【レポート・インタビュー】BUZZ-ER.、『Lantana』の“七変化”を生み出した新天地での挑戦
2020年4月にシングル「サクラエビデンス」でメジャーデビューした7人組メンズヴォーカルグループ・BUZZ-ER.。今年春にはZepp Tokyoでワンマンライヴを成功させ、個人事務所・株式会社BUZZ-ER.の設立を発表。環境が変化するなかでも精力的にデジタルシングルのリリースやガイドラインを守ったうえでライヴ活動を続けてきた。
そんな彼らが満を持してメジャー1stフルアルバム『Lantana』をリリース。タイトルは“七変化”という別名を持つ花の名で、その言葉が表すようにこれまでに挑戦したことがないバラエティに富んだ新曲が多く収録されている。2020年のメジャーシングル、2021年のデジタルシングル、7曲の新曲と、新しい一歩を踏み出したグループのドキュメンタリーのような同作について、メンバーから代表してSAKU、CHIBA、SHUN、HAUの4人に話を訊いた。(※CHIBAは別現場の兼ね合いで途中参加)
◆ ◆ ◆
■全員我が強いから、まとまらないこともあるんです(笑)。
■乗り越えた今はお互いなんでも言い合える仲になれました。
──結成からメンバーチェンジが一度もないグループ、なかなか珍しいですね。
SHUN(Main Vo):仲はいいですね。それが僕らの強みでもあるというか。
SAKU(Leader/Vo):グループで活動していくのは難しい部分もあると思うんですけど、4年半同じメンバーで続けてるもんね。
HAU(Vo):そうだね。恵まれてるなと思います。
──だからこそ個人事務所の株式会社BUZZ-ER.も設立できたのでしょうね。設立発表から半年を過ぎましたが、現在の環境はいかがでしょう?
SAKU:前の事務所に所属する前はセルフプロデュースで動いていたので、今はセルフプロデュースの経験、事務所で得た経験をすべて生かせるようになっていますね。チーム全体で仲がいいので、仕事の時はスイッチを入れて、いいメリハリをつけながらのびのびと活動できています。
SHUN:会社が設立してもうすぐ1年になるんですけど、メンバーの意志をより強く活動に反映できるようになってきました。メンバーそれぞれの特技や個性が違うところもBUZZ-ER.の強みでもあるし、だからこそメンバー間の衝突もあるんですけど、じっくり時間を掛けて話し合うなかで意見をすり合わせていって、お互いのいいところをごちゃ混ぜにしてひとつの作品を作れています。
SAKU:全員我が強いから、激しい言い合いになったりまとまらないこともあるんです(笑)。そういうものを乗り越えて4年半活動してきたからこそ、お互いなんでも言い合える仲になれました。
HAU:うちのグループはミーティングが多いんですよ。メンバーミーティング、チーム全体でのミーティング、結構な頻度でやっていますね。
──なるほど。お互いの意見をしっかり共有することでBUZZ-ER.の結束は成り立っていると。独立発表の前後にリリースした「ブザービーター」、「ミチシルベ」、「RUN」、「愛言葉」は、歌詞の内容とグループの物語と重なってさらに深い意味を持ったのではないでしょうか?
SHUN:ああ、そうですね。特に「ミチシルベ」や「RUN」は、自分たちも新しいスタートを切るからこそ歌にもより強い思いが込められました。かっこいいだけでなく人間くささもある曲なので、ライヴで歌っても気持ちが昂りますね。
HAU:うんうん、そうだね。独立にあたって“気を引き締めてもっと頑張っていきましょう”とチームで話していたので、発表からすぐにリリースした「RUN」や「愛言葉」でそれを伝えられたというか。
SHUN:事務所を離れることで心配してしまうファンの方もなかにはいらっしゃると思うんです。そんな人にも“BUZZ-ER.はこれだけかっこいいんだよ”と自信あふれる姿を音楽で届けられましたね。
▲『Lantana』初回限定盤
──メジャー1stフルアルバム『Lantana』のなかでも、この4曲が固まっていることもあってBUZZ-ER.が新しいスタートを切ったことを印象づけていると思います。BUZZ-ER.のドキュメンタリーを観ているような感覚になるアルバムでした。
SAKU:たしかに。メンバーが作詞した曲もあるし、自分たちの境遇に合った歌詞も多いし、新曲7曲は提供していただいた300近くのデモのなかから話し合いを重ねて自分たちが“これだ!”と思うものを選んだんです。曲順もめちゃくちゃ悩みましたねー……。みんなで話し合いながら実際に曲を流して“おお、いいねえ~!”と言いながら決めていきました。
──タイトルになっているランタナは花の名前で、別名“シチヘンゲ(七変化)”ともいいますね。ミーティングのなかで“七変化のように様々な色を見せるアルバムにしよう”と話がまとまったのでしょうか?
