【インタビュー】DIMENSION、増崎孝司が語る新体制の『31』「“楽しくフュージョンを”という今までにない感覚」

■音楽を止めるわけにはいかない
■音楽の基本はライヴハウスだと思う

──ライヴといえば、6月14日には無観客による有料の生配信ライヴ＜DIMENSIONチャンネル開局記念スペシャル＆アルバム『31』発売記念生配信Live Vol.01＞が開催されますね。

増崎：ライヴって本来、目の前に来てもらって、音楽を全身で感じてもらうことがベストだと思っていて、それは新型コロナが収束した後も変わらないと思います。でも今は、それができない状況で。だからといって自分たちの音楽を止めるわけにはいかないし、アルバムを出して、何もせずにそのままでいるのは、自分たちが納得できない (※リリースツアーは9～10月に延期)。そうした中で唯一やれることが、無観客ですけど、生で僕らが鳴らす音をオンラインで、リアリティをもってそのまま感じてもらうということなんです。もちろん、日曜日の昼と夜というタイミングで観られる人は限られてしまいますが、でも何かしら始めてみないことには、物事が進んでいかない。音楽って生き物ですから、オンラインであっても、やっぱり生で届けたいという気持ちが強いんです。

▲勝田一樹(Sax)

──それと同時に、これまでライヴ会場に足を運ぶのが難しかったというファンにとっても、オンラインでリアルタイムにライヴ感を共有できる嬉しいイベントになりそうですね。

増崎：今回の配信ライヴで僕らを初めて観るという方もいるでしょうから、「こういう人たちがこういう音楽をやってるんだ」と知ってもらって、「一度ライヴに行ってみたい」と感じてもらえることも期待しています。それに加えて、今回無観客ライヴを行うブルースアレイはもちろん、ブルーノート東京や他の小さなジャズクラブも含めて、「ライヴハウスって、そんなに危ない“密”な場所じゃないんだよ」っていうこともアピールしたいですね。

──やっぱりライヴハウスって、ミュージシャンにとっても、リスナーにとっても、大事な場所ですよね。

増崎：音楽の基本はライヴハウスだと思うんですよ。目の前で鳴っている音を聴いて、踊ったり、身体でリズムを取ったり。そういう楽しみ方が最上級だけれども、今回のようにオンラインでも、僕らの意志や音楽の一片だけでも伝えられれば、それはやる価値のあることだと思うし、だから配信ライヴをやろうと思ったんです。僕たちがやっている音楽は、会話と同じように、その瞬間に感じたものを音で表現することで、波が生まれたり、山を作っていく音楽です。初めて観る方はもちろん、ずっと僕らをフォローしてくださっている方々、いろんな人たちが楽しめる時間にしたいなと思っています。お時間ある方は、ぜひともご覧いただいて、楽しんでいただければと思っています。

取材・文◎布施雄一郎





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