【鼎談】gremlins×首振りDolls、20日の対バン“限定ギグ”ドレスコードが急遽決定?
10月29日に新木場STUDIO COASTで行われたMUCCとミオヤマザキとの対バンで、自身最大規模となるキャパでのライヴを経験した首振りDolls。これまでにない景色の中で、彼らは何を感じ、何を掴み取ったのだろう? さらにその後、彼らは11月5日に土屋アンナとの対バンでも多くのファンをロックンロールの世界へと誘い、最高の景色を作り上げた。
そして11月12日の青山RizMでは、ナイトメアの柩のソロプロジェクトであるgremlins(メンバーはギターボーカルHits、ドラムKNZ。サポートギター美月、サポートベースChiyu)との対バンも決行。(※11月20日にも同会場にて対バン)
今回のインタビューでは、Hits(柩/ナイトメア)とKNZ(KENZO/BVCCI HAYNES、彩冷える)との鼎談をお送りします。
◆鼎談画像
◆ ◆ ◆
──今回はgremlinsのHitsとKNZをお迎えしております。
ナオ:よろしくお願いします! 緊張しております。
Hits:え? 大丈夫でしょ、もう(笑)。だって、逹瑯さん(MUCCのボーカリスト逹瑯)と対談してたでしょ? もうね、怖いものないから(笑)。
ナオ:逹瑯さんとお話ししていると、完全に逹瑯さんのペースに持って行かれますからね(笑)。
Hits:そそそ! 完全に持って行かれるよね(笑)!
ナオ:はい(笑)! でも、本当に可愛がって頂いていて、感謝しかないです。逹瑯さんって、本当にすごい人だなって直接お話しさせて頂くようになって実感しました。ライヴも本当にすごいし、人柄も本当に大好きです。お話ししていると、いつしかいっぱい引き出して頂いていております(笑)。
Hits:そう! 振り回されたあげく、引き出されちゃうんだよね(笑)。
KNZ:あははは。それはね、もう確信犯だから(笑)。
ナオ:いやいや、本当に、ラジオにも呼んで頂いたんですけど、逹瑯さんの話術は素晴らしいなと、ただただ感動しました!
Hits:絶対に口では勝てないからね(笑)。あれは洗礼だから(笑)。でも、ウチらは全然大丈夫だから緊張しなくていいからね(笑)!
KNZ:遠慮なく。
Hits:共通点ってあるのかな?
──どうかな? 聴いてきた音楽とかはどうなんだろ?
Hits:俺の最初はチャゲ&飛鳥だからね。
一同:意外!
KNZ:逆にめちゃくちゃエモいけどね!
Hits:最初、何?
ショーン:え、あ、俺は、ドラマ『愛をください』の中で、菅野美穂さんが自分の役だった蓮井朱夏名義で、辻仁成さんの「ZOO」を「ZOO 〜愛をください〜」という歌として歌っていたんですけど、それがたしか初めて買ったCDでした。
KNZ:めちゃくちゃコアなとこだね!
ショーン:はい。すごくいい曲だなぁって思ったんですよね。
ジョニー:あ、菅野美穂ヴァージョン、俺も持ってた! 親が好きで見てて。たしか8センチシングルだったよね?
ショーン:そうそう!
ナオ:すごい、そこに食いつくとは、ジョニー(笑)! 音楽ってすごい! 普段人見知りであんまり話さないジョニーとショーンがいっぱい喋ってる(笑)!
Hits:あははは。そうなの(笑)? それなら良かった。
KNZ:でも、音楽にハマるキッカケってそんなもんだよね。俺もそういう意味で言ったら、エキセントリック少年ボウイだったもん。『ダウンタウンのごっつええ感じ』から知って。近藤真彦「ミッドナイト・シャッフル」もそう。『銀狼怪奇ファイル〜二つの頭脳を持つ少年〜』のオープニングテーマからだもん。ドラマ見てて。
Hits:ドラマってすごい影響力だよね。(ライターに向かって)てか、世代違うから絶対違うでしょ(笑)? 何だった?
──世代違うからは余計だわ(笑)!
KNZ:主題歌とかない時代でしょ。あれ? テレビあった?
──ありました! インタビュー中にライターに絡むとか、後輩に悪影響だからやめてもらえるかな(笑)?
ナオ:勉強になります。
──そんなとこ勉強しなくていいから!
Hits:これも洗礼だから(笑)!
── ……。藤井フミヤの「TRUE LOVE」とかじゃない? 『あすなろ白書』の主題歌。
Hits:絶対サバよんでる(笑)。
──よんでない(笑)。
Hits:まぁ、何歳のときにそれを聴いてるかって違いもあるからね(笑)。また、自分のそのときの状況がその曲聴くと蘇るんだよね〜、鮮明に。そう思うと世代とか関係なく音楽って共通言語みたいなもんだよね。
ナオ:たしかにそうですね。音楽の力ってすごいと思います。私も同年代の人とはなかなか話し合わないですからね、古い音楽が好きだったりするので、音楽の話は歳上の人とする方が盛り上がりますね。
KNZ:あー、そういうのはあるよね〜。でも、時代と音楽っていう意味でいうと、Mr.Childrenとかサザンオールスターズとかもドラマの印象が強かったなぁ。玉置浩二の「田園」とかね。そこらへんは俺たち世代だね。
ショーン:あ! それ『コーチ』ですね! 野球のドラマ!
