【インタビュー】I.T.R、結成10年目の1stアルバム完成「テーマは聴きやすくてポップなツインベース」

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【インタビュー:番外編】Mzes Recordzレーベルオーナーが語る「良質な大人の音楽と発信」

I.T.Rの『Bass Life Goes On」~今こそI.T革命~』は、Mzes Recordzの第一弾アーティストとしてリリースされる。世界に5台しかないグランドピアノを有するほか、国内TOPクラスの配信設備を揃えるミュージックレストランMZES TOKYOを基盤としたこの新レーベルは、音楽制作スタジオを持ち、ラジオ番組からも情報を発信するなど、コロナ禍にもかかわらず事業を拡大し続ける勢いがすさまじい。オーナーである野本壮見氏に、I.T.Rとのつながりはもとより、心境著しいMzesグループの目指す行き先について話を訊いた。

   ◆   ◆   ◆

■MZES TOKYOは音楽以外でも活用できる場所
■コロナ禍でもやれることを継続しています

──Mzes Recordzを立ち上げるに至った経緯からお話いただけますか?

野本:2020年1月1日にライブハウス経営を始めるまで、私は音楽と関係ないビジネスをしていたんです。そのビジネスと並行してライブハウス経営のプランが持ち上がったのが、一昨年のことでした。まず、MZES TOKYOというライブハウスの成り立ちから説明をすると、もともとはGreat Journeyというバーを引き継ぐ形でスタートしたんです。ちょっとしたステージはありましたが、あくまでもバーとイタリアンの飲食店形態で、当初は赤坂という土地柄もあってTBS系のイベントや貸し切りパーティーがほとんどでした。ところが、2020年2月頃からコロナウィルスの影響が世界的なものになってしまった。

──オープン間もなくのことだったわけですね?

野本:始めたとたんにコロナの影響を受けて、3月後半から休業せざるを得ない状況でした。ただ、そうなったときに、新たに始めるチャンスだとも思えたんです。それまでのGreat Journeyの形をリセットして、音楽を主体としたライブハウスであり、発信の場にしたいと。当時は音楽ライブ配信システムが必要とされてましたし、その黎明期だったので、配信もできるスペースを作りたいという構想もあって。店の内装をはじめとするシステムをすべてリニューアルすべく、休業期間を改装期間にしました。音響のプロの方にご協力をいただいて、アーティストさんが本当に歌いやすく演奏しやすいライブハウスの形を熟考し、4Kカメラを6台入れて配信システムも充実させました。そのタイミングで、お店の名前もMZES TOKYOに変更したんです。


▲野本壮見 氏

──コロナによる休業期間を有効に活かされたんですね。“MZES”という言葉に込めた思いは?

野本:候補は幾つかありましたが、当初から“M”という文字は入れたいと思っていたんです。というのは、当店には河合楽器のMajestyという、世界に5台くらいしかない貴重なピアノがありまして。その価値のある出会いを店名に記したかったということと、MUSICを表すMを冠したかった。つまり、“ゼウス”という音楽神の名前と“M”による造語で“MZES TOKYO”。そしてリニューアルオープンしたのが2020年6月だったんです。ライブハウスとしては、まず配信ライブからスタートしました。

──現在まで、緊急事態宣言が数度発出されていますが、状況はいかがでしょう?

野本:2020年10月頃、Go To トラベルやGo To イートが始まった当時は、一時的にコロナが収まった感がありましたので、10月から12月にかけて通常ライブが実施できるようになったんですね。現在まで、森川美穂さんや高木里代子さん、香西かおりさんなどのライブも決定していますが、僕がMZES TOKYOでライブをしてほしいアーティストの方にも、その頃から出演していただけるようになってきたんです。ところが、2021年1月から再び緊急事態宣言が発出して、思うように営業できなくなってしまった。

──同じような苦しさを味わっているライブハウスが全国にあると聞いてます。そんな中でもMZES TOKYOは多角的な動きをなさっているとか。

野本:やれることが全くなくなってしまったわけではないですからね。そのひとつが、2020年4月からFM FUJIでスタートしたラジオ番組『赤坂ミュージックラウンジMZES』です。日曜日の16時から16時半まで放送している番組で、アーティストをメインに、レーシングドライバーや経営者など、いろんな方々をゲストに招いています。日曜日の夕方にドライブしながら聴いていただくのに最適な番組作りを目指して。それに僕はお酒の独自ブランドを持っているんですね。ライブハウスを経営する中で、I.T.Rの村田君やIKUOさんをはじめ、いろいろなアーティストの方々とお知り合いになれたことで、IKUOさんとのコラボレーションによるビールを作ったり。MZES TOKYOは、音楽以外の面でも活用できる場所ですから、コロナ禍でもやれることを継続しています。