HAU:そうですね。でもタイトルはものすごく悩みました。いろんな案が出たよね? 「B LIKE U」の歌詞から取って“愛罠美”にしてみようかとか。
SHUN:グループの頭文字を取って“B”とかね。そうやって話していくなかで、メンバー7人の色という意味でも“7”にこだわりたいなという気持ちにまとまっていって。
CHIBA(Main Vo):挑戦の思いも込めて今までやったことがないジャンルの曲を揃えたのと、ダンスヴォーカルグループが使わないような楽曲が多くなったので、“七変化”というキーワードが出てきて。そこで出会ったのが“ランタナ”なんです。メンバーにプレゼンしたらみんな賛成してくれました。
HAU:それだよ~!ってなったね(笑)。“Lantana”はアルファベット7文字だから、それもちょうどいいなって。
SAKU:わ、本当だ。初めて気付いた。
HAU:え、嘘でしょ!?(笑)
──(笑)。「ミチシルベ」もお花をモチーフに信頼関係を歌った楽曲なので、その文脈ともつながりますね。
SAKU:たしかに。「ミチシルベ」の振り付けも花をイメージした動きが多いんですよ。
SHUN:“7”をきっかけにして、自分たちの発信してきたものと親和性のある、すごくいいワードに出会ったよね。
CHIBA:僕らも活動を始めて5年目で、いろんなタイプのEDMを発信していくなかで“BUZZ-ER.らしい曲調”が確立してきたし、新しい音楽性に挑戦してみたいなと思ったんです。
──新曲7曲を選んだポイントというと?
SHUN:全員300曲全部ちゃんと聴かせていただいて、いい曲ばかりで選ぶのがすごく大変でした。メンバー全員音楽の好みが違うので、楽曲決めのミーティングは何度も何度もしましたね。
CHIBA:多数決の上位7曲だとアルバムとしてのバランスが取れないから、みんなの希望を反映させたうえで今BUZZ-ER.でやりたい楽曲をじっくり吟味していって。
SHUN:“毛色が似てるけど2曲ともいい曲。どっちを選ぶ?”みたいな場面にもたくさん出くわして……。何度も頂上決戦がありました(笑)。
HAU:本当にいい曲ばっかりで! “これもいいんだけどな~!”と泣く泣く選択していくっていう。その末に揃った7曲なんですよね。
SHUN:そうやって最後までみんなで妥協せずに決めたから、この7曲を選んだことに後悔はないし、アルバムが完成した今も“やっぱりこれしかない。この7曲で良かった”と思うんですよ。生楽器が入った曲が増えるだけで、アルバム全体の印象がガラッと変わりますよね。
CHIBA:うんうん。変化が出るから飽きないよね。男性アイドルグループはビジュアルが命という風潮が無きにしも非ずだと思うんですけど、『Lantana』の曲たちは音楽としてすごくクオリティが高い。自分がBUZZ-ER.のメンバーでなくてもそう思うと思います。だからすごく満足してるんです。
──7曲はファンクやR&B、ロック、エレクトロなどの音楽性が取り入れられ、エッジやギミックの効いたトラックも多いです。メジャーデビュー以降リリースした楽曲にもその流れは見られたので、新曲7曲はさらにその要素を強めていると思います。インディーズ時代にリリースしていたようなおふざけ要素のある曲が1曲も入っていませんし。
SHUN:あははは。“印象に残ってほしい!”という思いが強すぎて“イケメンだ~!”と叫んだりする曲を作っていたんですけど、僕らも5年弱活動してきたので成長しているところを見せたいなと(笑)。おしゃれなトラックも多いので、フレーズも大人っぽいものを取り入れつつ、フックになるワードやダンスで魅せられればなと思ったんです。
CHIBA:「B LIKE U」もサビがキャッチーで耳に残るし、無理やり“イケメンだ!”と言わなくてもフックになってるんだよね。
SAKU:うん。大人っぽさはあるけど落ち着いているわけでもない。どっちもいい感じに生かしていきたいんですよね。
──配信シングルの「S.R.R」、メンバーさんが楽曲制作に参加した「Feel Good」や「Say-hey-key」など、ユーモアの表現方法がクレバーな印象がありました。SHUNさんはどういう観点から「Feel Good」の作詞をなさったのでしょう?
SHUN:海外の作家さんが作ったトラックなのでデモの仮歌詞が全部英語で、“Feel Good”というタイトルもついていたので、そのグルーヴを残して自分なりの作詞をしたいなと思ったんです。今までのBUZZ-ER.の歌詞にも恋愛で気持ちが情緒不安定になったものが多いんですけど、自分はそういうものを書くことに向いているみたいで、ポップな曲にそんな歌詞が乗るのも面白いんじゃないかなと思ったんですよね。
HAU:確かにアップテンポな曲にメンヘラ感がある歌詞が乗るのは面白いよね。あと“ハイエナ”って言葉がキャッチーで。
SHUN:そうそう、僕は《You make me feel good》がフックになるかなと思ったら、みんな“ハイエナ”という言葉が引っかかったらしいんですよ。そこは仮歌詞では“High and low”だった部分で、僕はそれをハイエナに空耳したんですよね(笑)。作詞を共作している実の兄(G3M)にも“ハイエナ使いたいんだけどどうかな?”と相談したら賛同してもらえて。その結果お客さんからも“ハイエナの曲好きです”と言われて(笑)。空耳してラッキーでした(笑)。
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