ジョーン・ジェット、爆裂半生を描いた『バッド・レピュテーション』予告編解禁
メジャーで大衆的な音楽映画が劇場で注目を集める中、シネマート新宿が放つ真逆の新企画、まだ日本で紹介されていない新作、長年上映されていない旧作など、地下にうごめく数々の“アンダーグラウンドなロック・ドキュメンタリー映画”にスボットライトをあてる期間限定の特集上映、<UNDERDOCS>(今秋開催)にて、日本初上映となる、ジョーン・ジェットの半生を描いたドキュメンタリー映画『ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション』の日本語字幕付き予告編および、海外サンダンス映画祭上映時のビジュアル、場面写真が解禁された。
◆ 『ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション』 関連動画&画像
70年代末に日本でも大ヒットした女性5人組バンド、ザ・ランナウェイズの中心メンバーであり、解散後はジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツとしてソロ活動を続け、「アイ・ラヴ・ロックンロール」がビルボードチャート7週連続1位を獲得。2015年にはロックの殿堂入りを果たした、女性ギタリストでありロックンロールの象徴ともいわれるジョーン・ジェットの半生を描いたドキュメンタリー映画。ジョーン・ジェットがギターを手にした幼少期から現代まで、約半世紀にわたるロック人生を95分間で描き切る。
ロサンゼルスの変態プロデューサー、キム・フォウリーに発掘されたザ・ランナウェイズの全盛期、ビートルズ並みの熱狂で迎えられた来日公演、そして日本でのメディアによる取材がきっかけとなった解散の顛末など、ザ・ランナウェイズの歴史も描きつつ、完全なる男社会だった米国音楽業界で女性であるがゆえに経験してきた苦労と、ソロ活動以降のバンドメンバーであり盟友のケニー・ラグーナ(THE BLACK HEARTS)とのレーベル運営など、厳しい音楽業界のなかで“純粋にロックンロールを演奏し続ける”ことでもがいてきたジョーン・ジェットの姿が炙り出されていく。さらには映画方面では契約上の義務を果たすべく生まれた苦い思い出『ジョーン・ジェットの爆裂ムービー』(84)やブルース・スプリングスティーンが演じるはずだった役をジョーン・ジェットが演じたハリウッド映画『愛と栄光への日々/ライト・オブ・デイ』(86)もフィーチャー。
ジョーン・ジェット本人の言葉で「ジミ・ヘンドリックスは女性がロックンロールをやるのは“宇宙人のようだ”と語っていたが、まったくその通りだった」との言葉で始まる今回解禁された予告編は、ジョーン・ジェットが男社会である音楽業界でサヴァイヴしてきた一端がイギ―・ポップやデボラ・ハリー(ブロンディ)の言葉とともに紹介され、当初は「かわいいね」と言われたのが後に「アバズレ」と呼ばれるように変化していった様子が語られている。多くのレコード会社に拒絶され、“ギターはいらない”と言われ、あくまで性的興味を引くための道具としてしか自身の存在を見ない世界の中で(実際、日本でレコードが発売されたランナウェイズの1stアルバムの邦題は「悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クィーン」だった)、迎合せず、妥協せず、純粋にロックをやることだけを目的に生き延びてきたジョーン・ジェットの人生を垣間見れる作りとなっている。
半世紀にわたって逆境と戦い、自身の純粋な目的を成し遂げるべく生きてきた一人のミュージシャンの生き様を追った『ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション』は、どんな状況に陥っても自分が賛同できない世界に迎合せずに突き進むことの重要性と美しさを提示する。このように世の中と対峙して生きる人々は多くいるが、ジョーン・ジェットの“ロックを演奏したい”“ギターを弾きたい”という純粋さと直向きさは、観る者の心に大事な何かを残してくれるに違いない。
なお本作は今秋、シネマート新宿・シネマート心斎橋で開催されるロック・ドキュメンタリー特集上映映画フェスティバル<UNDERDOCS>にて日本初上映となる。
『ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション』
監督:ケヴィン・カースレイク
(2018年|アメリカ映画|95分|原題:BAD REPUTATION)(C)2018 Bad Reputation LLC
ロック・ドキュメンタリー特集上映映画フェスティバル<UNDERDOCS>は、今秋、シネマート新宿・シネマート心斎橋にて開催
※『ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション』上映日程詳細は後日決定
◆<UNDERDOCS> オフィシャルサイト
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