【鼎談】SHO ASAKAWA & JUN YOKOE(from.PLASTICZOOMS)×ショーン・ホラーショー(首振りDolls)、始まりは“服と音楽”から
――あははは。すごく分かる(笑)。まぁ、頑固の形が違うんだな。出し方が違うというか。
SHO:あ〜、そうかも。あとね、決定的に違うのは、俺は、誰とでも仲良くなれる。仲良くなれないタイプが居ない。よっぽど嫌な奴は別だけどね。何処でも、誰とでも仲良くなっちゃう。
ショーン:そういうとこもナオくんと同じですね。
SHO:ナオくんも海外向いてるかもね。俺はね、とにかく人が居ないと無理なの。だからJUNくんにもしょっちゅうちょっかいかけちゃう。
JUN:ツアーとか行って、広い部屋とかにみんなで雑魚寝とかしてるときとか、携帯にメッセージがひっきりなしに来るんですよ。夜中でもう寝たいのに、、、、。もう、誰? って思って見ると、同じ部屋で寝てるSHOくんからなんですよ、、、。美味しそうなご飯の写真とか連続で送られて来て、、、、。
ショーン:なんで!?
SHO:ねぇねぇねぇ、って起こすんですよ。構って欲しくて近寄ってくタイプなんだよね(笑)。
ショーン:あ、あぁぁ。
――それもどっかで聞いた話だなぁ(笑)。
ショーン:どっかで聞いた話ですよね(笑)。
JUN:そうなの?
ショーン:はい。僕もナオくんから似たようなことを、、、。
――されてるね(笑)。
ショーン:画像は送られて来ないですけど、似たようなことはされてますね(笑)。
SHO:あははは。ショーンくんとJUNくんはめちゃくちゃ近いし、俺とナオくんが近いんだな〜。ナオくんはちゃんとビジネス脳を持ってる人?
ナオ:どうなんですかね? まぁでも、バンドとか会社を守る立場として、いろいろと書類の整理とか運営面とかも管理してますけど。
SHO:素晴らしいね。そこは俺と違うとこだなぁ。俺はビジネス脳がない感覚の人だから。
JUN:たしかに。アイディアの人だよね。
SHO:作ることは好きなんだけど、それを売るとか、どうやって広げるとか、そういうのは本当に苦手。数字にしたり統計取るとかそういうのは難しい。そこは全部JUN。JUNくんは本当にそういうところも長けている人だからね。
ショーン:すごいですね。自分も全くビジネス脳は無いので、そこはJUNさんと大きく違うところですね。
JUN:いやいや、僕も向いてる訳では無いんですけどね。でも、ちゃんと分かっていないとダメなのかなと思って。
SHO:ニュースの出し方一つにしてもそうだし、そこらへんはすごくチームにとって大切で、重要なことだからね。そこを間違えちゃうと大きく変わってきちゃうと思うから。これからの時代、ただのバンドマンじゃダメなんだと思う。
――そうだね。もちろん、アーティストとしては、アイディアマンであることが一番大切だし、感覚を研ぎ澄ますことが一番なんだと思うけど、アクセルを踏むときとブレーキを踏むタイミングは、すごく重要なことだよね。
SHO:そう。本当にそう。アクセルをずっと踏みっぱなしでもダメ。お客さんがのモチベーションをある程度コントロールしてあげることはすごく重要なポイントで。“ワクワク”の沸点をどこまで高めてあげられるかって、すごく大切なことだと思うし、お客さんへの愛だと思うからね。
――それは、このコロナを受けての時間で、さらに考え方が変化したってことでもあるのかな?
