MOTU Digital Performer 11リリース、MPEサポート、サンプラー機能向上、アーティキュレーション・マップなど新機能多数追加

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MOTUのDAWソフトウェア「Digital Performer」のメジャーアップデートとなる「Digital Performer 11(以下DP11)」が登場。新しいサンプラー・インストゥルメンツNanosamper 2.0、レトロスペクティブ・オーディオレコード、アーティキュレーション・マップ、MPEサポートといったエキサイティングな新機能の追加に加えて、DPユーザーより寄せられた数十にも及ぶワークフロー拡張機能を実装してリリースされた。


▲Nanosamper 2.0はサンプルのスライスも可能(上)。ストレッチやランダマイズで多彩なサウンドを生み出せる。Settingタブ(下)にはエンベロープとLFOグラフを搭載。

サンプラー・インストゥルメンツNanosamper 2.0は、ユニークなビート、音色、サウンドメイクに新しい可能性をもたらすバーチャル・インストゥルメンツの最新版。クラシック、ワンショット、スライスの3つのプレイバックモードを持ち、ZTXタイムストレッチ、リピート&リバースにも対応。ドラッグアンドドロップによるインポートが可能で、32ビットおよび64ビット浮動小数点サウンドファイルをサポートする。

レトロスペクティブ・レコードは、インスピレーションが湧き出す瞬間をキャプチャできる機能。楽器をいじくり回してフレーズを模索中であったり、ライブマイクにハミングしていたり、DIしたギターを弾いている最中やMIDIキーボードの演奏の最中に、これを残しておけばよかったと思うことは多いはず。DPではレコーディング中でなくてもこれらの演奏を記録しており、コマンドひとつでその内容を通常のレコーディング同様にトラックに残すことができる。前バージョンまではMIDIのみだったが、DP11では新たにオーディオにも対応した。


▲キースイッチで奏法を切り替えるオーケストラ音源の表現の深さを完全に制御。ライブラリごとのキーマップを読み込み、奏法を確認しながらエディットが行える。

アーティキュレーション・マップは、EastWestやVSL、Spitfireなどの現代における最先端のオーケストラサウンドライブラリの表現を、よりディープに実現するパワフルな機能。アーティキュレーション・マップをプロジェクト内で作成またはインポートして、楽器やアンサンブルをダイナミックに操作し、デスクトップでライブ演奏を楽しむような体験ができる。


▲ピアノロールのノートやコントローラーが別トラックでばらばらに表示されるのではなく、一つのストリームとして表示。ノートそれぞれのコントローラーデータを直感的に編集できる。

最近のトレンドとなっているMPE(MIDIポリフォニックエクスプレッション)への対応も図られた。ROLI SeaboardなどのMPEコントローラーからのマルチチャンネル出力をMIDIノートとしてレコーディング可能。使い慣れたピアノロールに含まれたノートごとのコントローラー(CC)やピッチベンドなどのイベントを表示/非表示を切り替えて確認したり、ノートグリッドを拡大して詳細を確認しながら編集が行える。

チャンク機能は、映画音楽の手がかりや、ライブショーのセットリストまで、単一のDPプロジェクトファイルで複数のシーケンス、曲、Vラックを作成および管理できることでさまざまな分野のプロフェッショナルに活用されている機能。DP11では、チャンクをフォルダーとプレイリストに整理できるように。 フォルダはチャンクを整理するのに最適で、プレイリストは次のライブショーのセットリストとして完全に機能する。

コントローラー・ハードウェアへの対応も拡充。Novation Launchpad Pro MK3やAkai Professional APC-40などのパッドコントローラーで、DPのクリップウィンドウを完全にハンズオン・コントロールできるようになった。個々のクリップ、あるいはシーン全体(曲のセクション)をデバイスからトリガーするほか、フィルタースイープやその他のエフェクト処理を自由に適用できる。また、Native InstrumentsおよびiCON用の新しいControl Surfaceプラグインも追加された。

Macユーザーにうれしいのが、macOS Big Sur(11.x)および最新世代のAppleシリコン搭載Macへの対応。ネイティブ・マルチコア・パフォーマンス用に最適化されたDPのオーディオエンジンは、高速コア上のオーディオスレッドを優先し、重要で時間に敏感な処理のためにCPU帯域幅を予約する。

製品ラインナップは、通常版のほかクロスグレード版、アカデミック版を用意。旧バージョンからのアップグレードは24,200円。2021年3月1日以降にDP10シリーズを購入したユーザーは、DP11に無償でアップグレードできる。

製品情報

◆DP11
価格:60,500円(税込)
◆DP11 クロスグレード
価格:48,400円(税込)
◆DP11 アカデミック
価格:48,400円(税込)
◆DP11 アップグレード
価格:24,200円(税込)
発売日:2021年7月7日
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