【インタビュー】感覚ピエロ、5年間の歩みと挑戦と幕張メッセ「はっきり口に出さないと意味がない」

■なんにでもなれるし、なんでもやりたい
■道化師チックなところがあるんです

──そういう経験で、さらにいろんな曲が生まれていったんですね。

秋月：改めてバラバラですよね、方向性が。そう、バラバラなんですけど、アルバムに入ってても気にならない。たとえば「A BANANA」みたいな曲が入ってても別にいけてしまうじゃないですか（笑）。誰が曲を書こうが、歌詞を書こうが、僕ら4人で作ってることに変わりはないんで。やっぱり僕ら4人で音楽をやった瞬間、感覚ピエロなんやなって思います。

横山：ほかのバンドにない闘い方ですよね。だからこそ、“俺ら4人だったら大丈夫”って自信を持てるんだと思います。こういう闘い方をしてること自体が、もしかしたら感覚ピエロのアイデンティティなのかもしれない。でも、そういう自信やスタンスが、この6年かけて手に入れられたものなのかなって気がします。昔からあったものじゃなくて、それこそこのベストアルバムの16曲を経て、手に入れられた意思だったり、スタンスなのかなと。


──最近のライブにもその自信とかスタンスって強く出てますよね。幕張メッセイベントホールでのワンマンライブについて、どういうステージにしたいかって見えてますか？

横山：もう、死に物狂いで（笑）。もちろんまだゴールになんてひとつも達してないし、強くなった僕たちを手に入れたっていうわけでもなくて、もっと強くなりたい、まだ途中なので。だから幕張メッセに向けて、もっともっと高めていきたいです。11月4日には、そこに集まってくれるお客さんと、感覚ピエロがここにいて良かったと思える1日を、死ぬ気で作りたいなっていうふうに思います。

秋月：当たり前のように、僕らの今のテンション感でソールドアウトするとは思ってないですし、規模的にはすごい挑戦なんですよね。でも、“挑戦していかないと何も始まらない”って、ずっと思ってるんで。僕らって、結成した時点で挑戦みたいなところがあるじゃないですか（笑）。でも、実際に目標を言っていかないと何も始まらないと思う。ただ単に、漠然と“フェス出たいよね〜”とか“売れたいよね〜”って喋ってる人が、僕はほんとによくわかんないです。やっぱり、やらないと意味がないというか、はっきり口に出さないと意味がない。だから「幕張やります」って一年前に発表しましたし、あとは僕らが全力でそこに軌道を向けるだけというか。そこに向かって走っていくだけって感じです。


──「ありあまるフェイク」は、その幕張発表と同時に公開された曲ですが、アルバムの最後に収録されていて。このエンディング、最高ですね。

秋月：僕ら、感覚ピエロのことを理解してほしいようで、あんまりされたくないっていうところもあって。一概に“「O･P･P･A･I」のバンド”って言われるのも嫌ですし、“エモ要素のバンドでしょ”っていうのもちょっと違う。きっと、この16曲聴いても、“感覚ピエロって結局、何がしたいの？”ってことになると思うんですよ。その最後に「てめえで考えろボケ」っていう言葉が、僕らとしてはめっちゃ正解のアンサーなんです。僕らって、バンド名についてるようにピエロみたいなもんで。なんにでもなれてしまうし、なんでもやりたいし、道化師チックなところがあるんですよね。

横山：ベストアルバムを出したってことは、“俺たちってこうだよ、こういうふうに理解してね”っていうものかと思いきや、最後に「バーカ！」って言ってること自体が感覚ピエロですよね。それをおもしろがって見ていただきたい幕張メッセな気もするし。感覚ピエロを理解するっていうよりも、はたから見てて、“感覚ピエロ、おもしれえな”ってだけでいい。それを感じ続けていただけたらと思います。

取材・文◎後藤寛子
撮影◎野村雄治







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