【ライヴレポート】DEZERT、ツアー＜密室会議2021〜換気はします！〜＞開幕

DEZERTのライヴツアー＜密室会議2021〜換気はします！〜＞が5月16日の名古屋Electric Lady Land公演を皮切りにスタートした。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆DEZERT 画像 / 動画

ツアー＜密室会議2021〜換気はします！〜＞は、昨年予定していたツアー＜DEZERT 2020 LIVE / 天使の前頭葉＞、＜「DEZERT 2020 LIVE / 天使の前頭葉 -結ふ-＞、＜DEZERT 2020 TOUR 天使の前頭葉＞が、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって開催延期〜中止となったため、規模を縮小して二部構成ライヴとして新たに組まれたものとなる。



梅雨の訪れを告げるかのような小雨が降る中で実施された初日の名古屋公演は、昨年11月の東京・LINE CUBE SHIBUYAワンマンライヴから約6ヶ月ぶりとなる。ツアー初日ならではの緊張感と高揚感。ファンもメンバーもスタッフも、ライヴに立ち会う全員の思いが会場を包み込んでいるような空気感が漂う。開場中には場内BGMとして、The Beatlesの「Yesterday」が繰り返されて、ファン同士の会話もなく、静か。そして定刻になると場内が暗転、メンバーが登場した。一部と二部とではセットリストを変え、久しぶりに聴く楽曲がずらりと並んでいた。

第一部ではメンバーが登場早々に機材トラブルに見舞われ、1曲目から予定外の「大塚ヘッドロック」でライヴがスタート。セットリストや演出の全貌を明かすことは、今後のライヴを楽しみに待っているファンのためにも避けるが、前述したように、近年披露されていない楽曲たちで構成されていた。初日ということもあってか、ファンとの距離感を探りながらも楽しませようとする姿勢が見受けられるなど、メンバー自身も久しぶりのライヴを楽しんでいたように見えた。

「徐々に周りのバンドも活動を再開しつつあるし、みんなに伝えたいメッセージもあるけど、まず今は、この場所にみんなと一緒に居るということが大事なんだ」とは、MCでの千秋の弁。再びステージの上に立ち、ファンに直接想いを伝えられる喜びを改めて実感しているようでもあった。



続いて行われた第二部は、第一部でのトラブルを経て、急遽セットリストを変更したという。息つく暇なく怒涛のステージを展開。また、飛散防止策としてフロアでの声出し行為が禁止されている環境下で、ファンは拍手や手振りなど思い思いの楽しみ方をしていたほか、途中、場内では換気が行われるなど、感染対策に万全を期していたことも印象深い。

それぞれ約90分にわたるライヴは、いつものDEZERTでもあったが、千秋のMCのように、長く続くコロナ禍が彼ら自身をさらに逞しく成長させ、その佇まいに安心感すら漂っている。この先に続く彼らの未来が楽しみな初日公演だった。

ツアー＜密室会議2021〜換気はします！〜＞は、ファイナルとなる6月5日の神戸VARIT.公演まで残すところ3ヶ所6公演。続いてDEZERTは、7月21日にニューアルバム『RAINBOW』をリリースすることに加え、同アルバムを引っ提げての新規ワンマンツアー＜DEZERT LIVE TOUR 2021 / RAINBOW -カメレオンは空を見上げて笑えるか？-＞開催を控えている。同ツアーは、7月23日(金・祝)の東京・Zepp Haneda公演から8月29日(日)の愛知・名古屋ボトムラインまで全9本の規模で実施される予定だ。ちなみにZepp公演は2018年の＜LIVE TOUR 2018「What is“Today”?」＞ツアーファイナル以来となる。Zepp Haneda公演チケットのオフィシャルホームページ先行受付は5月19日(水)12:00から。

撮影◎柴田恵理