【インタビュー】首振りDolls birthday企画第1弾 ショーン・ホラーショー編
──今、首振りDollsのメンバーとして作詞作曲する上で、バンドのイメージというのは意識して作品作りしている感じ?
ショーン:いや、全くしてないです。加入して最初の頃は、考えるべきかなって思ったりもしたんですけど、今は、もう全く。自分が思うままに作ったとしても、ナオくんとジョニーさんの個性が加わることによって、自然と首振りDollsになるので、本当にそこは信頼してますね。なので、すごく自分の個性をそのまま出せてる感じです。
──なるほど。そういえば、少し前にTwitterで、“10代の頃に故郷を思って作った曲です”って弾いて動画をアップしてたよね?
ショーン:してましたね(笑)。
──すごく優しくていい曲だったけど、あの曲のタイトルは?
ショーン:タイトルは特に付けてなかったんですけど、アップしたとき、今の状況を思い、コロナの1日も早い終息を願って「PRAY」って付けました。みんなの元に、早くいつもの日常が戻ってくるように祈りを込めて。
──そうなんだね。すごく優しくていい曲だった。10代の頃に作った曲が今、この現状に響く曲になるとはね。
ショーン:そうですね。そんなこと思いもしなかったけど。なんかすごくしっくり来たので、みんなに届けられたらいいなと思って。
──やっぱり音楽と心情はリアルに繋がっているんだね。
ショーン:うん。自分にとって音楽は、自分を支えてくれたり、感動を与えてくれるものであると同時に、自分の想いを1番素直に表現できるものなのかなって思います。口下手だけに、音楽では全てが晒け出せる気がします。言葉では無理なんで(笑)。
──オリジナルを作るようになったのは、いつ頃からなの?
ショーン:オリジナルを作るようになったのは、だいたい高校2年の頃かなと。地元が宮崎なんですけど、実家があるのが宮崎の田舎の方なんですよ。それまで周りに何もないところだったのが、市内に近い高校に通うようになって。そこで見つけた海外カルチャーを詰め込んだような服屋さんを見つけて通うようになって。そこでバイトしていた店員さんが同じ歳で意気投合してバンドを始めて、そこからオリジナルを作るようになったんです。
──なるほど! ショーンの服好きはそこから来てるのか。
ショーン:ですね。ワッペンとかステッカーが好きなのもそこからなんだと思います。デカめな半ズボンにハイソックスとか履いてました。今のライヴキッズっぽい感じよりはチカーノファッションに近かったですが(笑)。その辺りから洋楽をそれまで以上に聴くようになって。ベースのレジェンド達のプレイを掘り下げて、ひたすらコピーしまくってました。
──最初から指弾き?
ショーン:いや、最初はピックと両方でした。指弾きになったきっかけは、ベースのレジェンド達のプレイを掘り下げていくうちに、スラップとかを覚えてやるようになって、そこからですね。とにかく弾くのが好きだったので、練習を苦痛に思うこともなく。とにかく毎日夢中で弾きまくってました。とにかく、いろんな奏法が出来るようになりたくて。もしかしたら、その頃はプレイヤー志向だったのかもですね。
──なるほどね。高校の頃に組んだバンドはなんて名前だったの?
ショーン:KrowNです。つづりは違うのですが王冠っていう意味とピエロっていう意味を持たせたバンド名。宮崎のライヴハウスを中心に活動してました。上京してからは月何本も都内のライヴハウスに出るようになって。そのバンドで20歳くらいまでやってたのかな? 高校卒業して進学で上京したんですけど、バンドメンバーも一緒に上京したんです。KrowNでプロ目指してました。
──その辺りからアーティスト志向に?