SHO:うん。それはあると思いますね。俺自身、コロナによって出来た時間の中で、改めて人間の命を深く考えさせられたというか。自分が死んだ後も残るものを作るべきだと、より深く思うようになった。発言とかリリースも、ノリでやってしまってOKな立場の人間ではないと思ったというか。俺が今まで生きてこられたのもみんなのおかげだし、俺はみんなに生かしてもらっている人間だから、だからこそ、ちゃんと作品で恩返ししていかないといけないんだなって感じたんですよね。だから、それまでやっていたインスタライヴとか配信ライヴも、一旦全部辞めて、自分の殻に閉じこもったんです。自分の心とちゃんと話をして、自分の核を固めてから、作品と共に自分も外に出ていこうって思ったんです。だから、こうやって喋るのも本当に久しぶり。
――すごく大きなキッカケになったんだね。
SHO:僕にとってPLASTICZOOMSは何よりも大切な場所だし、守るべき場所なんです。だから、そこを守るためだったらなんだって出来る。自分が憧れた世界もアンダーグラウンドなロックシーンで、音楽性が好きなのはもちろんなんだけど、彼らはバンドをやるために必死で働いて自らの生活を支えながら、それでも音楽を辞めなかったっていう、そういう精神面にもすごく惹かれたんですよ。大切なものの為に削れるものってあるんです。
――本当にそうだよね。本当にそう。すごく分かる。
SHO:ちゃんとそれだけの気持ちと体力を持っていたら、飯も食えて、寝る場所もあって、生きていけるから。全部その生き様は作品に繋がって行くから。ちゃんと音楽を聴ける状態を持ててこそ、音楽の意味を受け取れるんだと思うから。まずは心身共に健康であること。倒れたら終わるから。そこがあってこそ、リリースだと思うからね。アートって、娯楽でしょ。娯楽って、当たり前の上に乗っかってるものだと思っているんですよ。そこは崩したくないんですよね。
ショーン:なるほど。
SHO:普通だったら、JUNくんとは、性格上もそこまで接点ないし、ここまで仲良くなってないタイプだと思うけど、一緒にバンドをやれたことで、お互いを深く知ることが出来た。僕にとってJUNくんはメンバーであり親友なんだと思う。最近本当に強く思ったのもあって、電話したよね。
JUN:あ〜、したね(笑)。
SHO:コロナになってね、ステージの上でライヴをすることが、一番の生き甲斐になってるJUNくんが、ちょっと塞ぎ込んで落ちてるのを感じたんですよ。俺は、普段から曲作るの好きだし、デザイン出しとかするのも好きだから、コロナになって自粛期間で自宅待機的な感じになっても、そこまでいままでの生活リズムが崩れなかったんだけど、JUNくんは生きる場所を失ったくらい落ち込んでたのを感じて。JUNくんはバンド内の運営面的なことや、細かい管理をしてくれているんだけど、ライヴが出来なくなっちゃったから、それだけになっちゃったからね。すごく辛かったと思う。その辛さが伝わってきてたから、これは早めになんとかしてあげた方がいいなと思って、長電話したんですよ。何時間したっけ? 6時間くらいしたっけね?
JUN:うん。何日かに分けて、それくらいは話したね。
SHO:今、3年間くらいかけて作ってるアルバムのレコーディングをしているんだけど、その渦中でもあったから、すごくいろんなこと話したよね。話してみて、構想から3年という期間でのアルバム制作の中でJUNくんの気持ちも分かったし、いい意味で、JUNくんっていう人間性も含めて背負っていこうって、改めて思ったというかね。だからね、バースデーライヴとか延期になっちゃって、結果流れてしまって、ショーンもJUNくんと同じような心境になっていたんじゃないかなって、心配してたんだよね。ライヴはショーンの生き甲斐でもあると思うからね。
ショーン:ありがとうございます! でも、本当にショックでしたね。生き甲斐を奪われたみたいな感覚になってました。コロナは仕方のないことだったんだけど、4月にやるはずだったプラズ(PLASTICZOOMS)との対バンが延期になってしまったときは、本当にめちゃくちゃショックで。
SHO:フライヤーとかTシャツもガチガチに作り込んでたもんね。
ショーン:そうなんです。全部自分発信で作り込んでいたので。本当にやりたかったです。念願のPLASTICZOOMSとの対バンでもあったし。お客さんを制限して入れてやるのもなんか違うし、配信で対バンっていうのも、、、、。
SHO:そうなんだよね〜、無観客配信で対バンはね、、、。
ショーン:はい。やっぱりPLASTICZOOMSのライヴはフロアでお客さんが踊っていてほしいんで。
SHO:優しいね〜。こういうとこありますよね、ショーンって。本当に真っ直ぐな人。でも、そういう人がやる音楽って本物だと思うんだよね。自分の音楽を愛してくれてる人を愛してるから言えることだと思うからね。
ショーン:お客さんには本当に楽しんで欲しいですからね。
――延期の上に結果流れてしまって、永久的に保存してもらえる映像作品に切り替えた3days企画も、とことん楽しんでもらえるように必死で考えていたもんね。お客さんが喜んでくれるリクリエーションを必死で考えてたり、昼間にアコースティックライヴをしたり、この日の為に朝までかかって必死で新曲を作ったり。全てはお客さんを喜ばせたいという為に頑張ってたからね。
ショーン:PLASTICZOOMSとの対バンもそうですけど、やっぱり一番はお客さんを入れてライヴをしたかったですけどね。本当に。それが出来たらどれだけ良かったか。お客さんも楽しみにしてくれていただろうし、その為に自分たちも頑張ってきたし、、、。本当にショックだった。
SHO:そうだよね。でも、また絶対にやればいいんだよ! 何年かかったって、実現させたらいい。首振りDollsとPLASTICZOOMSとの対バンは絶対にやろう。ここで約束しよう。首振りDollsが3daysで作って残した映像もそうだし、こうしてショーンと対談したこともそうだし、後から振り返ったとき、絶対に“このときのこの時間があったからこそ今があるよね”って言えるようになってると思うから。今は思うようにライヴが出来なくて本当に辛いけど、絶対に何かこの先に繋がってると思うよ。今までもそうだったと思うんだよね。何か新しいことが始まったり発明されたりするときって、何か大きなキッカケが起こったときだと思うんだよ。だからね、きっと何か新しいものが生まれるんだと思う。
――そうだね。今はお客さんもメンバーも本当に辛いし、シンドイけど、共に乗り越えられたら、きっとまたその先で楽しいって思えることが待っているんだと思うからね。それを信じて頑張るしかない。
JUN:そうなんですよね。でも、本当に人生ってなんとかなるもんだなって思うんです。ベルリンに行って、本当にそう思ったんです。
ショーン:あ、その話聞きたいです。ドイツに滞在してたときって、どんな感じだったんですか?
