【インタビュー】VALSHE、シングル「紅蓮」に描いた「絶望と希望の狭間」
■たまに冗談で言ってたんです
■“怒りがほしい”みたいな(笑)
──では、10年目ということでお聞きしたいのですが、VALSHEさんはボーカリストでソングライターであると同時に、声優をやっていらしたり、舞台(『ピオフィオーレの晩鐘~運命の白百合~』)に出演されたりと、幅広い表現活動をなさっていますが、10年前に描いていたイメージと今を比べてどういう変化を辿っていると思いますか?
VALSHE:当初、この世界に入って活動することへの自分のイメージは、殺伐としている環境で悪人がいっぱいいるんじゃないかと(笑)。
──ははは。だまされちゃうんじゃないかって?
VALSHE:はい(笑)。実際にはそうではなかったから言えることなんですけど、常に“この人の言葉は信用できるんだろうか?”って疑いながらやっていくものだと思っていたんです。でも、そうじゃない大人もたくさんいるんだなと思いましたね。そういう人たちに囲まれていると歌詞が書けなくなるんじゃないかって、たまに冗談で言ってたんですけど。
──歌詞を書く動機が薄れるみたいな?
VALSHE:“怒りがほしい”みたいな(笑)。デビュー当時に思い描いていたのと顕著に違うところは、自分の世界を広げてくれる人たちにたくさん出会えたことですね。
──それと当初、VALSHEさんは顔出しをしていなかったと思います。生身の自分を出していったことも今の活動に繋がっているのでは?
VALSHE:そうですね。声優に関してはデビュー当時から表現のひとつとして機会があればぜひやってみたいと思っていたので、自分の中では意外性はないんですけど、実際に稽古をしていく中、役者としての側面も多く求められるので、演じる面白さや魅力はデビューした後に知ったんです。曲を作るときは“0を1に”していく作業ですが、演じることは1があった上で素材になって表現していくやり方。今年、出演した2.5次元の舞台も普段はできないことができて非常に楽しかったし、学ぶことも多くて、10年近く活動した中で得られなかったものを得られたし、当初は想像もしなかったことですが、まだまだ考える余地がたくさんあるなって気づけたことも嬉しかったですね。
──ただ、VALSHEさんのライブは演劇的な要素が盛り込まれていたり、エンターテイメントな見せ方をしているから、まったく違うベクトルというわけではないですよね。
VALSHE:もともと舞台は好きだったし、デビューした後はそういう要素を取り入れたライブをやっていたので、機会があればとは思っていたんですけどね。
──ファンタジーとリアルのバランスという意味でも、今はやりたかったことに近づいている感覚ですか?
VALSHE:そうですね。音楽をやる上でのVALSHEは自分の中に“こういう人物像”みたいなものが明確にあるんですよね。それは作品が証明していると思うんですが、いろいろな顔がある中、VALSHEとしてのイメージはハッキリしているけれど、それを紐解いていくとVALSHEってなんでもやりそうっていう。いろいろな表現をしていることがこの数年は音楽活動とうまく調和できていると思っています。もちろん主軸が音楽であることに変わりはないんですけど、経験値だったり知識を増やす中、声優や舞台やデザインもできる余裕が生まれて、幅広く挑戦ができるようになったという感覚ですね。
取材・文◎山本弘子
■13thシングル「紅蓮」
【初回限定盤 (CD+DVD)】JBCZ-6112 ¥1,636+税
特典DVD:紅蓮 Music Clip & Music Clip off Shot
【通常盤 (CD)】JBCZ-6113 ¥1,000+税
▼CD収録曲 (全形態共通)
1. 紅蓮
作詞:VALSHE / 作曲:小高光太郎, UiNA / 編曲:齋藤真也
2. 空白の四月
作詞・作曲:VALSHE / 編曲:G’n-
▼タイアップ
テレビ東京系列『たけしのニッポンのミカタ!』エンディングテーマ
放送:毎週金曜日22:00~22:54 (10月〜12月)
MC:ビートたけし、国分太一
※テレビ東京系含む全国27局ネット
https://www.tv-tokyo.co.jp/mikata/
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