ショーン:そうですね。憧れていたベーシストを探究していくうちにステージングにも目がいくようになって。とにかく動き回りながら弾くようになったんです。KrowNでライヴをしていた頃、初めてやらせてもらうライヴハウスに行ったとき、そこの店長さんに“君のこと覚えてるよ。他のライヴハウスに観に行ったときKrowNが出てて、すごくステージングが華やかなベーシストだなって思って印象に残っていたから”って言われたんです。その言葉がすごく嬉しく印象に残って。そこからよりライヴパフォーマンスを意識するようになりました。
──まさに今もそれよく言われているよね。“弾いてる姿見て、あ、この子! って思った”って、声かけられてるのをよく見るから。
ショーン:嬉しいです。印象に残ってもらえるって、本当に嬉しいことなので。
──そうだね。でも、本当にショーンのステージングは印象に残る派手なプレイが特徴だからね。特に首振りDollsはボーカルであるナオがドラムボーカルだから動けないというのもあって、ジョニーとショーンが動く必要性があるからね。
ショーン:ですね。でも、動くことは自分的には本当に苦ではなくて。むしろ動き回りたい方だから全然苦痛じゃないんです。ステージが広くなればなるだけ楽しいというか、動きやすいし。
──2ndアルバム『アリス』のジャケットを手掛けてくれたカネコアツシさんが、初めて首振りDollsを観てくれたとき、ナオがドラムを叩きながら拘束された状態で唄う姿を見て、“女郎みたいで衝撃的だった。なんだ、このカッコイイバンドは! って、ゾクゾクしたよ!”って言っていたのが、すごく印象的だった。
ショーン:嬉しい表現ですよね。やっぱりバンドって、楽しませるのが役目だと思うんです。みんなを楽しませる為にやってるから。自分もライヴを観に行くときって本当にそうなんです。楽しむ為にそこに行く。自分が見る立場で感じることを、自分が届ける側になったときにやってあげたいというか。ちなみに、カネコさんに自分は、“悪い妖精みたい”って言われました(笑)。
──あははは(笑)。『アリス』のジャケットのショーンは、まさしく“悪い妖精”だったもんね(笑)。
ショーン:死神でしたね(笑)!
──そうだね(笑)。ところで、話を前に戻すけど、KrowNの音楽性はどんな感じだったの?
ショーン:ポップ・パンクとかミクスチャー的な音楽性で。Beastie Boysっぽい感じのもありましたね。バンドサウンドに緩いラップ入れたりとか。でも、自分が本格的に作曲をし始めたのは、その次のバンドのGROOMYからです。
──GROOMYは宮崎で活動していたバンドでしょ? 上京していたのに、どうやって?
ショーン:GROOMYに誘われて、GROOMYをやる為に東京から宮崎に戻ったんです。しばらく宮崎で活動して、それからまた上京したんです。
──なるほど。その先に首振りDollsのベーシストとしての未来があった訳だけど。
ショーン:はい。宮崎で活動していたときに福岡のイベントで首振りDollsと対バンして、そこで仲良くなったんです。
──そこが出逢いだったんだね。ショーンは、バンド内のベーシストの役割って何だと思う?
ショーン:しっかりと音を支える存在でありながらも、ちゃんと音でも存在としても目立つ役割で居たいなと思ってますね。
──ショーンの足元はギタリスト並みのエフェクターボードだからね。
ショーン:いやぁ、まだまだですけどね(笑)。もっと増やしていきたいんで。
──最初に買ったエフェクターは何だったの?
ショーン:シンセ系のエフェクターでした。足音とかの効果音みたいなのをベースで出してみたくて。基本の音はフレーズを引き立たせるためにローミットが好きなんですけど、いろんな音を出せるベーシストでありたくて。シンセ系のエフェクターは、今の音の原点になっているところでもあると思いますね。
──唯一無二なベーシストだと思うよ、ショーン・ホラーショーは。
ショーン:いやいや、嬉しいです。まだまだなんで頑張ります!
