけるようでありながら、決して押し付けることのない茂木洋晃の歌声。一気に彼らのムードで染め上げていった。
赤いライトを照らさせながら「REAL SIGN」を叩きつけ、くすぶりそうな火も何度でも着火してくれる「Fire」、原田季征(G)が奏でる音色も麗しかった「ダディ・ダーリン」や、抜群のグルーヴ感で前へ前へ引っ張ってくれる「らしくあれと」等、淀みなくライヴは進み、N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)が飛び入り参加した「日はまだ高く」を解き放つ。絶えず心と体を揺らし続けてくれた。
▼coldrain
サウンドチェックの段階からとんでもない爆音とキレッキレのシャウトでオーディエンスを圧倒していたのがcoldrain。万雷の拍手で出迎えられた彼らは、常軌を逸脱した攻勢をかけていく。スケール感を後押しするコーラスワークも秀逸な「ENVY」から「RUNAWAY」へ。抜群の鋭く重いサウンドと色気のあるメロディーを叩きつけていきながら、Masato(Vo)は常にアジテートすることも忘れない。
生の音楽をぶつけることで生まれる力を信じているのだろう。とにかく、前のめりに「THE REVELATION」や「THE SIDE EFFECTS」といった強靭な楽曲たちをドロップしていく。
そして、10数年前のSHANKとの出会いに触れ、ローカルから全国へ発信する強い気持ちに負けたと感じたというMasatoが「今日は勝ちに来ました」と大声を上げて鳴らした「REVOLUTION」で現在のバンドが誇る凄まじいスケール感を誇示し、「F.T.T.T」に「PARADISE(Kill The Silence)」を続けるという、彼らの激情がそのまま音となる展開。最後の最後までオーディエンスを焚きつけていった。
▼MAN WITH A MISSION
中盤戦に入り、高まっていたボルテージをまだまだとさらに上昇させていったMAN WITH A MISSIONはさすがと唸らせるパフォーマンスで会場全体を異空間へ連れ去っていく。まずは挨拶代わりにと「database」を食らわせ、続く「Get Off of My Way」ではキレの良いラップも披露したJean-Ken Johnny(G/Vo/Raps)が「イコウゼ、長崎!」と煽るのだから、オーディエンスは飛び跳ね、一心不乱に手を振り上げる。
そして、「<BLAZE UP NAGASAKI>、2年ブリ。SHANKガ持ッテ帰ッテキテクレマシタ。ミンナデ続ケテイキマショウ」とJean-Ken Johnnyが呼びかけ、改めてローカルに根付くフェスの意味合いを伝えてから、ドラマティックな展開でその世界観に引きずり込まれる「INTO THE DEEP」やDJ Santa Monica(DJ/Sampling)が斬り込むスクラッチも印象的な「Take What U Want」を披露し、懐の深さを見せつけてくれる。
ラストには改めてSHANKへ謝辞を述べ、皆へエールを送るように「Remember Me」、お待ちかねのアンセム「FLY AGAIN -Hero's Anthem-」を投下。歓喜の表情に会場が埋め尽くされていった。
▼04 Limited Sazabys
登場するやSHANKの「submarine」を突如としてカバーするという愛に溢れたスタートを切ったのが04 Limited Sazabysだ。RYU-TA(G/Cho)が「かかってこいよ!」と狼煙を上げ、<BLAZE UP NAGASAKI>への感謝を歌詞に混じえながら披露した「monolith」から、ノンストップで駆け出していく。サウンドチェックで軽く奏でただけで踊りだすオーディエンスが続出したこの曲だけでも強力だが、そこに留まらず、「fade」「fiction」「Alien」とメロディックチューンを矢継ぎ早に連投。対SHANK仕様とでもいうべきか、勝ち気なスタンスでライヴを進めていく。
後半は「一緒に伝説を作れる?」とGEN(B/Vo)が投げかけ、キャッチーなポップさだけでなくコミカルさも携えた「Kitchen」、一歩前へ踏み出す力となる「Jumper」を響かせ、「この瞬間、この時間を味わいましょう」とGENの言葉から「Just」をドロップ。バンドとしての盤石さをアピールし、決意の曲ともいえる「Squall」で締めくくりかと思いきや、ほんの少しの隙間でも楽しみたいと「Remember」をねじ込むライヴバンドっぷり。その姿は実に痛快だった。
▼WANIMA
登場しただけでポジティブな雰囲気が広がっていき、オーディエンスも準備万端なのが手に取るようにわかるほどの盛り上がりを見せたのがWANIMA。今か今かとはやる気持ちを抑えきれないまま、いきなり「BIG UP」でそのエンジン全開っぷりを見せつける。
そこから、3部作として発表した作品のタイトル曲「Cheddar Flavor」「Chilly Chili Sauce」「Chopped Grill Chicken」を3連投。メロディック調な曲もあればアグレッシブに攻め立てる曲もあり、アプローチは様々な曲だが、共通するのはその強靭さ。どれだけ今の彼らが充実しているのかがありありと感じられる。
また、ありったけの声を振り絞り歌い上げた「1106」はハイライトとして焼き付いたはず。KENTA(B/Vo)が父親代わりだった亡き祖父を想い生まれた曲であり、この日はその命日にあたる11月6日。必要最低限の音数を背に歌い出す姿は実に美しかった。
そして、「みんなとWANIMAやったら、新しいライヴの楽しみ方が見つけられる気がした」とKENTAが話し、「ともに歌うよ、心の中で」とオーディエンスへ語りかけてプレイした「ともに」はやはりというべき存在感。誰のことも置いていかないという彼らの矜持がそこにはあった。
