【インタビュー】大城美友の分岐点「思い描いていたアルバムに」
2019年の夏、1stアルバム『MI-JUNGLE』リリース時のインタビューでは、恋も仕事もいいご縁に恵まれることを願って東京・赤坂の日枝神社に参拝し、自身の恋愛観やこれまでの恋愛エピソードを赤裸々に語ってくれた大城美友(【インタビュー】大城美友の恋は、どうもうまくいかないらしい)。
あれから1年半が経ち、2枚目となるミニアルバム『TURNING POINT』を作り上げた彼女は今どんな状況にあるのだろう。「99%事実を書くから、恋愛ソングを作るとすぐバレるんだけど」と笑顔を見せていたが、そういった恋愛事情の変化だけでなく、大城美友という人間としてどう在りたいか、また表現者としてどうアウトプットするかという試行錯誤(と書いて細胞分裂の意)を現在進行形で繰り返している彼女自身の変化にも目を向けてみた。
◆ ◆ ◆
■「止まる」っていう不安はなくて
──前回のインタビューでは縁結びのご利益があると名高い日枝神社にお参りされたわけですが、その後どうですか(笑)。
大城美友(以下、大城):もうね、いい感じですよ(笑)。自分自身も落ち着いたし、一旦諦めようとした恋だったけど、全然未来は明るいよなって思ってる(笑)。大城は常に好きな人がたくさんいるって言ってきたんだけど、将来は結構決まってますね。もう決めようって、それくらい大城の恋愛は進歩しました。
──じゃあ今度は、その報告に行ったほうがいいのでは(笑)。
大城:ほんとだね(笑)。そうしよう!
──でもそうやって自分自身の気持ちが幸せになるということは、曲作りなんかにもダイレクトに反映してきますよね。
大城:そうなんですよ。もう既にって感じ。大城は99%事実を書くから、恋愛ソングを作るとすぐバレるんですよ。コアファンにはバレる。ちなみに今回の作品にも出ちゃってます(笑)。「ヤンチャ風」は大城の今のメイン。そこに行く前が「べっこう飴と君の真ん中で」かな。
──この作品について取材を受けるのはこれが初めてだそうですが、今回のプロモーションでは恋愛トークも弾みそうですね。
大城:そうだね。でも、実はあんまり言いたくないんだよね。言うのは(顎下に手を添えながら)ギリギリ、ここまでにしたい(笑)。
──じゃあ様子を見ながらということで(笑)、新作の話を始めましょうか。ミニアルバム『TURNING POINT』、完成してみていかがですか?
大城:自分の中では、今までで一番満足してます。ようやく、理想的な自分の世界観に近づいたというか。曲はもちろんだけどジャケットなんかも含め、自分が思い描いていたアルバムになったなって思うから。
▲大城美友/『TURNING POINT』
──これまでの作品とは何が違ったんでしょう。
大城:やっぱり最初の(ミニアルバム)『MI-POSITION』と次の(1stアルバム)『MI-JUNGLE』は、自分も手探りの途中だったというか。「<大城美友>ってどうなんだろう?」って、(スタッフの)みんながそういう段階でのアルバムだったんだよね。もちろんそれはそれですごく意味があったし、自分の中で大好きな作品なんだけど、そこからどんどん成長しているんだよね。大城美友も、作るものも。本当に自分が好きな、「これがやりたかったんだ」っていうものも作れるようになった。
──制作はどうでした?言うまでもなく、コロナ禍での作業だったんですよね。
大城:そう。制作の仕方も特別で、この時期だからこそだったよね。気持ちの入り方とかも違った。リモートだから思いを伝えるのも難しかったし。大城は、人と直接会ってやらないと伝えるのが下手だから、苦戦した部分もあったよね。
──それでも一番満足の行くものが出来たわけで。
大城:うん。どんどん良くなっていってる。それが楽しい。たぶんこれから先も100点満点って出ないと思うんだけど、それなりに「イェーイ!」って思える。まぁ、大城は毎回アルバムが出来るたびに「一番いい!」って言ってきてるんだけどね(笑)。
──そこは胸を張って言いましょう(笑)。じゃあ恋愛面も、制作面も、かなりいい感じの2020年だったようですね。
大城:そうだね。ある意味(これまでよりも)もっとこう、音楽に取り組めて向き合えた1年だった。歌詞を書いていても、今こんな時代だからこういうこと言っちゃダメかも…とか変に考えちゃったりもしたんだけど、逆にそれが自分の中での成長にもなったし。時代と向き合うことで、ステップアップ出来た。すごく苦しかったけどね。ライブも出来なくなって。
──それは確かにありますね。
大城:これから、路上ライブをやるんだって計画を立てていたんですよ。そんな中でコロナがひどくなって。路上ライブをやって、いろんなライブハウスを回って、ガンガン活動するぞって準備をしていたんだけど全部ダメになった。どうしようかなって感じだったけど、じゃあとにかく曲を作ろうと。曲を作って出す、それがまず一歩かなって思ったから。
──受け取ったみんなの声も励みになりますしね。
大城:「大城らしい」って声が多かったね。それはすごく嬉しかったし、自分でも「でしょ!?」って思った。年とともに、音楽と世界観がついてきて<大城美友>っていうものが出来上がっていくよね。やっとだけど、どんどんね。今はこんな時代だけど、それでも「止まる」っていう不安はなくて。ネガティブなことも結局プラスが覆いかぶさって、今もいい感じに進んで行ってるなって思ってる。
──プラスな部分が覆ってくれるまでは、例えばネガティブなことも含め、自分自身ととことん向き合うようなタイプですか?
大城:いや、逆にそこまで考えられなくて悩んでます(笑)。本当に考える人ってものすごく考え抜くけど、そこまでの脳みそがない(笑)。考え抜く人は結果的に答えが見つかると思うんだけど、そこに行けないんです。だからもう、自分なりにやって自分なりに表現するしかなくて。
──そういう時は誰かに相談したりします?理解者みたいな存在の人がいると、心強かったりしますよね。
大城:基本、友達に相談したりするタイプじゃないんだけど、そういう意味で言うと一番は母親ですかね。昔はすごく仲が悪かったんですけど、年を重ねるに連れてようやく親友みたいな関係になれました。なんだかんだ、支えられてます。
──素敵じゃないですか!
大城:(母親も)音楽、好きなんでね。だから今、私にも私の音楽にも夢中になってるんだと思う。
──じゃあお母さんは、美友さんが音楽を始めたきっかけでもあったりするんですか?
大城:それもちょっとありますね。母も、音楽やりたかったって言ってたし。だから音楽が好きっていう遺伝子も受け継いているんでしょうね。父も、音楽は好きなんで。
──美友さんの今の活動、喜んでいらっしゃるんでしょうね。
大城:でも、音楽で褒められたことはないんです(笑)。だからいずれは、むしろ何も言えないくらいになりたいと思っているんだけど、その母が今回はこのアルバムを聴いて「いいんじゃない」ってチラッと言ったんですよ(笑)。
──感動の瞬間じゃないですか!それを受けて美友さんは何と言ったんですか?
大城:「でしょ」(笑)。
──かなりドヤ顔な感じですが(笑)、内心は?
大城:嬉しかったね。ウサギちゃんみたいに飛び跳ねてた(笑)。でも何なんだろう、曲調とかが好みだったのかな?それに一番<大城美友>に近いというか、らしさが伝わったのかもしれない。今思えばだけど、1枚目とか2枚目はそういう意味でのらしさではなかったのかもしれないね。さっきもちょっと言ったけど、それはそれでその時にしか出来ない経験をしたから逆によかったんだけど。
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