【インタビュー】Jが語るライヴの本質「変わってしまうものが多い世の中にいて、唯一変わらないものでありたい」
■これは僕の持論なんですけど
■音楽って生きていくために必要なもの
──やりたいことが実践できる前提で調整を進めておかないと、いざすべてがOKになった時に何も始められないわけですもんね。
J:そういうことですね。しかもこうして1年が経過してきた中で、いろんなものを見てきたわけじゃないですか。最初のうちはみんなもっと楽観視してた部分もあっただろうけど、それがだんだん“これ、いつまで続くんだろう?”という不安へと変わってきて……。そんな中で、音楽ってものの力がより絶対的に必要とされるようになってきている気がするんです。これは僕の持論なんですけど、音楽って生きていくために必要なものなんです。この事態が始まった当初から“不要不急”なんて言葉が使われるようになって、音楽をはじめとするエンターテインメントは二の次、三の次だ、みたいなことになってきたじゃないですか。確かにライヴを観に行くことは、不要不急なのかもしれませんよ。でも、実はコロナ禍になる以前まで時間を戻してみれば、誰だって日常を生きていくために、何かそうした不要不急の楽しみみたいなものを日々のエネルギーにしてきたことがわかると思うんです。不要不急なものと大変な日常を相殺してきたというか。この先にこういう楽しみが控えているから頑張れるし、大変な時間も乗り越えられる、というかね。もちろん音楽やライヴに限った話じゃなくて、テレビの世界だって映画だって、エンターテイメントは何だって同じことで。そこには人を強くしたり、人を元気にさせたりするエネルギーがあるはずなんです。ある意味それは、味気ない生活の中での、ちっちゃなチョコレートみたいなものなのかもしれない。だけど、そういうものを普通に手に入れられることって実はすごく重要じゃないですか。そういう楽しみまで取り上げられてしまったら、この状況に打ち勝っていこうとする気力すら失われてしまうというか。
▲ライヴ映像作品『J LIVE STREAMING AKASAKA BLITZ 5DAYS FINAL -THANK YOU TO ALL MOTHER FUCKERS-』 |
J:そうなんですよ。そこで楽しみの要素って絶対に必要になってくると思うんです。ライヴってものについては形式があるものだから、この先その形が変わっていくことになるのかもしれないけども、音楽そのものには決まった形というのがないわけですよね。そこに、みんなを元気にするエネルギーや熱、言葉をぎゅうぎゅうに詰め込んで届けることは、状況がどう変わろうと可能なはずなんです。結局、元々そうだったわけじゃないですか、音楽って。なんか最近、すごくそういうことを考えていて。
──FOO FIGHTERSのデイヴ・グロールあたりが考えていることにも通ずるところがありそうです。彼らのニューアルバム『メディスン・アット・ミッドナイト』は、直訳すれば“真夜中の処方薬”みたいなことになるわけですけど、“眠れない夜にちょっと一杯ひっかけて踊るためのもの”みたいな意味合いでもあるようで。音楽がもたらしてくれる安らぎ、次の日に向けての活力、というのはこうしたご時世だからこそ、いっそう価値のあるものになってくる。
J:まさに。そういう意味では、考え方として近いのかもしれないですね。僕自身、そういったことに全力を注いでいきたいな、と思ってるんです。もちろんライヴってものに対してもそれは同じことで。自分のライヴってものについては、僕自身のやり方で、僕のライヴならではのホスピタリティってものを観に来てくれる人たちに確実に提供していかないといけない。感染防止対策のあり方というのも、みんなそれぞれ違うじゃないですか。当然ベーシックな部分には共通するものがあるはずだけど、そのうえで何をしていくか、というところについてはやっぱり常に考えていかないといけない。そういうことにきちんと取り組みながら成功例を重ねていくことが、自分たちが持てるべきものを取り戻すことに繋がっていくんじゃないかな、と思う。
──同感です。たとえば“何も対策をとらず強引にやってみたけど感染者が出なかった”というのは、たまたま運が良かっただけのことで、それは成功例とは言えないと思うんです。万全の取り組みをしたうえで実績を重ねていかないと、意味がない。
J:ホントにそうですね。正直なところ、僕にもいろいろと思うところはありますよ。ライヴをめぐるいろいろな規制についても根拠がわからないところが多くあるし、ライヴとかイベントに来たことがない人が決めてるんじゃないかと思えるところもある。変な話、フロアがぐちゃぐちゃになってるライヴハウスと、着席して食事しながらライヴを楽しむような場所でのライヴについて、同じ理屈を当て嵌めようとするのは完全に無理がある。
──ええ。飲食店に対する規制と同様、すべて一律というのには無理もありますよね。ただ、僕が知る限り、エンターテインメントに関わる人たちは、本当に真剣に取り組んでいると思うんです。納得できないことも少なくない状況の中においても。
J:ホントにね。今、ライヴ会場ほど静かな場所って、この世界にないんじゃないかと思わされるくらいで(笑)。それはやっぱり、ライヴってものに携わってる人たち、観に来てる人たちみんなの中に、大切なものを守ろうという意識が働いているからこそだと思う。
──ええ。話を戻しますが、まずはこの春のライヴを楽しみにしています。今はライヴというもの自体が恋しいというのが本音ですし、それだけで充分すぎるほど楽しみですけど、当然、そこでは新しい何かが提示されることになるはずですよね?
