【インタビュー】中村ピアノ、オルタナティブ新感覚な魔法めいた歌謡ディスコポップ
■「東京ディスコティック!!」は
■自分の殻を破れた曲
──歌詞作りに関してはネットというか、Twitterの影響が大きかったりします?
中村:そうですね。かつて松任谷由実さんが作詞のアイデアの源として、ファミレスで耳を澄まして会話を聞いているって話をされていたんですけど、それと近い感覚ですね。いろんな人たちの心の中が覗けるんですよ。歌詞の表現において、言葉遣いや気持ちが手に取るように見えるので面白いですよね。そこで得た気持ちを曲にすることもあるから、創作にはTwitterが欠かせません。
──最近、世の中の出来事でどんなことに興味がありましたか?
中村:「踊り子」という曲はパパ活や整形のことを書いているんですけど、性の不一致をテーマにしています。身近にもそんな友人や知り合いがいて、話を聞いていると自分のことのような気持ちになって落ち込んだりするんです。だから、“これは曲にしなきゃ”って思いました。最近、恵まれているんだけど満たされてないというか……心に黒い穴を持っている子が多くて。
──美味しいものを食べようとしたら安い店もたくさんあるし、服もいろいろ選べるんだけど、承認欲求が邪魔をするんですよね。若い人に夢を訊くと具体的なものはなかなかなくて、漠然と“お金持ちになりたい”って子が多くて。
中村:そうそう。そうなんですよ!
──でも、ピアノさんはそれを音楽として表現することで救われていて、その曲を作品として伝えることでリスナーも救われるんでしょうね。
中村:そうありたいですよね。音楽で表現できてなかったら、私はとっくに死んじゃっていると思いますから。
──今回、リリースされる2ndシングル「東京ディスコティック!!」は、4曲ともそれぞれのベクトルを持ちながら、情念強めな思い切りある勢いが素晴らしいですよね。
中村:ありがとうございます。負の力やネガティブパワーで書くのは昔からで。それをもうちょっとブラッシュアップして完成したのが今回の作品ですね。
──1曲目「東京ディスコティック!!」は初期衝動感がありつつキャッチーなディスコサウンドで。ちょっと新境地感ありますよね。
中村:自分の殻を破れた曲ですね。暗い曲が多いんですけど、“元気出そうぜ”って初めて最初から最後まで前向きな曲になりました。自分の中で大事な曲ですね。これはお風呂上がりにリラックスしていた時に出てきたメロディーで、ボイスメモに録っておいたんです。いかに身体を揺らせるかにこだわって、もう勢いで作りましたね。
──ライヴでも楽しそうな曲ですよね。メンヘラチックな2曲目の「踊り子」はシャッフルビートでポップさを持っているけど、ノスタルジックなアレンジが印象的でした。ジェットコースターのようにめまぐるしく展開されていくし。
中村:それがテーマで作りました。飽き性なので展開を複雑にしたくなるんですよ。5分弱の中でいかにお客さんのテンションを上げ下げできるかっていう。
──気持ちの支配力が強いですよね。そう言えば、Twitterで裏アカウントを作って歌詞表現の調査もされたとか?
中村:ははは。曲を作るにあたって薄っぺらい知識じゃ嫌だと思って、パパ活を調べてみたんです。何でこんなことをするのかなって思ってたんですけど、ストレス解消みたいで。私も知らないおじさんからいっぱいDMが届きました(笑)。今の若い子とかはアカウントを複数持つのも普通だったりするんですよ。
──コミュニティーごとに人格を分けられるというか。
中村:そうですね。パパ活界で有名な女の子がいて、その子の投稿を遡ったら何十曲でも曲が書けそうだなって思いました。
──ある種ファンタジーですけど、刺激的ですよね。すごいなぁ。で、3曲目がまたパワフルな「アイスクリーム!!」という。ポエトリー調ながらもエフェクティブで面白い曲ですね。サビではポップロックなビート感もあって。
中村:私の中でもチャレンジした曲ですね。Aメロにもっと言葉を詰め込んでグチャグチャにしてみたいと思って。ネガティブなんだけど明るさも入れたくて、サビはキャッチーにしました。アイスクリームのようにとろけていく感情を描いてます。
──そして、4曲目「とおり雨」はピアノさんが一番最初に作った曲だということですが。
中村:ほんとに初期に作った曲ですね。曲を作りたくても、どうしたらいいのか分からなかった頃。私はたくさん失恋をしてきたタイプなんで、それを書いたら作れるのかなって思ったんです。もともと懐メロや歌謡曲も好きだったので、そんな世界観から作ってみました。
──心の奥底を刺してくるメロディーですよね。ピアノさんはどんなタイプの男性に惹かれるんですか?