──村田さんは、2020年8月の<FM-FUJI MZES BAR 2号店SPECIAL LIVE-VOL.1>にベーシストとして参加されましたし、I.T.Rとしては12月に<ランチ&ディナーLIVE>を、ここMZES TOKYOで開催しています。

野本:I.T.Rの存在を知って、すごく面白いユニットだと思ったんです。ところが、結成して10年経つのに、まだCDをリリースしていないということに驚いた。

──そして、I.T.Rの1stアルバム『Bass Life Goes On』がMzes Recordzレーベル第一弾としてリリースされることになったわけですね。

野本:まさにその通りです。I.T.Rと同じように、素晴らしい才能を持ちながらCDリリースをしたことがないサポートミュージシャンの方が結構いらっしゃるんです。その事実を知って、そういう方々とご一緒できないかと考えて立ち上げたのが、Mzes Recordzというレーベルなんです。

──Mzes Recordzのレーベルカラーとは?

野本:音楽業界のことはあまり詳しく分からないですけど、ラジオもライブ配信もお酒造りも同じなんです。いろいろな方が発信していける場所を作りたい。そういう思いのもとに始めて、作品制作の場所として協力したいと思ったのがレーベルを始めた理由で、今、音楽専用スタジオも作っているところです。

──ライブハウス、レーベル、配信システム、ラジオ番組、音楽制作スタジオ機能も備えられているとは。

野本:リスナーの方々と直接関わるという面では、MZES TOKYOがメインになるわけで。MZES TOKYOはお客さんに素晴らしい音楽を聴いていただいて、食事もしていただけます。2020年までロブション(最高峰のグランメゾン)にいたシェフが料理を担当しているので、MZES TOKYOは食事のクオリティにも自信があるんです。

──素晴らしい。最後にMzes Recordzでは、今後どういったアーティストを手がけていきたいと思われていますか?

野本:ジャンル問わず、良質な大人の音楽を発信するレーベルにしたいですね。その第一弾がI.T.R。もちろん、ベースやフュージョンに特化したレーベルにしたいと思っているわけではないんです。優れた才能やスキルを持つ様々なアーティストとご一緒させていただいて、リスナーの方々に「Mzes Recordzの作品はハズレがない」と言っていただけるようなレーベルへ成長させたいと思っています。

取材・文◎村上孝之
撮影◎野村雄治



■結成10周年記念1stアルバム『Bass Life Goes On ~今こそ I.T 革命~』

2021年6月25日(金)リリース
MZJZ-00001 5,000円+税
※Mzes Recordz 第一弾
※限定盤:ボックスケース仕様 豪華32ページブックレット封入
▼収録曲
01. Introduction (TAKA)
02. Life is Groovin' (IKUO※Vocal曲)
03. Bass Hunter (IKUO)
04. White Summer (AKITO)
05. Aim for the Moon (TAKA)
06. We Love Henrik (TAKA&AKITO ※Henrik Linder参加)
07. Interlude (TAKA)
08. Popcorn Love (TAKA)
09. Little Dragon ~Akasaka Blues~ (TAKA)
10. Red Latte (IKUO)
▼ゲストミュージシャン
・坂東慧 (Dr / from T-Square)
・山崎慶 (Dr)
・白井アキト (Key, Track)
・Henrik Linder (B / from Dirty Loops)




■<I.T.R-アルバム『Bass Life Goes On』リリース記念ツアー2021>

7月25日(日) 熊本CIB
7月26日(月) 福岡INSA
7月28日(水) 広島JUKE
8月06日(金) 東京汐留ブルームード ※延期公演分 ※配信あり
8月30日(月) 大阪天神1624 ※延期公演分 ※配信あり
8月31日(火) 名古屋ボトムライン ※延期公演分 ※配信あり
各公演詳細:http://www.inpartmaint.com/site/31983/
【配信チケット】
2000円
福岡公演:https://twitcasting.tv/f:3478292175593280/shopcart/88762
広島公演:https://twitcasting.tv/f:3478292175593280/shopcart/88763
▼メンバー
IKUO (B&Vo)
村田隆行 (B&Vo)
白井アキト (Key&Cho)※熊本のみ不参加
坂東慧 (Dr)
荷方久雄 (Key)※熊本スペシャルサポート

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