▼SHANK
いよいよ初日もクライマックス。締めくくるのはもちろんSHANKだ。普段からしのぎを削っている猛者たちが強烈なライヴを繰り広げてきたこともあり、少しぐらいの気負いがあってもよさそうだが、そんなことには動じず、リラックスしたスタンスを崩さないのが何とも彼ららしいところだろう。
とは言え、いつものように庵原将平(Vo/B)が「長崎、SHANK、始めます!」と宣言し、曲が始まれば張り詰めたテンション感で突き刺してくるのが彼らの持ち味だ。「Rising Down」からフルスロットルで真っ向勝負し、妖艶なイントロから松崎兵太(G/Cho)が鋭いカッティングを見せた「620」へ。心が突き動かされる爆発力を持つ曲だが、この日もやはり凄まじい。「Good Night Darling」でさらに熱気を高める様も見事だ。
「Departure」で気持ちがグッと持ち上げられるパワー感で会場を揺らした後も攻め手を緩めず、曲展開の押し引きが見事なスカナンバー「Life is...」やとんでもない勢いで襲いかかってくる「Hope」等、縦横無尽に暴れまわる。
「コロナもしつこいけど、迎え撃っていきましょう。僕らは腐らずにサバイブしていくので、また遊びましょう」と庵原が語り、ゆっくりと覚醒を促す「Wake Up Call」、縛られることなんかないんだと強く支えてくれる「Set the fire」とプレイし、本編ラストは残ってるエネルギーをかき集めての「submarine」。ショートチューンで駆け抜ける、彼らならではの潔い締めくくりだった。
盛大な拍手でステージに呼び戻されたアンコールでは新曲「Steady」をプレイした後、「Long for the Blue moon」を全力でフルスイング。確かな熱さがしっかりと胸に刻みこまれるパフォーマンスでDAY1の幕を下ろした。
取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎岩渕直人/Jon... (WANIMA / KENTA)
■<BLAZE UP NAGASAKI 2021>11月6日(土)@出島メッセ長崎SETLIST
01. ハレルヤ
02. 相殺微量サイレンス
03.永遠と影
04. D.A.N.C.E.
05. THIS WORLD
06. Goodbye to Romance
07. 銀色スターリー
08. 金色グラフティー
09. Error...
【G-FREAK FACTORY】
01. Too oLD To KNoW
02. REAL SIGN
03. Fire
04. ダディ・ダーリン
05. EVEN
06. らしくあれと
07. 日はまだ高く
【coldrain】
01. ENVY
02. RUNAWAY
03. THE REVELATION
04. ADRENALINE
05. THE SIDE EFFECTS
06. REVOLUTION
07. F.T.T.T
08. PARADISE(Kill The Silence)
【MAN WITH A MISSION】
01. database
02. Get Off of My Way
03. INTO THE DEEP
04. Take What U Want
05. Merry-Go-Round
06. Remember Me
07. FLY AGAIN -Hero's Anthem-
【04 Limited sazabys】
01. submarine (SHANKカヴァー)
02. monolith
03. fade
04. fiction
05. Alien
06. Kitchen
07. My HERO
08. Jumper
09. midnight cruising
10. Just
11. Squall
12. Remember
【WANIMA】
01. BIG UP
02. Cheddar Flavor
03. Chilly Chili Sauce
04. Chopped Grill Chicken
05. つづくもの
06. 雨あがり
07. 1106
08. となりに
09. ともに
【SHANK】
01. Rising Down
02. 620
03. Good Night Darling
04. Departure
05. Bright Side
06. Life is...
07. Honesty
08. Knockin'on the door
09. Take Me Back
10. Hope
11. Wake Up Call
12. Set the fire
13. submarine
EN1.Steady(新曲)
EN2.Long for the Blue moon
11月6日(土) 出島メッセ長崎
11月7日(日) 出島メッセ長崎
open10:00 / start11:00
▼出演
【DAY 1】11月6日(土):04 Limited Sazabys / coldrain / G-FREAK FACTORY / MAN WITH A MISSION / ROTTENGRAFFTY / SHANK / WANIMA
【DAY 2】11月7日(日):10-FEET / BAN'S ENCOUNTER / HEY-SMITH / My Hair is Bad / SHANK / SiM / マキシマム ザ ホルモン
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SHANK
WANIMA
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