中村:えっと……なぜかみんな釣りが好きでしたね(笑)。
──えっ? それはあとから知るんですか?
中村:そうなんです。あとは、私はものすごく人見知りなので、音楽を介して知り合った人としか上手く喋られないんです。友達の友達とかにご飯に誘われても怖くて行けないし。なので、基本的には仲の良い友達を好きになることが多いですね。
──それと釣りなんだ。例えば、釣り好きミュージシャンの奥田民生さんとかは?
中村:好きです。あと、吉井和哉さんとか(笑)。みなさん、釣り好きですよね。
──ははは。ロックシンガーは孤独を愛するのかな? 面白いですね。こうして4曲が完成してみて、客観的に振り返ってみていかがですか?
中村:この間、ラジオで初めて「踊り子」を流していただいたんですけど、そのラジオを聴いたことで客観的に向き合えたんですよ。“世の中に出たんだ”っていう実感というか。今言いたいことやフラストレーションをこの4曲に込めることができました。
──4曲ともパワーがすごいから、シングルとは思えない充実度ですよね。
中村:それはとても嬉しいです。「東京ディスコティック!!」の最後に《転んでも、タダでは起き上がったりしない 全ては思い通り、私の思い通り》という歌詞があるんですけど、それが自分の中でテーマになっていますね。私はすぐに挫折するし、すぐ落ち込むんです。でも、そこで野垂れ死したくはないなって。それを今回、歌詞に刻み込めました。
取材:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
■2nd.シングル「東京ディスコティック!!」
▲「東京ディスコティック!!」
発売日:2019年7月31日(水)
品番:POCS-1802
価格:¥1,300+税
※プレイパス対応(買ったCDをスマホですぐ再生)
[収録曲]
01.東京ディスコティック!!
02.踊り子
03.アイスクリーム!!
04.とおり雨
■イベント情報
8月01日(木) 東京・上野音横丁
【出演】安藤 匠、木村結香
<中村ピアノオンナノコ公演~ピアニズム2019>
8月16日(金) 東京・西永福JAM
【出演】なの小夕子、ROW-ZA、みでぃ、CANDY BOX(OA)
<ライヴ&バラエティー MIX FUNNY>
8月23日(金) 埼玉・浦和ナルシス
【出演】FULL EFFECT’、クロtube with:健洋、める
<THOGO FEST-2019>
9月08日(日) 東京・新宿ロフト
【出演】misono、さとう珠緒、間々田優 and more
<中村ピアノオンナノコ公演~ガラフェス2019>
10月11日(金) 東京・西永福JAM
【出演】なの小夕子、MightyBoo、atsuco
<間々田優 弾き語り3マン公演 女女女~あやとり遊び>
10月18日(金) 東京・下北沢ブレス
【出演】間々田優、星野みちる、ゆーちん(OA)
<道頓堀ミックスVol.1>
10月25日(金) 大阪・道頓堀シュリンプ
【出演】間々田優、夏生奈苗、masashi、LR、にわとりおばけ、トレスニブ
<道頓堀ミックスVol.2>
10月26日(土) 大阪・道頓堀シュリンプ
【出演】間々田優、夏生奈苗、RUCA、CANDY BOX、夕景の彼方、関西軽音楽倶楽部オーケストラ、ゆーちん(OA)
<中村ピアノオンナノコ公演~イチイチニーニー2019>
11月22日(金) 東京・西永福JAM
【出演】なの小夕子、夏生奈苗、丸橋ミケ
<ローズクリエイト祭り2019>
12月15日(日) 東京・西永福JAM
【出演】間々田優、美良政次、Reach The Sky、ROW-ZA、三浦拳太、なの小夕子、0point power(びりりあんみりんだ)
<間々田優 弾き語り3マン公演 女男女~色鬼遊び>
12月30日(月) 東京・下北沢ラグーナ
【出演】間々田優、死神紫郎
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