SHO:もうそれは大変だったよ、毎日が(笑)。行く前にひと作品音源作って、“行ってきます”の挨拶して、とにかく“ドイツのベルリン”っていうことだけしか知らない無知な状態で行ったからね。
――ベルリン行きを決めたのはSHOくん?
SHO:そう。“ベルリン行くけど、行く?”って。
JUN:そう(笑)。それだけ。“あぁ、うん、行く行く”って(笑)。流石にちょっと一瞬、息を飲み込んだけど、まぁ、行くか、って。
――すごいね! ショーンだったら行く?
ショーン:え!? うぅ、うわぁ、、どうかなぁ、、、。でも、行きますよ、みんなメンバーが行くって言うなら。
SHO:絶対にいざとなったら行くって言うと思うよ、ショーンくんも。
JUN:でも、SHOくんのバイタリティは本当にすごいなって思った。とにかく突き進んで行くからね。SHOくんは、洋楽をたくさん聴いてきていたのもあって、ヒアリングは得意だったみたいで、“イェ〜イ!”と“イエス!”と“ノー”とアーティスト名で全部乗り切ってたからね。それでどんどん友達作っていって。本当にすごいと思った。
ショーン:すごいですね。何年行ってたんでしたっけ?
SHO:1年行って、その後で3ヶ月ツアーした感じ。でも、一瞬だったよね。
JUN:一瞬だったね〜。
――日本人であることの特別は感じた?
SHO:肌の色が黄色いってのは、すごく強みだなって思った。差別的なことを言ってくる人はいたけど、そういう人は何処にでも居るから。でも、海外のアーティストの前座とかで一緒にやったりしてたときも、すごく手応えがあったし、海外で受けるから絶対に行くべきだって言われていたし、自分の作る曲は日本語よりも英語の方がハマりが良いのも感じていたから、とにかく早く海外で試してみたかったってのはあったから。歌詞に関しては、日本語じゃダメとかないからね。日本の曲が向こうではすごく聴かれていて、山下達郎とか幾何学模様とかギターウルフとか、竹内まりやとか、すごい人気だから。差別視したり、嫌なことを言ってくる人は何処にでもいるから。そういうのは気にしないこと。俺はそういうのは気にしないからね。
JUN:僕はめちゃくちゃ気にしちゃうんですよね。気にして凹んじゃう。
SHO:そう。だから、盾になってあげないとね、僕が(笑)。
JUN:本当にありがたい!
