【対談】カネコアツシ×首振りDolls、ジャケ仕事から見える『ドラマティカ』の幸福な化学変化
3月17日に、首振りDollsが新作フルアルバムをリリースする。今作は2019年5月22日にリリースした『アリス』から1年10ヶ月ぶりとなる。振り返れば前作『アリス』は、メンバーが憧れて止まない漫画家のカネコアツシ氏がジャケットを描いてくれることが決まった瞬間にタイトルが決まり、そこから全ての制作が始まっていったと言っても過言ではない。
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「ジャケって明らかにその、バンドのメンバーへのプレゼントなわけですよ。その人達だけのために描いて、その人達が喜んでくれるっていうのが直で知れるのが、ジャケ仕事の一番楽しいとこなんですよね」
これは、『アリス』のジャケットを手掛けてくれたときに、カネコがナオとジョニーとショーンにくれた言葉だ。そんなカネコの人柄に触れた3人が、カネコの人間性に強く惹かれ、ますますカネコへの憧れを募らせていったのは言うまでもない。
そして、今回。新たなアルバムを制作することになったとき、彼らは作り溜めた曲を頭の中に並べた状態で、アルバムを『ドラマティカ』と名付けることにした。
その瞬間。3人の中に“カネコさんに自分達が表現した『ドラマティカ』を描いてもらいたい!”という想いが湧き上がった。煌びやかな印象を放ちながらも、どこか退廃的でノスタルジックな空気感をも漂わせる『ドラマティカ』という造語に、彼らはカネコアツシが描く漫画の世界との共通点を強く感じたのだろう。
そんな彼らの願いを迷うことなく受け止めてくれたカネコアツシ。カネコが手掛けた首振りDollsが生み出した『ドラマティカ』の世界は、その言葉を見事に表現しきった最高作となった。
そして今ここに、『アリス』リリース時の対談ぶりとなる、2回目の対談が実現。両者の出逢いのきっかけから今作の制作秘話まで、音楽というツールが生んだ人間の繋がりを改めて知ることが出来る、あたたかな対談となった。
ナオ&ジョニー&ショーン:カネコさん! 今回も本当にありがとうございました!
カネコ:いやいや、こちらこそ、本当にいいアルバムに仕上がったね『ドラマティカ』。描かせてくれてありがとう。本当に嬉しいよ。前回の『アリス』がみんなとの出逢いだった訳だけど、出逢いの場所も、まさしくここだったからね(※取材はヴァニラ画廊にて実施)。2年前に僕が初めての原画展をやったとき(※'18/11/23 〜 12/29カネコアツシ“初”原画展 Atsushi Kaneko “First” Exhibition「SEARCHANDDESTROY」@ヴァニラ画廊)に、ショーンくんが来てくれて。普通じゃない怪しい雰囲気の子だなぁって思っていたら、話しかけてくれて。そこが最初だったね。
ショーン:はい! 画集買って、サイン貰って、CD渡しながら“いつか一緒に仕事をさせてもらえる時がきたらお願いしたいです”って、図々しいお願いをしてしまいまして。
カネコ:いやぁ、図々しいなんて。すごく嬉しかったよ。まだその頃、ショーンくんは首振りDollsに加入したばかりだったんだよね。それで、CDを渡してくれるときに“首振りDollsというバンドをやっておりまして、まだこの作品には自分は参加していないんですけど、是非、いつか機会があったら描いてもらいたいです!”って言ってくれて(※インディーズ1stアルバムは『首振人形症候群』。ショーン加入後は2019年12月16日に『首振人形症候群〜REVISITED盤〜』として再発。今回3月17日から配信開始)。家に帰って聴いてみたら、めちゃくちゃカッコ良くて。すごくいいバンドだなって思った。
ショーン:嬉しいです!
――ショーンからもそのときの様子聞いてました。“いつか一緒に仕事をさせてもらえる時がきたらお願いしたいです”ってお願いして来ちゃったってメチャメチャ嬉しそうに報告してましたから(笑)。
カネコ:嬉しいね、そんな風に思ってくれてたなんて。最初ショーンくんが個展に来てくれたとき、明らかに普通じゃない風貌だったから、めちゃくちゃ目立っていたんだよ(笑)。たしか、三つ編みしてたよね?
