坂本龍一、音楽担当したツァイ・ミンリャン監督『あなたの顔』コメント動画到着

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1992年に『青春神話』で映画監督デビューを果たし、『愛情萬歳』(94)でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を、『河』(97)でベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞するなど、台湾のみならず世界的に注目を集めるツァイ・ミンリャン監督。10本目の長編劇映画となる『郊遊 ピクニック』(13)をもって商業映画からの引退を表明していたが、昨年5月に本作を台湾で劇場公開し、さらに第70回ベルリン国際映画祭では、新作映画「日子」(原題)を出品した。

◆『あなたの顔』 コメント動画&関連画像

『あなたの顔』は、ツァイ監督が2ヶ月以上をかけ、台北の街中で見つけた12人の一般の人々と、俳優で監督のリー・カンションの計13人が出演するドキュメンタリーだ。自身の人生を語る者、ハーモニカを吹く者、ただ無言で空を見つめる者、眠ってしまう者など、それぞれの「顔」を、洗練されたライティングと極端なクロースアップで映し出し、眼差しや皺の一本一本から、彼らが生きてきた人生や、時間そのものを見つめる。

当初4月25日からの公開を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う映画館の休館により延期されていた本作。ついに、6月27日(土)より、日本での劇場公開を迎えるにあたり、ツァイ・ミンリャン監督と、音楽を担当した坂本龍一氏より、コメント動画が到着した。


ツァイ・ミンリャン監督は、「ようやく『あなたの顔』が日本公開されます。COVID-19の影響で延期されましたが、みなさんに観て頂けたら嬉しいです。映画館に戻ることができてとても幸せです。」とコメント。

ツァイ監督からの直々のオファーによって音楽を担当することになった坂本龍一氏は、「『あなたの顔』がやっと日本でも公開されることになり、本当にとても嬉しいです。」とコメントを寄せ、本作の音楽について「人生を長く歩んできた人たちの顔というのは、それだけで十分見ごたえがあるもので、余計な音楽や音などはいらないと思うのです。だから、映像に顔が流れているその時間を邪魔しないよう音の配置に気を付けた」と語っている。また、映画の最後に登場する、台北中山堂のシーンについては、「その建築が、人の顔のようになにかを語っているような気がして、一番この映画で好きな部分ともいえます。そこにつけた音も、とても自分でも気に入っています。」と話し、最後に「ぜひみなさん、足を運んで観にきてください。ありがとう。」と締めくくっている。

なお、『あなたの顔』は、6月27日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開となる。


『あなたの顔』

6月27日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
(c) 2018 HOMEGREEN FILMS TAIWAN PUBLIC TELEVISION SERVICE FOUNDATION ALL RIGHTS RESERVED
配給:ザジフィルムズ、トランスフォーマー

監督:ツァイ・ミンリャン(蔡明亮) / 製作総指揮:ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)、ジェシー・シー(施悦文) / 製作:クロード・ワン(王雲霖) / 音楽:坂本龍一 / 撮影:イアン・クー(古桓誼) / 編集:チャン・チョンユェン(張鍾元) / 出演:リー・カンション(李康生)ほか

原題:你的臉 (英題:Your Face) / 2018年 / 76分 / DCP / カラー / 中国語 / 字幕:神谷直希
提供:トランスフォーマー / 配給:ザジフィルムズ、トランスフォーマー / 協力:東京フィルメックス / 後援:台北駐日経済文化代表処

◆『あなたの顔』 オフィシャルサイト
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