2台のMIDI機器間のワイヤレス接続やiOS/Mac、BLE機器との接続をサポート、CMEからワイヤレスMIDIアダプター「WIDI Master」登場

ポスト

MIDIコントローラーをはじめ長年にわたりMIDI周辺機器のブランドとして高い知名度を誇るCMEから、ワイヤレスMIDI環境を手軽に構築できるアダプター「WIDI Master」が登場。新たにCME社の代理店となったフックアップより、10月30日に国内販売が開始となる。

CMEは15年以上に渡りワイヤレスMIDIのソリューションに取り組んできたメーカー。特に2015年に人気のワイヤレスMIDIキーボード「XKey Air」をリリース後、多くのユーザーからBluetooth MIDI接続へのリクエストが寄せられ、この「WIDI Master」の開発に至った。なお、「WIDI Master」はフックアップが国内の代理店となるが、CME Xkeyシリーズは引き続き、株式会社銀座十字屋 ディリゲント事業部が取り扱う。

▲「WIDI Master」はMIDI IN/MIDI OUT端子に接続して使用。MIDI OUT端子から供給される電源で駆動するため、使用するMIDI機器にはMIDI OUTが必須。

「WIDI Master」は、MMA(MIDI Manufacturers Association)によって承認された新しいワイヤレス規格、Bluetooth MIDI(BLE-MIDI)準拠の製品で、まさに「バーチャルMIDI ケーブル」と呼べる便利なツールだ。ハードウェアのMIDIポートに接続することで動作。電源はMIDIポートから供給されるため、乾電池を用意したり充電をするなどのわずらわしさはない

「WIDI Master」は、シンプルにをMIDIケーブルの代わりとして使うことが可能。MIDIマスター、MIDIスレーブ機器の両方に「WIDI Master」を接続することで、ワイヤレスならではの開放感を味わうことができる。より速く、より通信距離を稼げるBluetooth 5を採用したことで、ライブやステージでの信頼性が向上。今までの2倍の速度と4倍の範囲で確実なMIDI接続を実現する。また、3msという革新的な超低レイテンシーも注目。スマートアルゴリズムによる伝送の最適化が図られている。


▲2つの「WIDI Master」を使うことで2つのMIDI機器をワイヤレスで接続することができる。

独自のSCA(Smart Connectivity Algorithms)技術により、他の Bluetooth MIDI 技術とは一線を画すパフォーマンスを実現しているのもポイント。SCAは使用環境に合わせ、WIDIのパフォーマンスを最適化する極めて有効なアルゴリズムの集大成。デュアルロールオートメーション、自動ペアリングモード、スマートハブ機能、レイテンシーの短縮、およびパフォーマンスの最適化を果たす。


▲シンセサイザーやMIDIキーボード、ウィンドコントローラーなどMIDI端子を備える多くの機器をワイヤレスで使用可能に。

カンタン操作で即座にセットアップできる自動ペアリングもサポート。自動でマスター/スレーブを切り替え、自動的にペアリングする。また、MIDIをクロックとSysEx(システムエクスクルーシブ)にも対応。ドラムマシンやステップシーケンサー、アルペジエイターの同期もサポートする。Bluetooth経由であらゆるMIDIメッセージを送信する。


▲「WIDI Master」は、MIDI OUT側のメインアダプターとMIDI IN側のサブアダプターに分離可能。送信だけを行うMIDIキーボードでOUT側のみを使用する場合はよりコンパクトな形態となる。

同種の製品は他社からもいくつかリリースされているが、その中でも「WIDI Master」をユニークな存在にしているのが、MIDI IN(サブアダプター)の取り外しが可能なデタッチャブル設計となっている点。MIDI OUT(メインアダプター)側を単独で使用することができる。MIDIキーボードなどMIDI INを必要としない機器や、MIDI IN端子を持たない機器で使用する際に、MIDI IN側がぶらさがり邪魔になるといったことはない。ウィンドコントローラーでの使用には特にうれしい仕様だ。Android/iOSアプリの「WIDI App」によって常に最新のアップデートを提供する、ライフタイムアップデートも心強い。

接続方法は以下をサポート。完全なスタンドアローンのMIDI機器間の接続から、PC/スマートデバイスやBluetooth対応楽器との接続など、さまざまな環境に対応できるのも「WIDI Master」ならではのメリットだ。

●MIDIポートからMIDIポートへ

2つの「WIDI Master」を使うことで、スタンドアローンのMIDIハードウェア2台をペアリング。たとえば、MIDIコントローラーのMIDI OUTポートと、MIDI音源モジュールのMIDIポート INポートをワイヤレス接続。

●Bluetooth(BLE)からMIDIポートへ

1つの「WIDI Master」を使い、Bluetooth MIDIコントローラーをスタンドアローンのMIDIハードウェアとペアリング可能。たとえば、ワイヤレスMIDIキーボードと、MIDI音源モジュールのMIDI INポートのワイヤレス接続。

●macOS/iOS BLEからMIDIポートへ

1つの「WIDI Master」とiOSデバイスまたはMacとをペアリングし、DAWからスタンドアローンのMIDIハードウェアを演奏させることが可能。この時、「WIDI Master」はスマートアルゴリズムを使用して、自動的にスレーブモードに切り替わる。

フックアップのサイトには、環境ごとの接続方法を紹介したクイックスタートビデオ(日本語字幕入り)が掲載されている。音楽制作環境へのワイヤレスMIDI導入を検討している人はぜひこちらをチェックしてほしい。

製品情報

◆WIDI Master
価格:6,500円(税別)
発売日:2020年10月30日

<おもな仕様>
・ワイヤレス技術:Bluetooth 4/5、BLE-MIDI準拠
・対応デバイス:iPhone、iPad、iPod Touch、Bluetooth 4.0以降に対応しているMacintoshコンピューター
・対応OS:iOS 8以降、OSX Yosemite 10.10以降
・ファームウェアアップデート:WIDI App(iOS/Android)による無線でのアップデート
・スイッチとインジケーター:1×マルチカラーLED(通常使用時=青色、ファームウェアアップデート時=緑色に点灯)、1×スイッチ
・接続端子:1×MIDI IN(5ピンDIN)、1×MIDI OUT(5ピンDIN)
※本機を接続するMIDIハードウェアがMIDI OUT DIN端子を備えている必要があります(MIDI IN DIN端子のみを備えるMIDIハードウェアとはお使いになれません)。
・電源:5V/3.3V対応、MIDI OUT DIN端子からの電源供給によって駆動
※すべてのMIDIハードウェアが5V/3.3Vの電源を出しているわけではありません。本機を接続するMIDIハードウェアのメーカーまで仕様をご確認ください。
・消費電力:37mW
・外形寸法と本体重量:
メインアダプター(MIDI OUT):21×21×49mm(W×H×D)、12g
サブアダプター(MIDI IN):18×18×24mm(W×H×D)、10g
この記事をポスト

この記事の関連情報