【インタビュー】DEZERT、アルバム『black hole』完成「変えるためになにをするのか」

■行った先になにがあるか分からない
■という意味合いを込めたつもりもない（笑）

──歌詞に目を向けると、アルバム後半では届いたら笑顔になりそうな歌詞や歌もあります。でも、今回のアルバムは多くの人に届けたいと言いながら、心の病巣みたいなものを吐き出しているものもあると感じました。

千秋：いや、それはもうどうでもいい。届けるっていうのは共感ではないんです、共感は好きにすればいいんですよ。歌詞に関しては、分かってほしいってのは、もうない。「I'm sorry」は一種の遺書っぽい歌詞で。昔だったら、この歌詞の内容でも、こう思っている人はいるよねっていう。俺と一緒に人を探している俺、みたいな。でもそこに共感する人が増えることによって違和感も抱くんですよ。自分のマイナスな部分に共感を求めてみると、マジで辛いわけですよ。共感する人が何万人も集まったら、多分、俺は死ぬなみたいな（笑）。

──なるほど。

千秋：だから歌詞への共感は求めてないんです。勝手にやってくれていい。ただ好きか、嫌いか、だけで判断してほしいって感じですね。料理やスパイスに例えるなら、激辛好きやパクチー好きな人からしたら刺激が足りないって思うかもしれない。でも長い目で見て、その人たちも絶対に好きなれると思っているんで。過去と未来はいつかリンクすると思って、今は自信持ってやっているんです。

▲SORA (Dr)

──アルバムタイトルの『black hole』とは、なんでも飲み込む宇宙の“ブラックホール”でしょ？ 全員を取り込むという意欲もそこに込めたんですか？

千秋：でも、ブラックホールって全部を吸い込むってイメージだけど、実際は違う説もあるじゃないですか。だから、みんな知らないものなんですよ。推定で語っているだけで、行った先になにがあるか分からないじゃないですか。という意味合いを込めたつもりもないんですけど（笑）。タイトルは適当なんで。

──ともかくステージで本質と本領を発揮する楽曲が多いから、ライブに一度来てみろってことですか？

千秋：うん、ライブに来いと。来てからの話だと。

──歌う言葉にライブならではの感情も乗って、別の作用を起こす可能性もあると？

千秋：そうそう。ライブは発表会じゃないんで、なにかが起きる可能性しか求めてないですね。こっちはライブの1曲目から100%でやりますから。

取材・文◎長谷川幸信










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