【インタビュー】SCANDALのRINA、自身初シグネチャースネアを語る「人生の半分をドラマーとして生きてきた」

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■自分のスタイルみたいなものが
■15年かかってはっきりわかる

──SCANDALも結成から15年。メンバーも年齢を重ねながら、音楽的にも様々な経験を積み重ね、視野もますます広がっていると思うんです。これからSCANDALは音楽的にどう熟成されていくのか、すごく興味があるんですよ。

RINA:そうですよね。最近、制作するときに一番頭に置いているのは、長くやり続けられる音楽かどうかっていうところ。今はご時世もあって、ライブやフェスの楽しみ方もルールが変わったりしていると思うんです。音だけでどれだけ満足させられるか。それでいて長くできるサウンド感やテンポ感であるか。そういったことをすごく考えるようになって。これから年齢を重ねていって、何歳になっても、自分たちにちゃんとフィットしてできる音楽をこれから増やしていったほうがいいなと思っています。あとは歌詞もそうですけど、自分自身、普段聴けるような柔らかさがあるのかとか。自分的に抵抗のない言葉選びができているのか、みたいな。ただ攻撃的な音楽を作るんじゃなくて、強さや激しさというものの捉え方や表現の仕方も変わったなと思うんです。SCANDALというバンドにアグレッシヴでパワフルなイメージを持ってくれている方も多いと思うんですけど、丸みがあって、しなやかで、繊細さのある音楽も増えてきたから。そっちのモードに今はいるのかな。やれることが増えましたよね。


──今ならこういう質問もありだと思うんですけど、バンドを長く続ける秘訣、ドラムを長く愛し続けるコツもありますか?

RINA:ちょっと特殊な答えになっちゃうのかなと思うんですけど(笑)、私はただドラムを叩きたいという感覚ではなくて、SCANDALの4人で何かを作り続けたい、やり続けたいという気持ちが大きくて。そのためにドラマーとしてどういうサウンドや立ち振る舞いが必要なのかとか、そういうふうに考えていくのがめちゃくちゃ楽しいんです。今の4人にはこういうデザインがいいかもとか、こういうサウンドがいいかもとか、そういうふうにドラマーとしてできることを考えるのがおもしろい。だから私の場合は、本当にSCANDALのメンバーありきなんです。ただ、自分のスタイルというものができてからは、ドラマーとして自分の好きなように生きていっていいんだと考えるようになって。自分が目指しているドラマーとかはいないんですけど、自分が思うようにやっていったらいいんだなって、超シンプルなところに辿り着いたんです。誰かと似てなくても、どこにジャンル分けされなくても、自分が生きやすいように、ドラマーとして進んでいったらいいなと思えて。それからラクになったというか、心が自由になったんです。今日の撮影もそうですけど、一番気分が上がる洋服を着て、ドラムの機材写真としてはあまりないような角度から撮ってくれる、信頼しているカメラマンとクリエイティヴしていったのも楽しくて。好きなもの作ろう!ってワクワクします。

──RINAさんは創作意欲に長けているアーティストですよね。その意欲が常に活性化されているわけですか?

RINA:私個人というよりも、みんなで作っていってる、という感じが強いですね。新しいものをいろんなチームの人と作っていくのが楽しくて。こういう撮影だからこうしなければいけないではなくて、どうやったら新しくて楽しいものが生まれるかなって。そういう考え方で音楽も作っているし、ドラムもデザインしているし、今日の撮影もしているし。そういうメンタルは全部に共通しているかなって思います。関わるもの全てに自己表現していくっていうマインドになってから、全部がもっと楽しくなりました。

──ちなみにRINAさんファンは、今日着用している鮮やかなブルーのファッションも気になるところだと思うんです。ポイントを教えてください。

RINA:今日は古着のワンピースをスタイリストさんが用意してくれたんです。この撮影で初めて着たので、今日の気分もルンルンです(笑)。


──現在、SCANDALは曲作り中で、来年からはさらに精力的なライブ活動も予定していますね。

RINA:ライブのMCで言っちゃってるんですけど、今はアルバム制作をしていて、もう後半戦という段階なんです。あと最近発表になったんですけど、来年2022年はワールドツアーを予定しています。前から予定されていたんですけど、ずっと振り替えになっていて、海外にはしばらく行けてなかったから。日本でも海外でもライブはできるだけやれたらなと思いますね。元気に楽しく音楽して生きていきたいです。

──では、RINAさんのシグネチャースネアが気になっているファンやドラマーに向けて、“こんな人に使ってもらいたい”みたいなリコメンドのコメントをお願いします。

RINA:すべての音楽好きドラマーにオススメです。自分が好きな音楽とかミュージシャンのモデルを持ってるだけで、モチベーションってすごく上がると思うんですよ。楽しい気持ちで音楽に取り組んでいただけたら、私も嬉しいです。だから、デザインが気に入ったとか、私たちの音楽が好きって思ってくれてる方、みなさんに手に取ってもらえたらなと思います。


──今後は、この新しいドラムセットを生で響かせるライブの機会も増えていくと思うんですが、結成15周年を迎えて、ドラマーとしてはどのようになっていきたいと思っていますか?

RINA:私は今年30歳になったんですけど、人生の半分をドラマーとして生きてきたのかと思うと、自分でも感慨深いところがあります。15年かかって、自分のスタイルとか、好きなドラムサウンドやルックスみたいなものが、やっとはっきりわかるようになったっていう感じなんです。これからも変化しながら、その時に好きだと思う音を楽しく鳴らしていけたらいいなと思っています。

──では最後に、メッセージを。

RINA:いつも応援ありがとうございます。今回、自分がデザインしたRINAモデルのスネアとドラムセットを作ることができて、すごく嬉しく思っています。この機材でこれからツアーをまわったり、みんなに新しい音楽を届けようと思っているので、私たちの音楽と一緒にこれからも楽しく過ごしていただけたらなと思います。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎八尾武志
取材協力◎パール楽器製造株式会社


■Pearl Signature Snare Drum “RINA” Model ~Limited Edition~

品番 RN1450S/C ※受注発注品
定価 ¥132,000 (税込)
受注期間:2021年9月13日(月)~2021年11月1日(月)
発売:2022年3月予定
▼Specifications
・Size:14” x5”
・Shell:3mm Brass
・Bearing Edge:Standard45°
・Hoops:FatTone
・SnareWire:SN-1420C
・Strainer:SR-1000
・Lugs / Tension Rods:BRL-55 / SST-5047
・Heads:Remo Coated (A) / Snare Side
※購入特典:撮りおろしフォトによるオリジナルポストカードが付属


■RINA REPLICA DRUM KIT

※スネアドラム、ハードウェア、シンバルは別
※詳細は後日発表予定



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