──今回、新型コロナウィルスの影響でSEX MACHINEGUNSとのツアーも延期になり、初のバースデーライヴだったショーン企画のライヴも延期になってしまった訳だけど。
ショーン:残念で仕方ないですね。SEX MACHINEGUNSとのツアーも本当に楽しみにしていたし、自身のバースデーライヴも、セットリストを始め、企画から全部任してもらって計画していたので。本当に残念で。
──バースデーライヴはPLASTICZOOMSとの対バンだったんだよね。
ショーン:はい。憧れでもある存在のバンドなんです。PLASTICZOOMSを知ったきっかけはSHOさん(SHO ASAKAWA=PLASTICZOOMSのボーカリストで、全楽曲の作詞作曲、アートワークを手掛けている)だったんです。ネットを通じて、ファッション関係の情報からSHOさんを知って、そこからPLASTICZOOMSを知ったんです。日本にはあまりないニューウェーブな感じの音楽性にすごく惹かれたんです。ライヴとかにも行くようになって。アートワークとサウンドの融合が素晴らしくて。ライヴはクラブみたいなんです。ずっと踊っていられる感じというか。本当に時間が過ぎるのが早くて。踊っていると気づいたら終わってる、みたいな感覚なんです。本当に自然と体が動かされるんです。本当に素晴らしいなって思いますね。今回念願叶っての対バンだったので、すごく残念でしたね。SHOさんも延期になってしまったことを残念に思って下さって、この状況下の中で出来る限りのことをして対談とか配信しようかって提案して下さっていたりもしたんですけど、感染が拡大してしまっている状況だったこともあり、またちゃんと対面して対談できるときを待って、みんなが安全に楽しめる時を待ってベストな状態でライヴしようって言って下さったんで、焦らず、今はみんなの健康と安全を願うばかりです。
──バースデーライヴでは、ショーン監修のオリジナルTシャツも発売される予定だったからね。
ショーン:はい。すごくこだわって作ったTシャツだったんです。色合いもデザインも僕の要素や意見を取り入れてもらって。通販サイトで当日から販売スタートしたんですけど、すごくたくさんの人達が買ってくれて、本当に嬉しかったです。
──ソールドしてたよね。
ショーン:ありがとうございます。お陰様で。でも、リクエストが多かったら再販も考えているので。本当にカッコイイので、みんなに着てもらいたいです。またそれ着て、延期になってしまったPLASTICZOOMとの対バンに集まって欲しいなって思ってます。またみんなで集まって一緒に楽しい空間が作れることを願ってます。
──最近、どうしてるの?
ショーン:家に居ます。家でベース弾いたり、猫と遊んだり、首振りDollsのぬいぐるみで遊んだりしてます(笑)。みんなぬいぐるみ買ってくれて、洋服とかも作ってくれたりしてTwitterにアップしてくれているので、クオリティの高さに驚きつつ、それ見ながら癒されてます。ライヴがなくて会えなくても、こんなにみんな応援してくれているんだなって思ったら嬉しくて。本当に早くライヴで会いたいなって思ってます。
──この先、ショーンが首振りDollsのベーシストとして、エンタテイナーとして目指すべきところは?
ショーン:やっぱり、みんなを引き込めるような良い音楽を作り続けて、みんなを楽しませることができるライヴをしていくことですね。とにかく今は、1日も早くライヴがしたいです。まだまだやりたいことはたくさんあるので、こんなところで挫けてる場合じゃないし。今、可能な限りでやれることを頑張って、ライヴが再開できる日を待ちたいと思っています
取材・文◎武市尚子
首振りDolls『首振人形症候群〜REVISITED盤〜』
発売中
¥3,000(税込)
収録曲
01.teenage、02.ニセモノ、03.白糸、04.首輪、05.鏡地獄、06.赤糸、07.籠の鳥、08.ミナミ、09.嫌ダ!!、10.カンチガイ、11.タイムマシーン 【未公開過去音源】12.被害妄想 【新録音源】13.NO! NO! NO!、14.RAD、15.ニセモノpart2、16.リトルサマーベリーオレンジミルク、17.アンジェリーナ
■延期公演情報
4月8日梅田zeela
4月10日広島QUATTRO
4月11日小倉FUSE
4月15日吉祥寺CLUB SEATA
4月18日名古屋UPSET
4月19日神戸ART HOUSE
【振替公演】
8月04日(火)名古屋UPSET
8月05日(水)梅田zeela
8月07日(金)小倉FUSE
8月09日(日)神戸ARTHOUSE
8月26日(水)吉祥寺SEATA
12月18日(金) 広島クラブクアトロ
<Shawn Horrorshow Birthday LIVE!!!『RAD CLUB』>
4月17日(金)下北沢SHELTER
【振替公演】
10月2日(金) 下北沢SHELTER
■その他延期公演5月16日吉祥寺(サーキット出演)
■首振りDolls ライヴ情報
5月10日大阪千日前紅鶴(アコースティックワンマン)
5月15日都内某所(nao BIRTH DAY)
5月23日中野space Q(アコースティックワンマン)
5月30日新宿レッドクロス
6月14日浅草花劇場(one-man)
<首振人形活劇〜welcome to strange night !!!〜>
6月21日大阪千日前紅鶴(アコースティックワンマン)
6月22日名古屋得三(one-man)
7月10日都内某所(主催)
7月18日関西某所(ワンマン)
7月19日大阪千日前紅鶴(アコースティックワンマン)
7月26日都内某所(Johnny BIRTH DAY)
<首振りDolls 3DAYS revenge party 〜glam garage party!!!〜(仮)>
9月20日代々木Live labo YOYOGI
9月21日下北沢CLUB251
9月22日下北沢CLUB251
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