【Pearl75周年特集】真矢 [LUNA SEA]×飯石社長対談、「日本が誇る物作りのDNAがしっかり根付いている」

ポスト

■100周年のときにも
■Pearl Drumsを叩いていたい

飯石:今、Masterworksの話をさせていただきましたが、Pearlはこれまでアコースティックドラムをどれだけ押し上げていくことができるか、ということにずっと挑戦してきたんです。そんな未来へ向けた究極のドラムがありながらも、先端技術を取り入れたドラムができないかな?と考えて作ったのが、今、真矢さんに使用していただいているe/MERGEです。

真矢:電子ドラムですね。

飯石:はい。これはKORGさんと共同開発したものなんですが、コンセプトには、“プレイヤーらしさそのものを表現できる電子楽器”ができないかなという強い想いがあるんです。電子ドラムを研究していく中で、核となった技術がWAVE TRIGGER TECHNOLOGYでして。これはKORGさんの持っていたWAVEDRUMシステムをさらに進化させて、電子ドラムセットにうまく適応できないかということで組み合わせたものです。どういうものかといいますと、プレーヤーの打音を音の源にするという考えなんです。つまり叩いた音そのものが、出力される音に表現されるという技術。そして、私たちが丁寧に収録したPearlの音と融合させる技術を開発した結果、ものすごい高速レスポンスと非常に高品位の音色を出すことのできる楽器が完成したんです。日本では真矢さんにいち早く注目して使っていただいて、私たちは本当に光栄に思っています。

▲真矢[LUNA SEA] with 2021 Pearl new product

真矢:とんでもないです。やっぱり初めて大きいライヴ会場で使用するということで、それにあたってPearlの方といろいろ研究させてもらったんです。例えば、ヘッドを変えても音が変わる。スティックの材質を変えても音が変わる。もちろん叩き方でも音が変わる。つまり、まるで本当にアコースティックドラムのようであり、一番アコースティックに近い電子ドラム。さらに言えば、アコースティックドラムの先を行っているというか。電子ドラムって叩けば音が出るから、ラクなイメージがあると思うんです。でも、いくらe/MERGEでも、LUNA SEAの叩き方をしなければ、あの音は出ない。例えば3歳の子供がスティック持ってダーンと叩けば、LUNA SEAの音が出るかというとそうではない。僕の叩き方をしないと、あの音は出ないんです。つまり個性が反映されるところがいいんですよね。内蔵音源は僕が叩いているわけではないので、そこに一抹の不安もあったんですが、逆にそこに新しい可能性がすごくあって。僕が叩いている感じの音をみんなで探してみたら、近くて、ものすごくいい音がたくさんあったんです。だから、ちょっと言葉は軽いかもしれないですけど、50歳にして手に入れた究極のオモチャですね。

飯石:嬉しいです。私たちがe/MERGEを開発するときに“プレイヤーのみなさんに評価されたらいいな”と願っていたポイントを、全て真矢さんに言っていただいて、本当に光栄です。

真矢:こちらこそありがとうございます。

▲真矢 [LUNA SEA] × 飯石社長

飯石:75周年を迎えたPearlは、これからどうなっていきたいかを考えているんですが、やはり私たちが目指していることは、音楽を愛する世界中の方々に愛される会社になりたいということなんです。そのために重要だと思っていることが幾つかありまして、まず第1に楽器の本物の可能性をより追求していくこと。もっと精度が高く、もっとプレイヤーに愛されるいいドラム作りが、まだまだできる余地があると考えていますので、楽器の本質的な高みを目指していきます。第2はアイデアの追求です。Pearlは総合打楽器メーカーですので、ドラムセットはもちろん、マーチング、コンサート、ラテン楽器など、いろいろな打楽器を取り揃えています。これからもアイデアを生かした打楽器作りを強化していきたいと思っています。最後は先端の技術の追求です。e/MERGEに関連してお話しましたが、これからの時代に有効な先端技術をどうやって打楽器に生かしていくかをPearlならではの切り口で開拓していきます。こういったことに取り組むことで創立100周年に向かってどんどん進んでいきたいと思っております。

真矢:今のお話を聞いて安心しました。というのは、モニターとしてもっともっとわがままが言えるんじゃないかと(笑)。先ほどもお話しましたが、こちらの無茶な提案をこれまでも形にしてくれている。つまり、Pearlさんはプレイヤーに例えるとトッププレイヤー集団のように僕は感じているんです。100周年のときには「こんなすごいものが出たんだぜ」っていうものを本当に実現していると思います。まぁ、100周年のときに僕は75歳なので、もしかしたらいるかいないかわからないですけど(笑)、希望としてはPearl Drumsを叩いていたい。これからもどんどんいろいろな楽器を作っていただいて、世界の幅広い音楽ジャンルのプレイヤーたちやリスナーたちに、Pearlさんが感動を与え続けていただきたい。それが僕たちプレイヤーにとって最も誇らしいことだと思っています。これからもよろしくお願いします。

飯石:よろしくお願いします。Pearlではよく“Pearlファミリー”という言葉を使うんですが、まさに真矢さんはPearlファミリーの重要な一員だと思っております。これからもPearl Drumsを長く愛用していただいて、音楽の旅を長く続けていただけるよう願っておりますので、100周年のときにも、またこうやってお話しましょう。

真矢:ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いします!

文◎山本弘子
撮影◎野村雄治
構成・編集◎梶原靖夫 (BARKS編集長)



■パールドラム75周年記念オンラインイベント<Pearl Drums 75th Anniversary Special Day>

無料配信:パール楽器製造オフィシャルYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/user/pearldrums1946/featured
▼出演
つのだ☆ひろ、 真矢(LUNA SEA)、 夏芽(SHAZNA, RAISE A SUILEN)、 田浦楽、 KOUICHI (10-FEET)、GODRi (SiM)、大洗高校マーチングバンドBLUE HAWKS、 森 匠勲、相澤政宏(東京交響楽団)、 高橋紫微(フルーティスト)etc...
▼コンテンツ
・スペシャル対談 真矢 × 飯石真之(パール楽器製造株式会社 代表取締役社長)
・パール75周年記念新製品オンライン発表会
・つのだ☆ひろ/真矢/夏芽/田浦楽によるトーク&パフォーマンス
・KOUICHI (10-FEET) × GODRi (SiM)対談&パフォーマンス
・⼤洗⾼校マーチングバンドBLUE HAWKS パール75thドリルショー
・森 匠勲 パール75th アニバーサリー マーチングベースアンサンブル「to the Next Stage」
・つのだ☆ひろ&⾼橋紫微が巡る パールフルート工場探検
・相澤政宏(東京交響楽団)フルート独奏
・アーティストからの75thお祝いコメント

協力:株式会社 y’s connection / NiceB、 BARKS
後援:BARKS


◆インタビュー【1】へ戻る
◆Pearl Drums 75th Anniversary 特集ページへ
この記事をポスト

この記事の関連情報