【インタビュー】NOCTURNAL BLOODLUST、新メンバー加入後の初音源完成「今は飾ってない。自由に、制約もなく」

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■Linからのサプライズは今後もあるはずだし
■それがまた新しい化学反応を起こす

──この4人の初音源『UNLEASH』は、作曲がバンド名義になっています。どういったやり取りをしながら曲を作ったんですか?

Lin:最初はMasaとそれぞれが家でデモを作って、みんなでデータを共有して。スタジオに入ったタイミングで、それぞれのアイデアを出しながらディスカッションを重ねたり。実際にレコーディングに入ってもそういったやり取りは続いて、曲も膨らんでいったんです。すごくセッション的なところもあったかな、と思います。

──となるとプレイヤーとしての引き出しも重要なアレンジ作業ですよね。Linのルーツや影響を受けたプレイヤーは?

Lin:ヘヴィな音楽の入り口は、僕にとってマリリン・マンソンなんです。その後、フュージョンやいろいろなスタイルの音楽も聴いたんですけど、最近は個人的に原点回帰といいますか、マンソンなど、あの時代の音楽を再び聴いていて。楽曲としてはシンプルなんですけど、何か訴えかける姿勢など、音楽だけじゃない部分もいいなと思って。そういった要素も出していけたらいいなと思っていますね。

▲Lin [G]

──ギタリストとしてはどのあたりを好んでいるんですか?

Lin:あのギタリストを超コピーしたっていう経験がないんですよ。いろんな曲はカバーしましたけど。それに曲を自分で作るようになってからは、ギターは作曲ツールという感覚で。あんまりギタリストからの影響は受けてないかもしれないですね。

──ギターを始めたとき、7弦ギターも当たり前の時代でしょ?

Lin:そうです。最初に弾いたのは6弦ギターですけど、僕はすぐに7弦ギターにシフトしましたね。7弦ギター歴のほうが長いです。6弦も弾けますけど、べつに7弦ギターでいいかって感じで、基準が7弦ギターなんですよ。

Natsu:というギタリストなんで、まだまだいろいろあるんじゃないですかね。

Masa:Linからのサプライズは今後もあるはずだし、それがまた新しい化学反応を起こすはずなんです。

尋:その確信はあります。なにしろ、僕らもまだ出し切っていないんで。

──NOCTURNAL BLOODLUSTの結成が2009年だから今年で10年。その間、築き上げたものがバンドのカラーやスタイルにも結び付いたわけですが、そこに自分たちがある種、縛られそうになったことも?

Natsu:そうですね。もちろん過去に僕らがやってきた軌跡は否定しないし、やっぱり好きでやってきたことなんです。でも、ずっとそれをやらなきゃいけないってのは、また違うじゃないですか。バンドってやっぱり生き物だから、そのときどきでいろんな化学反応も起こって変化もすると思うんです。その変化は、僕は成長だと思っているんで。だからやっている側として、あんまり変わったという意識は持っていなかったんです。今回はいろいろな試みや、今までと違うアプローチもやったんですけど、それはあくまでも広がりであって。Masaがちょっと前に言ったんだけど、アップデートだっけ?

Masa:ああ、そうだよね。

Natsu:自分もバージョンアップみたいな認識なんですよ。だから“縛られていた”っていうか、今から思うと、確かにそんな側面もあったのかなとは感じますけど。

尋:俺なんか、180度戻ったという感じ。


──それこそNOCTURNAL BLOODLUST結成前に、アメリカでデスメタルをやってたぐらいの感覚に?

尋:それに近いですね。ありのままの自分を出しているから。今は飾ってないから。演技をするっていうのと、自分を出すっていう部分でいうと、今までは8対2の割合で飾っていたところがあったと思うんですよ。それが時間が経つにつれ、自分のなかでシフトチェンジというか、元に戻りつつあって。自分の気持ちの変化があったんですよ。もっと人間らしくしたいとか、男らしくいきたいってのがあって、結局は元に戻った自分のスタイルこそ、一番、自分らしさを貫けるなって。それに自分を持たないと、自分のなかでいろいろ崩れていくんですよね。精神的にも疲弊していくし。元に戻った今のスタイルが、自分にとってやりやすいし、音楽が楽しいと思えるんです。

──精神的に健康なまま、今回の曲作りやアレンジに取り組めました?

尋:そうです。

Masa:みんな自由に、変な制約もなく。前は個を立たせるというか、言い方が難しいんですけど、曲を売るというよりもギタープレイを売るみたいな。バンドの押されている部分をさらに押すための楽曲作りみたいなところがあったんです。でも今回は全体を。

Lin:バンドとして、という。

Masa:そういうアレンジやスタイル。

──互いのやり取りのなかで、自分の新たなものを引き出されることもありました?

Masa:それはもちろん。特にボーカルは自由にアプローチできたと思うし。

尋:あと、常に思っていたことというか。この10年間やってきて、心のどこかで“こうやりたかった”という部分も、この機会だから出していこうみたいな感じがする。

Lin:NOCTURNAL BLOODLUSTのお客さんでもあった僕から見ると、例えるなら、パッケージされていた荷をほどいた感じですね。

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