「Tokyo is mine.」ミゲル、初の来日公演実現
ミゲルの初の単独来日公演が、10月3日(木)、東京・EX THEATER ROPPONGIにて開催された。
◆ミゲル画像
最新アルバム『ウォー&レジャー』(2017年)からの楽曲をスペイン語で歌った配信限定EP「Te Lo Dije」をこの春発表し、9月にはアリシア・キーズの新曲「ショウ・ミー・ラヴ」にもフィーチャリング参加するなど、2019年に入ってリリース活動を活発化させているミゲル。ついに実現した一夜限りの来日公演では『ウォー&レジャー』からの楽曲を中心に、「アドーン」などのヒット曲を含む全16曲が披露された。以下、そのオフィシャルレポートをお届けする。
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デビューから9年経ってやっと実現した実力派セクシーR&Bシンガーのミゲルの来日公演。2015年に来日公演が予定されていたもののキャンセルとなってしまっていただけに、EX THEATER ROPPONGIを埋め尽くしたファンにとって待望のショーとなったわけだが、ミゲル本人にとっても感極まる公演となったようだ。
直近のアルバム『ウォー&レジャー』(2017)のオープニングトラック「Criminal」で静かに始まったかと思った途端、ギターをバキバキと鳴り響かせて「The Thrill」へと繋ぎ、冒頭から突っ走っていくミゲル。大きなステージにドラマーとギター、そしてミゲルの3人という一見物寂しさも感じるステージだと思っていたが、Kaleidoscope=万華鏡のように光るライティングや曲に合わせた映像のバックグラウンドの中激しく踊るミゲルを観ていると、逆にステージが小さく感じる錯覚にも陥るほど。頭から盛り上がる人達を見てニヤリと嬉しそうに笑ったミゲルは、矢継ぎ早に「Banana Clip」、そして「Simple Things」へ流れ込み、比較的ロック色強めで攻めてきた。
その後中盤に差し掛かると、今度はR&B色の強い楽曲をまとめ、「みんな飲みたいか?」と「How Many Drinks?」へと流れ込むと、それまで縦揺れだったミゲルが腰をこれでもかとくねらせセクシーさを前面に押し出し、女性達の歓喜の悲鳴が鳴り響いた。「ところで、ドラッグは好き?」と「Do You...」を歌い上げ、ここで「祖母がメキシコからアメリカLAに移住してきてなければ俺はここには立てていない。海外でステージに立つと去年亡くなったその祖母のことを思い出す。シンガーになるのが祖母の夢だったから」と「Come Through and Chill」、そして体の髄まで響いてくる伸びのある美しい声で歌い上げるグラミー賞受賞大ヒット曲「Adorn」では会場が大合唱。「waves」で後半へ突入すると会場の盛り上がりが最高潮を見せ、突然「こんなこといつもはしないんだけど」と、(予定外の)2パック「I Get Around」プレイ〜自分が未成年の時に30代の女性との経験を書いたという「Quickie」を即興と共に披露。そしてその浮気がその当時の彼女にバレてしまい彼女を失って書いたという「Sure Thing」をしっとりと切なく歌い上げた。即興でこの流れを作るなんて!
後半は彼のスペイン語も聞ける「Caramelo Duro」、「Pineapple Skies」、そして「Sky Walker」でアップ〜ヒップホップよりに締めくくった。その後も興奮冷めやらず、アンコールの声も止まず再び現れたミゲルは、「Tokyo is mine.」と言いながら「Pussy is Mine」を官能的に歌ってステージを後にした。
頭から最後まで彼の真骨頂であるファルセットに酔いしれたのは当然ながら、低音の太い声には完全にヤラれた。「やっぱり生がいい!」と思えるシンガーは正直多くはないが、彼は絶対に生で観るべき1人と言える。シャツを脱ぎ捨てるでもなく、派手で露骨にいやらしいダンスをするわけでもなく、ただ彼の音楽と声と存在感だけで聴く人をイカせるのだから。流石は他のR&Bシンガーとは一線を画す存在だ。
ライブを観た人も今回は行けなかった人も、本公演のセットリスト・プレイリスト「MIGUEL JAPAN LIVE 2019 SETLIST」を聴いてワイルドでセクシーなミゲルの音の官能の世界を(再)体感して欲しい。
文◎Kana Muramatsu
撮影◎Naoki Yamashita
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■2019年10月3日(木)東京・EX THEATHER ROPPONGI単独公演 セットリスト・プレイリスト