ショーン:はい! そんなとこまで覚えててくださって嬉しいです! 今日着てるこの服着てったんです、そのとき! 今日、何着て行こうか迷ってて、ふとこの服が目に止まって、“あ。そうだ! そういえば、カネコさんと最初に会った日、この服着てったんだった!”って思い立って!
――記念日男だな、ショーン(笑)。
ジョニー:でも、まさに記念日になったんだもんね。カネコさんと会えて、こんな素敵な展開になるなんて、思ってもみなかった。
ショーン:そうなんですよ! いまだに信じられないんです。自分達のCDをカネコさんが描いてくれたなんて。
カネコ:気になったんだよね。三つ編みに、そのセーターに、革ジャン着てて。ライダース、着てたよね?
ショーン:おぉ! 覚えててくれてるんですね! もぉ、めちゃくちゃ嬉しいです!
ナオ:そのセーターの柄も独特やからね。『時計仕掛けのオレンジ』に出てくるやつだもんね! 分かる人には分かるっていう。
ショーン:そう。『時計仕掛けのオレンジ』に出てくる富豪が着てた柄なんですよ!
ジョニー:あぁ! あのマッチョを従えてる富豪ね!
カネコ:懐かしい。もう2年前になるんだね。最終日に来てくれたから2018年の12月の末だったかな。そこから間もなくして、最初に企画書みたいなメールを送ってくれたんだよね。すごく丁寧なメールだった。
ショーン:図々しいかなぁとメンバーと話し合ったりもしたんだけど、まずはメールしてみよう! ってことで。
――ヴァニラ画廊の方にカネコさんに連絡を取って頂いて、メールアドレスを聞いてね。
ショーン:そう。初めてメールしたときは本当に緊張したけど、すごく丁寧にお返事を返して頂いて。
カネコ:そこからだね。『アリス』のジャケットを描かせて頂いて。
ジョニー:『アリス』のジャケットがカネコさんから上がって来たとき、たしかツアー中で、ライヴ後の打ち上げだったと思うんですよ。“カネコさんからジャケットのイラスト上がって来たよ!”って、送られて来た連絡を受けて、みんなで一緒に見て“おぉ〜〜〜〜〜〜っ!”ってなって。ヤバイヤバイ! めっちゃいい! って、大騒ぎしたの覚えてる。名古屋だったっけな。めちゃくちゃテンション上がったの鮮明に覚えてます。
ナオ:そうだ! 名古屋だ! 名古屋の居酒屋でご飯食べてたときだった!
ショーン:そうそう! かなりお酒が進んじゃって、お会計が大変なことになったの覚えてますもん(笑)。
カネコ:そんなタイミングだったんだね(笑)。それは良かった。で、今回もタイミング的に僕がヴァニラ画廊でグループ展をやっている最中にこの対談っていう、なんだか不思議なタイミングだね。
ナオ:ヴァニラ画廊といえば、二十歳くらいの頃にすごく気になっていた画廊で、そこで個展をやられている方々を掘っていってたんです。謎の統一感というか、こだわりを感じていて。ショーンから、カネコさんの原画展を見にヴァニラ画廊に行ってくるって聞いたとき、めちゃくちゃ羨ましかったんですよ。まだその頃上京前で北九州に住んでいたので。
カネコ:ヴァニラ画廊への憧れは自分達の中にもあったよ。僕自身も、昔は、自分がヴァニラ画廊で個展が出来るようになるなんて、思ってもみなかったからね。それくらい憧れの場所ではある。
ナオ:そうなんですね! 俺の中では憧れと憧れが重なり合ってました! もう本当にすごく嬉しかったのを覚えてます! 今この状況もですけど!
ジョニー:今、もうどれだけ嬉しかったか自慢になってるけど(笑)、俺も自慢していいですか? 俺、カネコさんから今回のジャケットを描いてもらうことになる前に直接連絡があって、“ジョニーくんのあのポーズ、使わせてもらってもいいかな?”って。“あのポーズ”っていうのは、俺がよくライヴのときにやってる両手の人差し指を頭の上に立てて鬼みたいなポーズを取るやつなんだけど、“そんなカネコさん! 恐れ多い! 俺のポーズではないですよ!”ってなりましたもん。めちゃくちゃ嬉しかったですけど!