J:鋭いですね(笑)。今年は、アルバムを出そうと思ってます。実際、すでに新しい曲を作る段階に進んできてます。当然、ライヴで先に走り出すことになる曲もあるはずなので、そういう意味では新しい刺激も届けられる機会になると思います。オンラインでも楽しんでもらえることになっているので、是非みんなに遊びに来て欲しいですね。
取材・文◎増田勇一
ライヴ撮影◎田辺佳子
■ライヴ映像作品『J LIVE STREAMING AKASAKA BLITZ 5DAYS FINAL -THANK YOU TO ALL MOTHER FUCKERS-』
【Blu-ray】CTXR-92132 ¥8,000+税
【DVD(2枚組)】CTBR-92130~1 ¥8,000+税
※仕様:トールケース
※初回仕様:三方背ケース仕様
※購入特典
・Pyro-mumo:特製ラミネートパス
・amazon:オリジナルビジュアルシート(27.5cm×19.5㎝)
▼収録内容
<J LIVE STREAMING AKASAKA BLITZ 5DAYS FINAL -THANK YOU TO ALL MOTHER FUCKERS->2020.8.12 Mynavi BLITZ AKASAKA
01. RECKLESS
02. break
03. PYROMANIA
04. A FIT
05. Resist bullet
06. Twisted dreams
07. Go with the Devil
08. MY HEAVEN
09. LIE-LIE-LIE
10. CHAMPAGNE GOLD SUPER MARKET
11. BUT YOU SAID I'M USELESS
12. Go Charge
13. NOWHERE
14. Gabriel
15. Feel Your Blaze
encore
en1. ACROSS THE NIGHT
en2. NEVER END
en3. TONIGHT
en4. BURN OUT
▼特典映像
<2020.6.27 J LIVE STREAMING -Online Late Show>-
・Now And Forever
・alone
<2020.7.16 J LIVE STREAMING Online Late Show Vol.2 -Keep the Heat->-
・Die for you
・ray of light
F.C.Pyro.×mu-mo販売サイト:http://fancube.jp/fcpyro/
その他ECサイト:https://avex.lnk.to/J_LIVE
■LIMITED SINGLE「MY HEAVEN / A Thousand Dreams」
※J OFFICIAL ONLINE SHOP / mu-moにて限定販売
J OFFICIAL ONLINE SHOP:http://j-wumf.shop/
■ストリーミングライヴ<J LIVE STREAMING 2021 -Blasting Wire #1->
▼視聴チケット
3,800円(税込)
https://live.nicovideo.jp/watch/lv330339857
■リアルライヴ<J LIVE 2021 -Keep It Real->
・1部:open15:30 / start16:00
・2部:open19:00 / start19:30
▼チケット
¥6,000(税込) +ドリンク代
チケット一般発売:3月27日(土)〜
■リアルライヴ<J LIVE 2021>
2021年8月12日(木) 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST (ファンクラブ会員限定)
※詳細は決定次第、オフィシャルサイトにて発表
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