Hits:あ〜! 懐かしいねぇ〜!
KNZ:MOON CHILDの「ESCAPE」とかも流行ったよね。みんな歌ってた。
ジョニー:『ロングバケーション』の主題歌だった久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」とかもドラマからのヒットでしたよね! 親がめちゃくちゃ好きでした!
KNZ:「LA・LA・LA LOVE SONG」ね! うんうん。よくカラオケで歌うよ! 今もセットリストには必ず入ってるからね。
──セットリスト!?
KNZ:そう。カラオケの自分セットリスト。アンコールくらいにいつも入れてるね。
ナオ:あははは。絶対盛り上げる系のやつですね。
KNZ:そうそうそう(笑)。
──あれ? でもHitsはhideさんがルーツなんじゃないの?
Hits:そう。ロックという意味ではね。でも、hideさんのロックって、ハードでありながらも、すごくポップなロックだからね。
KNZ:そう。やっぱ激しさの中にもポップさってのは必須なんだと思うよ。hideさんもたしかKISS好きなんだよね。
Hits:そう。だからね、あんまりヘヴィな感じなロックは通ってないんだよね。
KNZ:俺は結構ヘヴィなとこも掘ったけど、基本ポップなロックが好きだから、自分が曲を作るときも自然とそうなるんだよね。gremlinsを体現する音もポップな方がいいなと思ったから。
ナオ:見せ方的なところは、どんな風に考えているんですか?
KNZ:他に無いもの作りたいねって話して。Hitsも俺も映画が好きだから、そこも絡めて特殊メイクとか施しちゃおっかって発想だったり。
Hits:そう。本当に思い付きをどんどん形にしてって今がある感じ。特殊メイクとかしてたのは、最初のアルバムとその次のアルバムの2枚くらいだったけどね。
ナオ:すごーい! 特殊メイクってどれくらい時間かかるんですか!?
Hits:プラス1時間くらいだったかな。角生やしたり、耳をちょっと尖がらせたりするくらいだったからね。
KNZ:そうそう。顔全体が特殊メイクってことではなくね。薄いコンドームみたいな素材のものを足すみたいな。
──首振りDollsも時々角生えるけどね、ジョニーの頭に。
Hits:あ、そうなの!?
ジョニー:あ、いえ、はい。キメポーズです。手動で(笑)。
Hits:手動で!?
ジョニー:はい。自分の指を頭に立てるだけです(笑)。
KNZ:あ、そういうこと(笑)!? めちゃめちゃ手動だね(笑)。やっぱね、ライヴはエンタテイメントじゃなくちゃね! KISSみたいにさ。
ジョニー:おぉぉぉ!(前のめり)
ナオ:きたっ! ジョニーの大好物なKISS話!
──待ってました! だね(笑)! 実は、この対談の前日に、増田さん(ライターの増田勇一氏)とメンバーとKISSの話しで大盛り上がりになり、KNZもかなりのKISSマニアだという話しになっていたから、今日はKISSの話が出来るって、ジョニーがやる気で(笑)。そこは大きな共通点だからね。
ジョニー:うん。増田さんにKISSの話をしてこいと言われました!
KNZ:あははは。KISSの話だったら何日かに渡って出来るからね。
ジョニー:おぉ〜(感動)。
ナオ:ロックのルーツはKISSですか?
KNZ:そうだね、ロックの入り口はKISS。最初にKISSを知ったのは、アメコミなんだけどね。俺の音楽のルーツってゲーム音楽なのね。『ファイナルファンタジー』とかのサントラとか好きで聴いていたり、映画も好きだからそういうサントラも大好きで。そっち方面の音楽を作る人になりたかったの。KISSを知ることになったキッカケになったアメコミも大好きでさ。今みたいに流行る前の『MARVEL』とか『Spawn』も大好きだったわけ。
ショーン:あ〜、俺もそっち系大好きです!
KNZ:あ、そうなんだね! 俺、もともとそっちなんだよ。子供の頃からそういうのが大好きで、そういうお店でいろんなものを漁っていたら、『マクファーレントイズ スポーン シリーズ』にKISSが出てて。その人達がバンドやってるっていうことを知り、めちゃくちゃ気になって。当時、姉ちゃんの彼氏がMr.BigとかVan Halenとか聴いてたから、そこからの流れでいろんな洋楽のハードロックも耳にはしてたんだけど、どっぷりハマったのがKISSだったんだよね〜。そこからはもうズブズブ(笑)。Guns N' RosesとかMötley CrüeとかLA漁って、そこからメタルの方に行って。
ナオ:メタルの入り口ってどこですか?
