ジョージ・リンチ「リンチ・モブの名は結成したその日からずっと問題だった」

ポスト

ジョージ・リンチは今年夏、「リンチ・モブという名前にはいつだって問題があった。いま、この名前を維持するのは不適切だ」と、デビュー・アルバム『Wicked Sensation』(1990年)の30周年を記念し再レコーディングした『Wicked Sensation Reimagined』のリリースを最後に、リンチ・モブの名を捨てると告知したが、最近、『BODS Mayhem Hour』のインタビューで、そう決断するに至った理由をより詳しく述べた。

◆ジョージ・リンチ画像

「この名前は第1日目からずっと問題だった。リンチ・モブを結成した最初の年、『The Village Voice』のインタビューを受けたときのことを覚えてる。ジャーナリストは若い黒人の女性で、僕がこの名前を使うことにすごく困惑していた。だから、僕は説明しようとしたんだ。でも、自分でも上手く説明できていないことに気づいた。僕の主張が十分でないのはわかってた」

「僕は、それが自分の苗字だからって主張できるが、あの言葉が象徴するものはわかっているから、大半の人がそう思わないことも承知している。若いときは、自分は正当化できるって思ってた。“大丈夫だ。大半の人は、あのリンチとは関係ないって理解してくれるだろう。僕の名前なんだ”って。議論はあったよ。くだらない、自分から買って出るようなものじゃなかった。でも、あのインタビューではどれだけ論理的になろうと努めても、彼女から追い詰められた。申し訳なく思ったよ。でも、改名するほどではなかった。だから使い続けたんだ。30年間もね」「でも、時が経つにつれ、どんどん気まずさを感じるようになっていった。もちろん、今、最近では正当化することなんてできない」

それに加え、新型コロナウイルスのパンデミックが起こり、「またツアーができるかどうか、誰にもわからない。リンチ・モブは基本的には僕の唯一のツアー・バンドで、今、それが砕かれた」と感じたのと、終止符を打つには30周年が一区切りになると考えたという。

リンチ・モブ最後の作品『Wicked Sensation Reimagined』は8月終わりにリリースされた。

Ako Suzuki
この記事をポスト

この記事の関連情報