【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY1、PUSHIM with HOME GROWN「生きている心地がします」
新たなアーティストとの出会いが、ロックを含む音楽フェスティバルの醍醐味の1つであることは、何度かフェスに足を運んだある人なら感じていることだと思う。かくいう筆者も<中津川ソーラー>に足を運ぶたび、必ず1組は新たな出会いを経験している。
◆PUSHIM with HOME GROWN 画像
今年はその醍醐味が早くも1日目に訪れた。それが日本を代表するクイーン・オブ・レゲエ、PUSHIMだった。多くのレゲエファンが今回のPUSHIMとHOME GROWNの共演に狂喜しているにもかかわらず、レゲエの門外漢である筆者は、Billboard Live TOKYOで今回配信されるライブを収録した直後に、彼女がツイートした“ばっちばちにREGGAE MUSICかまして来ました!”という言葉にちょっとビビりながら、ライブに臨んだのだが、全9曲を披露したライブの中頃にはすっかり彼女の歌の魅力にひきこまれていた。
ライブの序盤、“新しい時代に耐えましょう”という歌詞が今となっては、何やら予言めいて聴こえる「世界の何処かで」(2019年3月発表『Immature』収録曲)ほか、ソウルフルなバラードを歌って、切なさが入り混じるやさしい歌声の魅力を印象づけると、「Da Bulldog」からの中盤は、「レゲエの曲を<THE SOLAR BUDOKAN>でお披露目できるということで楽しみです!」とレゲエの裏打ちのリズムを強調した曲を繋げ、今度はタフな歌声の魅力をアピールしながら、HOME GROWNのメンバーとともに演奏の熱を上げていった。
そして、ラブソングの「DiDistance」で、“I’m in love君とのDistance”という歌詞を、“二度とは戻れないいつもの日常 Socia distance”と変え、コロナ時代の人々の葛藤も歌ってみせると、「配信でも、こうやって歌えて、聴いてもらえる機会は大切です。生きている心地がします」と語り、ラストはバラード調の「In my village」と「I pray」を歌い上げ、今一度、ソウルフルな歌声の魅力を印象づける。前者からはシャンソンにも似たロマンチシズムが感じられたが、彼女の歌にはレゲエだけにとどまらず、ソウルはもちろん、ラテンのエキゾチズム、昭和歌謡のノスタルジアが感じられるところがおもしろい。
「I pray」の終盤に「(レゲエの神様である)ボブ・マーリーも言っていた。こういう時こそ、心をひとつに。One love, one heart, one unity」と言い、マーリーの「ワン・ラヴ」のサビを加えたにもかかわらず、申し訳ない。筆者はこの日、PUSHIMの楽曲が持つ、レゲエはもちろんだが、それだけにとどまらない豊かな音楽性に包まれる心地好さを味わい、そこに一番の魅力を感じたのだった。
取材・文◎山口智男
撮影◎柴田恵理
【PUSHIM with HOME GROWN@Billborad Live Tokyo セットリスト】
02. Light up your fire
03. 世界の何処かで
04. Da Bulldog
05. DiDistance
06. ナナメにキメるSTYLE
07. Jamaica Jamaica
08. In my village
09. I pray
【配信第一週目タイムテーブル】
■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>
9月26日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:シアターブルック / a flood of circle / 怒髪天 / 奥田民生 / 田島貴男 (ORIGINAL LOVE) / PUSHIM with HOME GROWN / 小坂忠 with SOLAR JAM (佐藤タイジ・KenKen・Dr.kyOn・沼澤尚) / NOTHING BUT THE FUNK (US)
▼DAY2
9月27日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:ACIDMAN / the band apart / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / 武藤昭平with ウエノコウジ / Nothing’s Carved In Stone / ROVO / The Sunpaulo / Cian Ciaran from Super Furry Animals (UK)
▼DAY3
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定
【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/tsb20-st/
この記事の関連情報
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>佐藤タイジ、「ここはオレが伝えたいことの真意がわかってくれそうな人が多そう」
AI、「Untitled feat. PUSHIM, DABO」MVに20年ぶりの邂逅
G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭2024>、第一弾発表にHAWAIIAN6、Dragon Ash、ROTTENGRAFFTY、佐藤タイジなど14組
<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>、2024年の開催を断念「1年休ませてください」
PUSHIM、新アルバムからアーティストが多数カメオ出演のMV公開+ワンマンライブにAKLO、MARIA出演決定
【速レポ】<中津川ソーラー>奥田民生 Solar Session、レアでグダグダな充実共演「毎年、入口でやりましょう」
【速レポ】<中津川ソーラー>ストレイテナー、2DAYSの大トリは祝祭「ありがとう、待ってるよ。それまで元気で」
【速レポ】<中津川ソーラー>Original Love、愛とソウルで高みへ上り詰めたRESPECT STAGEクライマックス
【速レポ】<中津川ソーラー>シアターブルック w/ 河村隆一、「このフェスがやれて良かった!」