【速レポ】<京都大作戦2021>Hump Back「バンドやってきて良かった、京都大作戦のある時代に」

ポスト

黒地にグリーンで<京都大作戦 2021>と染め上げられた特製の万能傘が、これから始まる様々なライブへの期待感と共に花開く会場。開場時間こそ雨も降っていたが、開演時間を迎えるころには、夏を告げるような太陽光線が降り注いでいる。まさに太陽が丘にふさわしい光景とシチュエーションが、今日の源氏ノ舞台の花形を待ち受けていた。

◆Hump Back 画像

その光景を嬉しそうに見ながらステージに登場したのはHump Back。林は10-FEETのタオルを大きく広げて見せ、オーディエンスにお辞儀をした。そして語る。

「Hump Backは12年続けてきて、カッコよくなりたいって、バンド頑張りたいって思う理由のひとつに、<京都大作戦>がありました。「今年は源氏です」と言われたとき、びっくりして、ひっくり返るかと思った。でも、うちらちゃんとやってきたから。頭任せてください。<京都大作戦>2日目、大阪から来ました、Hump Back!」──林萌々子(Vo, G)

大歓迎の拍手が鳴り響くなか「拝啓、少年よ」を始めると、拍手は曲に合わせたハンドクラップとなって、Hump Backの演奏を彩っていく。




息の長い女性バンドも増えているが12年続けるのは、そんな簡単なことじゃない。結成当時の勢いだけでは続かない。惰性で続けていたら、曲も音も輝きを失ってしまう。紆余曲折を経ながら、今、Hump Backは、憧れを抱き、羨望のまなざしで見続けてきた<京都大作戦>で12年で培ったバンドパワーも思いも高らかに響かせる。あどけない表情をしているが、芯のある音を鳴らす美咲とぴか。パンチのある歌声やエモーショナルな歌いまわしで、オーディエンスの気持ちを刺激する林。

「10代、20代、30代、40代、もっと上もおる。オマエらの青春、終わってないぞ!」と叫びながら「ティーンエイジサンセット」へ突入すると、身体ばかりでなく気持ちも高揚させて曲を楽しむオーディエンスの姿が太陽が丘に広がった。さらに、バックヤードを見て作った曲では絶対にないはずだが、“おもろいオトナになりたいわ”というサビも印象的な「番狂わせ」へ。ロックンロールテイストたっぷりな曲に揺れるオーディエンス。



「昨日も遊びに来させてもらったんですけど、タクシー並んどったら、一人参戦のお姉さんに「良かったら乗りませんか?」って言われて、相席してここまで来ました。それで、いかに<京都大作戦>がむちゃくちゃ最高かってのを、道中、ずっと聞かせてもらって(笑)。あのお姉さん、ありがとうございました。でも、私も高校生のころから<京都大作戦>来てるから知ってる。あのころの京都大作戦はモッシュもあって、ダイブもあって、知らん人のタオルを上に投げて…、そんな<京都大作戦>やんか。今年はモッシュもダイブもできひんし、約束事はたくさんあるよ。でも、みんな、<京都大作戦>が大好きで、自分ができる全部を使って<京都大作戦>を大切にしたい。自分ができる全部を使って<京都大作戦>を守りたい。誰かを守るっていうのはむちゃくちゃカッコいいことで、なにかを大切にするってことは、それだけでムチャムチャかっこいいこと。あの頃となにひとつ変わらず、やっぱりカッコいい<京都大作戦>やんか、今年も。大切にしよう、一緒に」──林萌々子(Vo, G)

そして林がアルペジオを弾きながら歌い始めたのは「閃光」。そのイントロ中、演奏を止めて林はさらに言う。

「10-FEETに“ありがとう”って伝えるだけじゃ足りひんかった。だから、歌いに来たんだぜ〜」と、「閃光」の歌につなげていく。バンドを続けてきた理由のひとつが<京都大作戦>だから、その主催バンドである10-FEETに、自分たちの実力を見せつけることが、最大の感謝の表し方。それこそがバンドマン心でもある。さらに、<京都大作戦>に出ることに憧れていたころに作ったナンバー「短編小説」などを披露すると、メンバー自身の気持ちも最高潮に高まるばかり。




「ずっとバンドやってきて良かった。<京都大作戦>のある時代に、10-FEETがおる時代に。ほんとに幸せや。ありがとうございました。夢見せてもらったんで、また明日からライブハウスに帰って、いっぱいライブして、来年も出れるように頑張ります。みんなもライブハウスに遊びに来て。めっちゃおもろいから。こんなところに立たせてもらったら、あと百年バンド頑張らなあかんなと思いました」──林萌々子(Vo, G)

憧れを抱き続けるという純粋さを永遠に持ちながら、キャリアに裏打ちされた演奏力とバンド・アンサンブル、それにタフな精神力。Hump Backの本質を発揮するステージでもあった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎HayachiN/青木カズロー/瀧本 JON...行秀

【Hump Back セットリスト】

M1. 拝啓、少年よ
M2. ティーンエイジサンセット
M3. 番狂わせ
M4. 閃光
M5. 短編小説
M6. クジラ
M7. 星丘公園

<京都大作戦2021~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~>

2021年7月3日(土) 、4日(日)、10日(土)、11日(日)
京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
OPEN 9:30 / START 11:00
※終演時間=各日20:00 予定 ※雨天決行/荒天中止

【出演アーティスト ※50音順】
▼7月3日
【源氏ノ舞台】
岡崎体育 / Ken Yokoyama / coldrain / 10-FEET / Dragon Ash / ハルカミライ / MAN WITH A MISSION
【牛若ノ舞台】
COUNTRY YARD / climbgrow / J-REXXX BAND / SCAFULL KING / TOTALFAT / Vaundy
▼7月4日
【源氏ノ舞台】
氣志團 / THE ORAL CIGARETTES / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / Hump Back / マキシマム ザ ホルモン
【牛若ノ舞台】
ENTH / OAU / kobore / THE冠 / TETORA / 花団
■7月10日
【源氏ノ舞台】
打首獄門同好会 / ウルフルズ / SHISHAMO / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】
Unblock / Suspended 4th / NAMBA69 / HERO COMPLEX / 夜の本気ダンス / LABRET
■7月11日
【源氏ノ舞台】
Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SiM / 10-FEET / back number / ヤバイTシャツ屋さん / WANIMA
【牛若ノ舞台】
上江洌.清作 & The BK Sounds!! / Age Factory / SHADOWS / SHANK / Hakubi / LONGMAN

▼チケット料金
1日券9,878円(税別) /前2日券 19,690円(税別) /後2日券 19,690円(税別)
※オリジナル万能傘/オリジナルラベル除菌スプレー付き
※チケットのお申し込み・ご来場に際しては、オフィシャルサイト等の注意事項及び感染症ガイドラインを必ずご確認ください。

▼チケットに関するお問い合わせ
[問]京都大作戦チケットセンター
https://ticket-every.jp/kyotodai/contact/

▼公演に関するお問い合わせ
[問]サウンドクリエーター https://www.sound-c.co.jp
電話でのお問い合わせ:06-6357-4400 (月・金12:00~15:00 ※祝日を除く)
メールでのお問い合わせ:https://www.sound-c.co.jp/contact/


この記事をポスト

この記事の関連情報