【ライブレポート】ZARDトリビュートバンド“SARD UNDERGROUND”、デビュー発表後初ステージで「きっと忘れない」制作秘話も

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ZARDトリビュートバンド“SARD UNDERGROUND”が8月25日、大阪なんばHatchで開催されたライブイベント<DFT presents 音都 ON TO vol.5>に出演した。デビューアルバムにしてZARDカバー14曲を収録したアルバム『ZARD tribute』のリリースを9月18日に控え、同アルバムより5曲が披露された。

◆SARD UNDERGROUND (サードアンダーグラウンド) 画像

イベント出演者9組のうち、3番目に登場したSARD UNDERGROUNDは、演奏された全5曲がSARD UNDERGROUNDバージョンのカバーアレンジによるものであり、アルバムへの期待度がますます高まる内容となった。




デビュー発表後初ライブの記念すべき1曲目は「揺れる想い」。神野友亜のボーカルが伸びやかに響き、オーディエンスが自然と手拍子でリズムを刻んでいく。全体的に爽やかでありながら、後半のサビで微かに切なさをにじませた表現が印象に残った。1曲目を終えると会場からはいくつのも声援が。メンバー紹介、そしてデビュー報告をすると、オーディエンスからは温かい拍手がステージへそそがれる。

すると、2曲目について「伝えたいことがある」と神野がメモを取り出した。「間違えないように…」と神妙に語り始めたのは、カバー「きっと忘れない」についての制作秘話だった。SARD UNDERGROUNDが歌う同曲歌詞は、ZARDの坂井泉水が書いた第一稿バージョンだという。坂井が最初に書いた詞は、1番のAメロが“別れは粉雪”であったそうだが、当時、タイアップの関係もあって長戸大幸プロデューサーから「最初に季節感を明かさないほうが良いだろう」というアドバイスを受け、2番の歌詞と入れ替えたのだという。



そして披露された「きっと忘れない」は、その第一稿バージョンによるもの。オリジナルが持つ瑞々しさを感じながら、最初に“冬”だと種明かしされて聴く新鮮さに、また格別な感慨を抱いた。カバーアルバムでも同バージョンでレコーディングされたそうなので、こちらもお楽しみに。続く「マイ フレンド」は、神野友亜、赤坂美羽(G)、杉岡泉美(B)、坂本ひろ美(Key)による冒頭部分のボーカルや演奏を含め、初ライブから約半年間の成長が実感できるナンバーであった。

ライブ後半は「Don’t you see!」「負けないで」といった名曲の連打に会場が大盛り上がり。ZARDの永遠のスタンダードナンバーが持つパワーはもちろん、自分たちがリスペクトする楽曲を大切に奏でるSARD UNDERGROUNDの想いが会場へ伝播したかのような一体感も感じられた約30分。ライブ後、ZARDのファンだという方々が、“感動した”“とてもよかった”と彼女たちに声を掛ける場面も見受けられた。


Costume provided by earth music&ecology

■ライブイベント<DFT presents 音都 ON TO vol.5>2019年8月25日@大阪なんばHatch セットリスト

01. 揺れる想い
02. きっと忘れない
03. マイ フレンド
04. Don’t you see!
05. 負けないで

■デビューアルバム『ZARD tribute』

2019年9月18日発売
GZCA-5295 2,500円(+税)


01. 君がいない
作曲:栗林誠一郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
02. 愛は暗闇の中で
作曲:栗林誠一郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
03. 揺れる想い
作曲:織田哲郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
04. マイ フレンド
作曲:織田哲郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
05. 突然
作曲:織田哲郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
06. 負けないで
作曲:織田哲郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
07. 心を開いて
作曲:織田哲郎 編曲:徳永暁人 / 長戸大幸
08. DAN DAN 心魅かれてく
作曲:織田哲郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
09. あの微笑みを忘れないで
作曲:川島だりあ 編曲:GAK / 長戸大幸
10. きっと忘れない
作曲:織田哲郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
11. Don't you see!
作曲:栗林誠一郎 編曲:徳永暁人 / 長戸大幸
12. 少女の頃に戻ったみたいに
作曲:大野愛果 編曲:徳永暁人 / 長戸大幸
13. もう少し あと少し…
作曲:栗林誠一郎 編曲:鶴澤夢人 / 長戸大幸
14. 永遠
作曲:徳永暁人 編曲:徳永暁人 / 長戸大幸
※全作詞:坂井泉水

■SARD UNDERGROUNDプロフィール


 Being Group大阪唯一のメジャーレコード会社“GIZA studio”でメジャーデビューを目指して個別にレッスンを受けていた彼女たち。数々のヒットアーティストを創出してきたBeing Group育成環境の中で、先輩アーティストの作品やヒストリーに触れていた。
 そんな中、ZARDの作品に共鳴した神野友亜(Vo)、杉岡泉美(B)、赤坂美羽(G)、坂本ひろ美(Key)がスタジオに入り、ZARDをカバーする日々が始まる。最初は、ただただ勉強のためにカバーをしていたが、坂井泉水の描く歌詞の世界にどんどん引き込まれ、寝る間も惜しんで真剣に向き合っていったという。
 ZARDのプロデューサーであり、Being Groupの創設者である長戸大幸の耳に、メンバーの真剣な様子がスタッフから伝わると、長戸プロデューサーは、“ZARDの作品を後世に伝えてくれる存在”として、彼女たちが表舞台に立てるよう力を貸していくことに。そしてバンド名は、“ZARD”の“Z”を反転させ、“SARD UNDERGROUND”と名付けられた。
 当時のZARD/坂井泉水の音楽や歌詞に対する真摯な姿勢やリスナーへの想いを教わることで、改めてZARDの魅力に引き込まれていったSARD UNDERGROUNDは、2019年2月3日にZARDのカバーによる初ライブを大阪で開催した。
 以降も厳しい練習を重ねながらライブの頻度が増していくタイミングで、彼女たちがYouTubeにUPしたライブ映像を観た仙台放送のプロデューサーから毎年仙台で開催されている<東北・みやぎ復興マラソン>のイメージソングのオファーが届く。「負けないで」をはじめとするZARDの作品力がきっかけではあったが、その楽曲に込められたメッセージを自分たちなりに表現しようと前を向き続ける新世代の彼女たちの姿に、東北をはじめ日本に元気を取り戻しながら、風化させることなく未来へ繋いでいく可能性を垣間見たという。
 デビュー前に届いた大役に驚き、動揺しながらも、長戸プロデューサーをはじめ、実際にZARDの制作にかかわってきたスタッフの後押しを受けた彼女たちは、自分たちが尊敬してやまないZARDの作品に新たな息吹を吹き込むごとくレコーディングに臨んだ。
そして、2019年9月18日にZARDの数々の名曲が詰め込まれたトリビュートカバーアルバムでメジャーデビューを果たす。

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