ショーン:めちゃくちゃわかります、その凹む感じ(笑)。
SHO:やっぱり2人は似てるね(笑)。みんなが居てくれて、自分が居る。そういう関係性が生まれると素敵だよね、音楽って。バンドをこんなふうに居られる。本当に幸せなことだなって思う。一番は、自分たちの音楽を好きって言ってくれるファンの人たちの存在。それと、同じバンドで人生を共にしてくれているメンバーとスタッフの存在。みんなに生かされているんだよね、僕たちは。
ショーン:本当にそう思います。だからこそ、最高のライヴを早く生で届けたいなって思うんですよね。今はまだそれが思いっきり出来ないから、なんとかみんなが楽しんでくれるように試行錯誤しているんですけどね。
――配信とかもずっとやってたら飽きちゃって楽しくないんじゃないかって考えて、その日の楽屋やリハーサル風景も届けられるような永久的に保存してもらえる映像(Mカード)を作ってみたり、本当にいろいろと考えているんだけどね。
SHO:映像を作るのも大変でしょ。でも、なんとかファンのみんなに楽しんで欲しいから頑張ってるんだもんね。すごく分かる。ファンのみんなへの気持ちもそうだけど、同じくメンバーをすごく大事に思うようになったし、気遣うようになったし、すごく深い話をするようになった。今まではしなかったような話までするようになったからね。
――JUNくんに長電話をしたのも、そういう想いからだったんだね。
SHO:そう。時間に余裕が生まれたから、いろんなことを考えられるようになったのかなって。メンバーとは本当に気持ちの上での距離が近い方がいいと思う。もちろん、作品作りにおいては、ちゃんと距離を保って、グダグダにならないようにね。マンネリ化は絶対にダメだと思う。自分達の為、自分の為に頑張ってくれてる人への恩を忘れるのって最低だと思うし、そこの優しさに慣れちゃダメだし、そこへの感謝を忘れたら本当にダメだと思うからね。忙しくしてるとそこ見失いがちだけど、そこを軽視したら終わると思う。それを、時間に余裕が出来たこの期間に見つめなおせた気がしてる。だから、マイナスのことばかりじゃなかったんじゃないかなって思ってる。
ショーン:すごく納得です。本当にそう思います。
SHO:そこをちゃんと見つめ直して、しっかりと共有することで、この先もずっと長くいい音楽を発信していけると思うし。それがバンドを長く続けていける秘訣でもあると思うからね。
――近くに居る人を大切に出来ない人って、絶対にたくさんの人に感動を与えられるようなものは作れないと思うからね。
SHO:そう思いますよね。全員を幸せにする事は不可能だけど、居てくれる人を大切に出来ない人は、本当にダメだと思う。
ショーン:本当にそうですね。すごく人間としても尊敬出来ます、SHOさんもJUNさんも。本当に早く一緒にライヴしたいです!
SHO:本当に早くライヴやりたいよね! 対バンしたらね、ニュー・オーダーみたいな感じでしたいと思ってたんだよ! 3、4弦をJUNくんが弾いて、1、2弦をショーンが弾いてセッションやりたい!
ショーン:いいですね! ハイとローで!
JUN:ショーンくんはスラップが得意だから、そこも際立たせてもらって。
SHO:ツインドラムもいいしね。全員でステージに立ってやりたいな。
JUN:首振りDollsとPLASTICZOOMSとだったら、本当にすごく面白いこと出来そうな気がする。
SHO:接点なさそうな感じかもだけど、実はすごく重なってる部分があるからね。最初の方にも言ったけど、何年かかっても実現させようね。絶対に対バンは実現させよう!
ショーン:ありがとうございます! 絶対に実現させましょう! 今日は本当にありがとうございました!
取材・文◎武市尚子
写真・映像◎DOLL RECORDS Co., Ltd.
■【緊急告知】有観客ライヴ解禁
REAL FRIDAY THE DOLLS
〜首振りDolls one-man 人数制限付有観客公演〜
《2回公演》
17:00〜18:00
20:00〜21:00
前売り4,000当日4,500+drink order
Live Pocketのみ
10/10 10:00〜
LivePocketにて発売開始:https://t.livepocket.jp/
■2020年11月13日(金)新宿MARZ
【2DAYS企画】FRIDAY THE 《13TH》DOLLS -horror night -
〜首振りDolls one-man 人数制限付有観客公演〜
《2回公演》
17:00〜18:00
20:00〜21:00
前売り4,000当日4,500+drink order
Live Pocketのみ
10/10 10:00〜
LivePocketにて発売開始:https://t.livepocket.jp/
■2020年11月14日(土)中野spaceQ
【2DAYS企画】FRIDAY THE 《13TH》DOLLS
〜首振りDolls acoustic one-man live〜
《3回公演》
※ガイドラインに沿った1公演15人の有観客のみ配信無しの超プレミアムなアコースティック&トークライヴになります!
16:00〜
18:00〜
20:00〜
前売り4,000当日4,500+drink order
Live Pocketのみ
10/10 10:00〜
LivePocketにて発売開始:https://t.livepocket.jp/
※同タイトル、同日程にて一部公演、二部公演と開演時間が異なりますので、ご購入の際はよくご確認くださいますようお願いもうしあげます。
※入場時お手を触れる事なくお使いの端末に表示させたQRコードチケットの認証でご入場頂けます。
※チケット購入には事前に Live Pocketにご登録頂く必要がございます。
※上記サイト内にて10/10 10:00〜ご購入手続きをして頂けます。
※感染症対策ガイドラインに沿った形での開催となります。ご入場頂ける人数には限りあり、受付可能枚数が大変少なくなっております。ご了承頂きますようお願い申し上げます。
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