ナオ:確実にジョニーのもんじゃないね、あの鬼ポーズは(笑)。みんながやっとるポーズだし(笑)。
ジョニー:何なら俺は、アンガス・ヤング(AC/DC)へのオマージュですから!
カネコ:あははは。いやいや、僕の中であのポーズはジョニーくんのものだからさ(笑)。最初にライヴを見せてもらったとき、あのポーズがすごく印象的だったから、『EVOL』っていう新連載を始めるときに、主人公たちが悪者になるときにするポーズとして“ジョニーくんポーズ”をするっていう設定にしたくて、これはまず、ジョニーくんに許可を取らねば! と思って連絡したんだよね(笑)。
ジョニー:俺、そんな許可持ってないですから(笑)! でも、めちゃくちゃ嬉しくて、今日の対談で絶対に自慢したかったんですよ!
ナオ:俺とショーンは早速移動の車の中で自慢されましたけどね!
カネコ:そうだったんだ(笑)。でも、『EVOL』の中では結構重要なシーンに出てくるポーズなんだよ。
ジョニー:めちゃくちゃ自慢出来ますよ、本当に!
――本当に大好きですからね、カネコさんのこと、3人とも。同じメンバー同士でも、ここまでの共通点ってそこまでなかったりするものですけど、とにかく、3人ともカネコさんの作品もカネコさんも大好きなんで。
ナオ:そう。今回『ドラマティカ』っていうタイトルを付けた瞬間に3人一致で“ジャケットはカネコさんに描いてもらいたい!”って言いましたからね。やって頂けるかどうかドキドキでしたけど、OK下さったってマネージャーから聞いて、また3人で飛び上がって喜んで。
ショーン:本当に嬉しかった。
ジョニー:“カネコさんが思う『ドラマティカ』を描いて下さい!”ってお願いして。
ナオ:めちゃくちゃなお願いの仕方ですよね! 全部放り投げるみたいなお願いの仕方しちゃって。
カネコ:いやいや、そういうのもすごくいいんだけどね。やっぱりやるからには自分的にもとことん納得のいくものでなくちゃ嫌だし、何よりもみんなに喜んで欲しいからね。本当にいろいろと考えた。前回の『アリス』のときは、曲を聴かせてもらって、1曲1曲のモチーフを細かく描いていったんだけど、今回は大きくドーンと一つのモチーフをシンプルに描く感じがいいなって思って。『ドラマティカ』っていうイメージも、自分の中ではそんなイメージだったし、ここ最近はサブスクで音楽を聴いてる人も多かったりするから、サムネイルはすごく重要で。そこで引っかかって聴いてくれたりするからね。入り口はまずそこなのかなと思って。曲を聴かせてもらって、何度も聴いて。そこから、どうしようかなって、すごく悩んで。アイディア出しの段階に一番時間がかかったかな。聴いてくれる人に、『ドラマティカ』というイメージが広がってくれる絵にしたかったのもあって、そこを表現するにはどう描いたらいいんだろう? って。今回、曲もすごくバラエティに富んでいるから、いろんな見え方が出来る絵にしたくて。
ナオ:いろいろ考えて下さったんですね。本当にありがとうございます!
カネコ:『ドラマティカ』って、派手なイメージもあるし、ノスタルジックで哀しげなイメージもあるし。その両方が見えるものにしたくて。そこでたどり着いたのがメリーゴーラウンドだったんだよね。そこから馬に行き着いて。
ナオ:上がってきた絵を見たとき、感動したんです。どんな絵が上がってくるんだろう? って、本当に楽しみにしていたから。何が描かれてくるんだろう? って、本当に楽しみでしかなくて。
▲『ドラマティカ』ジャケット
ショーン:見た瞬間、“おぉ! ドラマティカだ!”って思いました。カッコイイ! って。
ジョニー:うん。すごくドラマティカを感じた。
カネコ:本当にここに至るまでいろんなことを考えたんだよ。“ドラマティカ”から連想するもの全てを出して。スペクタルな感じも一瞬考えたしね。宇宙人みたいなのも考えた。
ナオ:うぅ〜、それも見たいっ!