KNZ:メタルの入り口はまた違って、HelloweenとかStratovariusとか、ジャーマンとかフィンランドの北欧メタル系だったんだよね。そっち系のメタルは、ロックとゲームサウンドが混ざった感じなんだからさ。
ジョニー:神聖なメタルですからね、北欧メタルは。
KNZ:そうだね。96年くらいだったかな。日本でもメロデスとかが盛り上がってた感じだったから。SlipknotとかMarilyn Mansonとかもすごく盛り上がってたいい時代だったなぁ。
ナオ:はい。すごくいい時代でしたねぇ。
KNZ:3人ともKISS好きなの?
ショーン:俺は首振りに入ってからですね。ちゃんと聴くようになったのは。
Hits:俺もそう。わりと最近と言えば最近。邦楽ばっかりだったからね。あんまり洋楽のメタル系はルーツになくて。
ナオ:俺もKISSにハマったのは結構大人になってからなんですよ。私がKISSにハマったきっかけはジョニー・ダイアモンドですから。
ジョニー:はい。俺がコレを聴けと。俺はコレがやりたい! 俺はコレになりたい! と。
KNZ:あははは。すごくストレートだね(笑)。
Hits:めちゃくちゃ分かりやすい(笑)。
ナオ:はい。一緒にKISSが初来日したときの武道館ライヴのDVDを、ジョニーの解説付きで見たんです。それがめちゃくちゃ楽しくて!
KNZ:どんな解説?
ナオ:“見よって、ギター上手すぎて煙出てくるけ!”って(笑)!
一同:(爆笑)
ジョニー:“ほら次! 空飛ぶよ! ほら、飛んだ!”とか(笑)。
Hits:またそれも、めちゃくちゃ分かりやすいね(笑)。
一同:(爆笑)
ナオ:それが楽しくて、コレやりたい! って思ったんです! ちゃんと聴く前はもっとハードな音楽かと思ったんですけど、聴いてみたらめちゃくちゃポップだったから、ハードコアが大好きだった子供の頃の私には、ちょっとポップすぎたんですけど、改めてジョニーの解説付きで聴いたら、めちゃくちゃロックンロールでカッコ良くて完全に虜になっちゃったんです! 出逢い直した感じですね。
KNZ:あるね、俺はColdplayがそうだったかな。メタルにズブズブにハマってたときはあんまり、って思ってたんだけど、後に聴き直してみたら、あ、やっぱUKもいいねぇってなって。出逢い直した感じだったからね。
ジョニー:12月の来日公演は行きますか?
KNZ:もちろん! VIPでチケット取ってる。
──15万くらいのチケット!?
KNZ:そう。会えるやつ。
ナオ:KISSに会うんですね!
ジョニー:ヤバっ。
KNZ:もう最後の来日とか言ってるし、メイクをしたあの状態のKISSに会えるのは、もうないのかなと思ったら、15万くらい安いのかなとか思っちゃって。
Hits:もっと高いチケットあったよね?
KNZ:うん。40万だっけな? でもね、それはステージ袖から観れたり楽屋に招待してもらえたりするみたいなんだけど、ライヴは袖からじゃなく、普通に見たいからさ。アリーナの最前で観れる方がいいなと思って。
ジョニー:あ、絶対15万の方がいいっすね。
ナオ:でも、羨ましいなぁ〜。きっと俺たちなんて、豆粒くらいにしか見えない距離で観ることになると思います(笑)! でも、いいんです! ちっちゃくてもKISSはKISSだから! 昔、ジョニーと大坂城ホールにKISSの来日公演を見に行ったとき、後ろの方の席だったけどすごいことになってたんですよ! 周りのおじさん達みんな泣き出すし(笑)。
一同:(爆笑)
KNZ:分かる〜! KISSはライヴというより、もうお祭りみたいなものだからね。
ジョニー:そうですね。
──ジョニーは直接は会いたくないんでしょ?
ジョニー:う〜ん、会えるならもちろん会いたいけど、なんていうか、勿体無いというか、おこがましいというか。でもね、本音を言えば、やっぱり会いたい! メイクした状態だったらやっぱり会いたい! 普段着とかのメンバーには……会いたくないかな(笑)。
KNZ:あははは。分かる〜! めちゃくちゃ分かる〜(笑)。あの衣装込みでKISSだもんなぁ〜。俺ね、まだそこまでハロウィンが今みたいに盛り上がる前に、友達と盛り上がってKISSのコスプレとかしてハードロックカフェとか言ったもん! 7、8年前。もちろん、俺はジーン・シモンズだったけどね(笑)!
ジョニー:いいなぁ〜。俺はコスプレするならエース・フレーリーがいい!
KNZ:おっ! いいねぇ! いつのエース?
ジョニー:今のエースでもいいですけど、1976年とか1977年あたりのエースになりたいです!
KNZ:あーそうねぇ〜、エースと言えば、『地獄の軍団(Destroyer)』か『Love Gun』のときが最高だもんね。
ジョニー:ですね! 一番エースがエースらしいというか。
KNZ:そそそ。ある意味黄金期だよね!
ナオ:すごい。話に花が咲いてる!
Hits:咲いてるね〜(笑)。
KNZ:てかさ、いつか本気のKISSのコピバンしようよ!
ジョニー:いいですね! やりたいです!
ナオ:やりたいっ!
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