【速レポ】<中津川ソーラー>福原美穂 SOLAR SPECIAL、「この子たちの未来を、みんなで一緒に支えましょう」
ロックフェスティバルには珍しい本格派シンガーの歌声を、ライヴミュージックで楽しめる<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>の、もう1つの醍醐味を味わわせてくれたのが北海道出身の福原美穂だ。2016年に、さかいゆうとともに中津川のステージに立った彼女はソロとしては初出演となる今回、R&Bにルーツを持つ、その圧倒的な歌唱力とともにその存在感をアピール。ライヴを観た直後だから思いきって言ってしまうが、そのライヴは今回の中津川で、絶対、観るべきライヴの1つだったと思う。
◆福原美穂 SOLAR SPECIAL 画像
そのライヴは彼女が2008年にリリースしたメジャーデビュー・シングル「CHANGE」でスタート。早速、6人編成のバンドが奏でるファンキーでグルーヴィーな熱演に観客が手拍子で応える。そこから彼女が披露していったのは、デビューしてからこれまでの10年のキャリアをぎゅっと凝縮した全7曲。「未来 -ミライ-」「HANABI SKY」といったアップテンポのロックナンバーを繋げてから、一転、今度はバラードの「優しい赤」をじっくりと聴かせた前半戦の選曲は、ファン歴が長い人ほどうれしかったはず。
そして、「踊る準備はてきてますか? かなりファンキーな曲だから、みなさんついてきてください!」と、今年7月にリリースした最新EP『Love Don't Come Easy』から「Work It Out」を披露。観客をダンスさせると、もう1曲、ファンキーな「Bad Thing」を繋げる。
「この歌、私、怒ってるんです。みんな、もっと羽目外していこうぜ!」と、それまで大きな愛を歌っていた彼女がこの曲で歌い上げたのは、プライドを守るためにもっと戦おうというメッセージだ。
「幸せなステージに立たせてもらってうれしいです。自然のエネルギーと大自然に今一度、感謝。ありがとうございます!」
中津川のステージに立てた歓びを、そんなふうに伝えると、「中津川も私も20周年に向けて、舞い上がっていきたい!」という思いを込め、ラストスパートをかけるようにアップテンポのソウル・ナンバー「ライジング・ハート」を歌う。ダイアナ・ロスのカヴァーも有名なマーヴィン・ゲイの「Ain't No Mountain High Enough」のワンフレーズを交え、曲を盛り上げるアレンジに思わずニヤリ。曲の終盤では「一緒に歌ってください!」と観客を促して、シンガロング。ピースフルな一体感を作り上げた。
そして、ラストは「スペシャル・ゲスト! このステージのために練習してきてくれました! 中津川少年少女合唱団!」と総勢25人の子供たちをステージに迎え、昨年6月に配信リリースしたゴスペル・ナンバー「JOY」を、観客を巻き込みながら歌い上げたのだった。
「この子たちの未来を、みんなで一緒に支えましょう。つらいことばかりが目に映る毎日だけど、幸せなこともたくさん起きてます。その歓びを、みんなで称えたいと思います!」
曲に込めた思いが胸を打つ。だからこその全員による「ラララ」の合唱だった。
大きな愛とプライドとピースフルな空気に満ちたライヴに最後、歓喜が加わった。
そんなライヴを、今回、絶対観るべきと言ったのは、彼女の歌声の魅力からだけじゃない。大きな理想を掲げる<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>に、これほどふさわしいライヴはないと感じたからだ。
取材・文◎山口智男
撮影◎俵 和彦
【福原美穂 SOLAR SPECIAL セットリスト】
2. 未来 -ミライ-
3. HANABI SKY
4. 優しい赤
5. Work It Out
6. Bad Thing
7. ライジング・ハート
8. JOY
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019>
9月29日(日) 岐阜県 中津川公園内特設ステージ
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