カネコ:あははは。他にもあったんだよ、いくつか。
――女性を描いてたっておっしゃってましたよね。
カネコ:あ、そう。描いてた描いてた。“ドラマティカ”から連想した女性をね。
ナオ:ちょっと待って! 見たいっ!
――あははは。会ってみたかったよね。
ナオ:そう! 会ってみたかった! 会いたいよ〜! どんな人だったんだろ!? 会いたい!
――もう会うのが叶わなかった存在だからこそ、会いたいよね(笑)。
ナオ:そう! めちゃくちゃ会いたい! うぅぅ(悶えながら)会いたい!
カネコ:あははは。でも、結果、これだなって感じで辿り着いたのが今回の馬だったんだよね。自分の中でしっくりきたというか。
ショーン:描いて頂いた絵を見た瞬間、本当に引き込まれたんです。ポップなんですけど、どこか退廃的なんですよね。
ナオ:毒もあるんだよね。
カネコ:ノスタルジックで寂しげでしょ。
ジョニー:そうなんですよね、なんか寂しげ。
カネコ:でしょ。そこにドギツイ色を乗せることで、フェティッシュな、ちょっと変態パーティ風に見えたりとかね。
ナオ:うんうん! そんな感じしますもん!
カネコ:あとね、よく見てもらうと分かるんだけど、ちょっと縦に伸ばしてあるんだよ。普通の尺で描いたのを縦にギューッと伸ばしてある。
ショーン:あぁ、やっぱりそうですよね!
ジョニー:そうですよね! 俺、グッズのカードデザインをするのに、あの馬と向き合って、それに気付いたんですよ! おぉ、すごい! って。これ、敢えて縦に伸ばしてあるんだ!? って。
――長体かかってますもんね! そこでもすごく不思議なニュアンスが出てるなと思いました。
カネコ:そうなんだよ。そこも実はこだわりの一つで、今の若い子は絶対に分からないと思うんだけど、昔、映画をテレビで放映するとき、シネマスコープの横長の画面をテレビの画面に収める為に、横長のものを無理矢理縦に合わせて長体かけてたんだよ。だから、画面を見ると縦に伸びてるみたいなバランスになっていたのね。ブルース・リーの映画とかそうだった。そこにすごいノスタルジーを感じてたんだよね。
ショーン:おぉ。そこにそんな意図があったとは! すごい。意図的だったんだ。本当にすごい!
カネコ:そう。意図的。でも、よくよく考えてみたら、今はもうそんな放送の仕方しないから、分からないかなぁと思いつつも、こだわりとしてそれはやりたかったんだよ。
ショーン:そうだったんですね。すごい。感動しました。
ジョニー:そういう細かいこだわりこそが作品作りですもんね。すごい。
――クリエイター魂を感じます。さすがです、カネコさん。
カネコ:全身の馬のイラストの方は原型。縦に伸ばしていない状態のものだからね。そっちの方が自然なバランスなんだよね。
ナオ:胴が長くて足が短く感じるから、そのバランスがフリークス感も感じたんです。
カネコ:なるほど、そういう見方もあるのかもね。馬なのにダックスフンドみたいっていうか(笑)。ポニーっぽいイメージね。
ショーン:フェティッシュといえば、『BAMBi』の3姉妹を思い出します。
カネコ:うんうん、ちょっと変態っぽい感じがね(笑)。
――そういう関連性も、カネコさんの作品ならではの魅力だからね。自然と要素として入ってくるのが素敵で。
ショーン:個人的にめちゃくちゃ気になったところがあって、聞いてみたかったんですけど、馬の首のあたりに数字みたいなのがあるじゃないですか。それって、なんか意味があるんですか?
カネコ:そこはね、モデルにした馬に最初から書いてあった文字。数字なのか、アルファベットなのか分からないんだけど、それが意味するものは、実は僕も知らないんだよ。
ショーン:そうなんですね! これ、逆さまにすると数字にも見えて。数字の2が見えるんです。1212。何かの暗号みたいで。
カネコ:これは2じゃなくてZみたいな感じだった。でも、アルファベットでもなかったんだよね。
――モデルにされた馬は、フランスの馬だったっておっしゃってましたよね?
