【インタビュー】AK-69、『LIVE : live』完成「自分の人生を表すようなアルバムにしたかった」

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AK-69が8月5日、約1年半ぶりのアルバム『LIVE : live』をリリースする。Def Jam Recordingsから3枚目のアルバムとなる『LIVE : live』は、AK-69の本質である“LIVE (ライブ)”と生きることを表す“live (リブ)”をコンセプトに制作された作品だ。全16曲が自身の波乱万丈を描く人生の歌。

◆AK-69 画像 / 動画

AK-69のアルバムが出る。それ以外に余計なキャッチコピーはいらない。いつも通りのリアルライフ、リアルラップだ。イケイケのメッセージもあれば、超ヘヴィ級の恋愛ドラマもある。若き日のAK-69節を思わせるイキのいいフロウも、男泣きに泣ける歌もある。若手から重鎮まで多彩なゲストもいる。何より心に刺さるのは、トップランナーでありながら安定を嫌い、ぎりぎりのリアルを求め続ける生き方だ。未だ明かされない謎も含め、聴き込むほどに味わいを増すアルバム。楽しんでほしい。

   ◆   ◆   ◆

■昔の自分に今の自分が語り掛けてる
■“そのままいけばいいんだよ”って

──お久しぶりです。相変わらずワーカホリックのようで。

AK-69:そうっすね。緊急事態宣言中も、ずっとスタジオで仕事してましたからね。ほんと、休みてえ(笑)。

──前のアルバム(『THE ANTHEM』)を出して、武道館をやる時にもそう言ってましたけどね。「少し休んでインプットしたい」って。

AK-69:そう。あの武道館のあと、一回ハワイに行って、それ以来ずっと休みはないです。ツアーをやって、休む間もなく制作に入って、コロナになっちゃったんで。どうですか、ずっとリモートワークですか?

──ずっとリモートで、インタビューもやって。

AK-69:一気にZoom時代になりましたね。Zoomなんか知らんかったのに。

──便利は便利ですけどね。それこそ、名古屋とか大阪にいる人とかとは、繋がりやすいというメリットもあるんで。でもやっぱり対面の質感には及ばないというか。

AK-69:そうですよね。リモートでしゃべってると、何か集中できない時ってないですか? あんまり話が頭に入ってこないみたいな、ほかのこと考えちゃうんですよね。うわの空になりやすいですね。

▲『LIVE : live』初回盤ジャケット

──なんかわかります。今日は対面で、よろしくお願いします。で、早速ですけど、いいアルバムです。映画みたいだった。1本観終えた、いや、数本ぶんぐらいのドラマが詰まってるというか。

AK-69:あざっす。うれしいっす。

──前半に強いメッセージの山があって、後半にディープな恋愛物語の山があるから、ふた山くる感じ。それを50分弱で一気に聴かせちゃうのが、すごいなと思いました。

AK-69:今回、自分で聴いてもいいアルバムになったなと思いますね。

──前の『THE ANTHEM』もドラマチックなアルバムだったけど、今回のほうが1枚通しての流れに工夫があるというか。

AK-69:『THE ANTHEM』は既発曲が多かったんで、コンピレーションアルバム的な感じがしたというか、フルアルバムを作るぞと言って作ったのはすごい久しぶりな感じがしましたね。『DAWN』以来かな。その間にコラボレーションアルバムも作ったんで、久しぶりの感じがしてますし、“フルアルバムってこういう感覚だよな”という手応えをあらためて感じましたね。

──『THE ANTHEM』の時のBARKSインタビューを読み返して、最後に「もう次のアルバムのイメージが頭にある」と言ってたんですよ。覚えてます?

AK-69:覚えてます。

──それって、今回のアルバムに生かされてますか。

AK-69:そうですね、まさに。あらためてAK-69というものはどういうものなのか?というのと、人生みたいなものを表せるアルバムにしようというのはありました。ただ、カラシニコフ的な恋愛パートのところは、俺は17歳の時から歌とラップとやってますけど、その時からそうですけど、歌だといい意味で女々しい部分も表現できるというか、ラッパーのキャラだと言いづらいことも言えたりとか、「Hard To Remember-Season0.5-」の“思い出すのもつらい”とか、そういうことを言ってるのって、R&Bの歌だから言えるところがあるし。異性のことって、人生のすごく大きなファクターでもあるわけじゃないですか。そういう意味でも、人生の一部分を切り取ってる感じ? 今回のアルバムは、初めの「LIVE : live」でガキの頃からの自分の生い立ちをなぞっていって、終わりが「If I Die feat. ZORN」というところで、“自分が死んだら”というテーマで締めてるところで、自分の人生を表すような形にしたかったのと、あとは往年のAK-69感と。最新のフロウももちろん入ってるんだけど、“これがAK-69だ”ってみんなが思い返すような作品にしたいなというのはあったんですね。


──なるほど。

AK-69:しかも、それが自然にできましたね。“作りたい”というビジョンがはっきりしてると、自然にできるんだなあって、すごくナチュラルに制作も進んで行きましたし、生みの苦しみはなかったですね。作りたいという衝動のままできたというか、そういう時のほうがいい作品になるんですよね。毎回思い入れはもちろんありますけど、でも今回はほんと、自他ともに認めるいいのができたなと思ってますね。

──確かに、いい意味で過去のことを振り返るシーンは多い気がしていて。「No Limit~この映画のあらすじなら知ってる~」の、“さあ歌おうあの頃の日々”というワードとか、ほかの誰かが歌ったらただのノスタルジーと思われるところが、そう聴こえないのがAK-69らしさだなあって。

AK-69:この曲が一番先にできていて、去年の夏過ぎぐらいにはできてたのかな。コロナで緊急事態宣言になった時に、あらためてこの歌を自分で聴いて、この状況を…いろんなことが淘汰されて、逆境ゾーンに入った人たちがいっぱいいると思うんですけど、そういう中で、歯を食いしばっていかなきゃいけねえっていうメッセージがすごく意味あったなと思うし、しかも昔の自分に今の自分が“そのままいけばいいんだよ”って語り掛けてるっていう。今、そのメッセージを必要としている人たちって、自分も含めているだろうなということで、こういうこと歌ってきてて良かったなってあらためて思いましたね。俺にしか歌えないことはこういうことなんだろうなって。

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