ヤマハ、プレミアムピアノづくりのノウハウを受け継いだグランドピアノ「C3X espressivo」
ヤマハから、音色・音量の変化の幅が広く、表情豊かな演奏を可能にする高い表現力を備えたグランドピアノが登場。プレミアムピアノづくりのノウハウを受け継いだ上位モデル「C3X espressivo(エスプレッシーヴォ)」が、2021年2月10日に発売される。
世界のコンサートホールやコンクールの公式ピアノにも採用されているコンサートグランドピアノ「CFX」をはじめ、エントリーモデルからハイエンドモデルまでさまざまなグランドピアノをラインナップするヤマハ。同社の新製品「C3X espressivo」は、音色や音量を演奏者のイメージどおりに変化させられることを目指して開発された。モデル名につけられた“espressivo(エスプレッシーヴォ)”は、“表情豊かに”を意味する音楽用語(イタリア語)だ。
「C3X espressivo」では、2017年に販売開始されたハイエンドユーザー層向けのプレミアムピアノ「SXシリーズ」の開発を通して培った最新の技術やノウハウを、家庭に置きやすいサイズながら低音から高音までバランスのとれた豊かな響きに定評のあるグランドピアノ「C3X」に応用。さらに丁寧に時間をかけて緻密な仕上げ作業を施すことで、演奏者が思い描く演奏表現に十分に応える高い表現力を実現した。美しく響く繊細なピアニッシモや色彩感のある力強いフォルティッシモなど、演奏者の弾き方に敏感に反応して音色や音量を多彩に変化させることができ、より緻密で情緒的な演奏表現が可能だ。
ハンマーにはプレミアムピアノ「SXシリーズ」と同じものを採用。弾力性に優れた羊毛フェルトを素材に仕様し、最適な形状と硬さに調整することで深みのある倍音と豊かな音色を実現。「C3X espressivo」の特徴に合わせて特別な整音を施すことで、ピアノ本体から幅広い音色を引き出す。また、アクションやダンパーの細部を緻密に整える整音工程においては、職人が時間をかけて1台ずつ調整。繊細なタッチへの敏感なレスポンスや正確な止音が可能となり、高度な演奏表現をサポート。さらに低音部に使用する弦に、職人の手作業による手巻きの巻線を採用。1本ずつ微妙に異なる銅線の特徴を踏まえたふえで丁寧に巻きつけて製作することで、明確な音程感と重厚さを併せ持つ美しい低音と、安定した和声感をもたらす。
▲弾力性に優れた羊毛フェルトを素材としたハンマー(左)、手巻きの巻き線(中)を採用。薄い木材を何枚も貼り合わせて厚みを作る曲練支柱(右)は1枚を厚くし枚数を減らして振動の効率をアップ。
素材には良質なヨーロッパスプルースを使用し、「CFX」で培われた技術をもとに、同様の響板・響棒設計構造を採用。響板へのストレスを低減し、効率的な振動を生み出す構造により、美しく伸びのある音、倍音が多く豊かな響き、自然な音の立ち上がり、幅広いダイナミックレンジを実現する。
また、音の伝わり方に大きく影響する曲練支柱(まげねりしちゅう:曲線部分の支柱)には、「SXシリーズ」と同様の製法を取り入れた。薄い木材を何枚も貼り合わせて厚みを作る曲練支柱で、1枚1枚の板の厚さをこれまでより3割厚くすることで、貼り合わせる板の枚数を減らした。これによって接着面が減少して木材全体の振動がより効率的になり、深みや温かみを感じさせる潤いのある音色と豊かな響きを生み出す。
こだわりの譜面台デザインにも注目。譜面台の両端が空いたデザインが、外観上の特別感を演出するとともに、ピアノの音が演奏者に直接届く音抜けの良さを実現している。また、譜面台に隣接するランプ台には、このモデルのコンセプトである“espressivo”のロゴを刻み、特別感を演出している。
製品情報
価格:3,300,000円(税別)
発売日:2021年2月10日
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