カネコ:そう。パリではメリーゴーラウンドのことをカルーセルって言うんだけど、あっちこっちの広場にちっちゃなメリーゴーラウンドがあって。子供とかがそこで遊んでたりして、すごく素敵な景色なんだよ。昔ね、パリで、スーパーの裏側のちょっと寂しい広場にメリーゴーラウンドがあって、そこで子供と遊んでたときのことなんだけど、まだ子供が2歳くらいの頃かな。メリーゴーラウンドで子供が遊んでたから、少し離れたところで見ながら待ってたら、なんか見るからに悪そうな奴が寄ってきて、マリファナを売りに来て、めちゃくちゃ一生懸命に売られてさ(笑)。ちょっと待ってよ、子守してんだけど! って感じだった(笑)。
ジョニー:すげぇ! 日本じゃ考えられないですね!
――よっぽど悪く見えたんでしょうね、カネコさん(笑)。
カネコ:ってことだよね(笑)!
ナオ:カネコさんパンクスですからね!
カネコ:その頃、まだ若かったし、鋲のいっぱい付いた革ジャン着てたからなぁ〜(笑)。
ナオ:そりゃ〜来ますわ、そういう人!
ショーン:欲しそうに見えたんでしょうね!
ジョニー:確実に買ってくれると思ったんでしょうね、相手は(笑)。
――子供が遊んでいるメリーゴーラウンドの近くで危険な匂いが漂ってる感じも、なんかすごくドラマティカの世界だったりしますよね。けど、普通に公園にメリーゴーラウンドがあるって、やっぱりパリって素敵ですよね。
カネコ:そう。すごく素敵な風景なんだよね。そのメリーゴーラウンドも、そんなにちゃっちいものじゃなくて、かなり大きめなちゃんとしたやつで。
――移動遊園地的な?
カネコ:そうそう。
ジョニー:デパートの屋上とかにも昔ありましたよね、メリーゴーラウンド。
カネコ:あ〜、あったね、日本にも!
――メリーゴーラウンドがモチーフになったのも、すごく不思議な合致でしたよね。アーティスト写真を花やしきで撮ってきたというのを、カネコさんにお伝えしたときには、もうカネコさんがメリーゴーラウンドを描き始めていたくらいのタイミングで。“メリーゴーラウンドのところで撮影した写真送りましょうか?”ってなったとき、“いやいや、いらないいらない! 花やしきの馬になっちゃうから(笑)!”ってやり取りしましたよね(笑)。
カネコ:そう! ちょうど描いてるときだったから、それ見たら花やしきの馬になっちゃうなと思って(笑)。打ち合わせした訳でもなく、偶然メリーゴーラウンドだったんだよね。
ジョニー:そうだったんですね! ってきり、花やしきのメリーゴーラウンドで撮影してきた写真をカネコさんに見せて、そこでメリーゴーラウンドのイラストに繋がったんだと思ってました!
カネコ:いやいや、違うんだよ。本当に偶然の一致で。馬の案を出した後で、花やしきで撮影して来たって聞いて、おぉ〜、すごい一致だね! って。でも、その写真はまだ俺に見せないで! 花やしきの馬が頭の中に焼き付けられちゃうから! って拒んで(笑)。
ジョニー:へぇ! その一致もすごいですね!
――そう。今回写真を寫眞館GELATINにお願いして撮影してもらったんですけど、彼女の写真はモノクロが基本で色の無い世界で、今、【凄凄切切】というテーマを掲げて写真を撮り続けているんです。寫眞館GELATINが切り取ってくれた『ドラマティカ』の世界も色はなくとも、昔煌びやかだった世界を彷彿とさせるんですよね。カネコさんが表現してくれたメリーゴーラウンドとはまた違ったメリーゴーラウンドがそこにはあって。本当にそれぞれの『ドラマティカ』の切り口があったんですけど、やはり何処か寂しげなところが繋がっていたりしたんです。
カネコ:表現は違えど繋がりを感じるのってすごいよね。きっとそこの中心にあったのが、今回の『ドラマティカ』だったんだと思うからね。首振りDollsの音楽も、そういう雰囲気を発信しているんだろうしね。今回のジャケットから、そんな首振りDollsの音を感じて、多くの人たちが聴いてくれたら嬉しいなって思う。
◆インタビュー(2)へ
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