【インタビュー】The Whoops、耳と心に残るグッドメロディばかりが収録された1stフルアルバム『Time Machine』
■僕らが面白いと思うことを続けていきたい
■なんでもいいです、面白ければ(笑)
――アルバムは、これまでライブでやってきた曲を入れているんですか?
宮田:いや、ほとんどこのアルバムのために書いた曲です。
――タイトルを『Time Machine』とした理由を教えてください。
宮田:最後の「time machine」が、歌詞とメロディが同時に出てきて10分ぐらいで完成したんです。出てきた言葉も言おうと思って考えたんじゃなくて自然に出てきた言葉が多くて。曲に対してもそうだし、アルバムを全部通したときにテーマとして一貫したものがあるなと思ってこのアルバムタイトルにしました。
――この曲でも聴けますけど、宮田さんと森さんがデュエットしているような曲もありますよね。ツインボーカルということでいいのでしょうか?
森:いや、私は一歩引いてコーラスっていう感じですね。
宮田:コーラスのパートでもミックスのときに声は前に出しています。「センチメンタル」のAメロは森ちゃんが主旋律ぐらいの音量感でやっていますし、森ちゃんがリードボーカルを取っている「Soda」もありますし。ツインボーカルって言っても過言ではないと思います。
森:自分は歌にそんなに自信がないですし、The Whoopsは宮田さんの声でここまで来たっていう気持ちがあるんです。宮田さんの声って他で聴いたことがないんですよ。別にめっちゃ変わってるわけじゃないし声を売りにしているわけでもないんですけど、考えたら宮田さんの声って似ている人を全然知らないなって。きれい目のバンドとかって、“ああ、こういう系統ね”っていうのがあるんですけど、宮田さんの声は独自のカテゴリーになるのが個性的でいいなって思います。
宮田:へえ~!そうなんだ?
――須長さんは宮田さんの声に関してはどう感じていますか?
須長:う~ん、特に意識したことがないですね(笑)。
森:いま初めて考えたでしょ?
須長:たまにコーラスするときに宮田君のメロディを歌うことがあるんですけど、自分と比べて声が高いので歌うのが難しいなって思います。
宮田:でも、声が一番良いのはじつは須長君なんですよ。歌いたがらないですけど。
須長:カラオケが得意なんだよね。
――そういえば、アルバムの1曲目「春について」がカラオケDAMで配信されるみたいですね(7月30日から配信開始)。
宮田:そうなんですよ。僕はカラオケ店でバイトしていたので、めっちゃ嬉しいです。
森:カラオケってわかりやすいですよね。職場の人とかに自慢しやすいっていうか?
宮田:小せえなあ~、わかるけど器が小さい!
一同:(笑)。
――では、1人1曲ずつピックアップして語ってもらえますか?
森:全部好きな曲なんですけど、特に「エンドロール」の最後のCメロに向けて、めちゃめちゃ良いメロディが油断した頃にくるっていうところが好きですね。8曲目のここにまで才能を咲かせてたか、こんなところにも散りばめていたのかっていう。
宮田:褒めてくれますね~(笑)。
森:私はコーラスを自分で考えるのが好きなんですけど、「エンドロール」のCメロはコーラスが本当に気持ち良くて。コーラスを乗せて完成したなって自分で思ってたぐらい綺麗なメロで。「あっぱれですね~!」という感じです。
宮田・須長:ははははは(笑)。
――コーラスワークも含めて音の重ね方が上手いですよね。うるさすぎず、スカスカすぎずという。
森:良かったです。生活に寄り添った音楽ですので(笑)。「エンドロール」は、宮田さんの結婚式の余興でも演奏したんです。
宮田:この曲は結婚式用に書いた歌なんです。
森:さえない男性の熱い歌というのは、やっぱりめちゃめちゃ胸にくるよなっていう話ですよね。イケメンが上辺だけで紡ぐ言葉よりいいなって。
宮田:そうだね、そう言われて素直に喜べる体にはなったよね(笑)。
森:めっちゃいい曲ですよね、これは。
宮田:うん、アルバムの中で唯一ハッピーな曲なんじゃないかな。
――ちなみに資料に書いてあるんですけど、森さんの「実録浮気ドキュメンタリー」って何ですか?
森:このタイミングで真逆の話しますか(笑)。これは3年ぐらい前の話で、こすり倒されているんですけどね。まだ味がするのかっていう。詳しくはネットで調べてください。
――わかりました!ではみなさん各自調査お願いします。なぜ訊いたかというと、作詞作曲のクレジットがなかったので、森さんが自分の経験を歌詞にしていることもあるのかなと思って。
森:いや、感受性がないので無理です。
宮田:「踊れない僕ら」を作っているときにラップなので歌詞が書きなれてなくて、森ちゃんに歌詞を書いてみてってお願いしたんです。そしたら1週間後の僕の誕生日に“プレゼントに漫才の台本を書いてみました”ってすごい長文が送られてきて。頼んでもいない漫才の台本を書いてくれるのに頼んでた歌詞は1行も送ってこないんですよ(笑)。それで結局僕が書いたんですけど。
森:難しかったですねえ。
――でも漫才のネタは書けた?
森:はい、すごく楽しかったです。
一同:(爆笑)。
宮田:それならよかった(笑)。
森:漫才はいつかやりたいですね。味方しかいない温かい空間で披露してみたいです。
――楽しみにしています(笑)。では須長さんの1曲を挙げてください。
須長:「春について」ですね。もともと僕がこういう速い曲が好きというのもあるんですけど。最初ゆっくりで途中から速くなるところの不意打ち感がパンチ効いてるなって。
――歌詞についてはどうですか?
宮田:歌詞なんか一切共感してないでしょ?
須長:このバンドって恋愛的な感じや過去の楽しかったことを歌っていると思うんですけど、僕は全然そういうのがなくて。スポーツ校の最底辺のところにいたので。地元もずっと同じだし浮いた話もないし、この世のだいたいの歌詞は共感できないというか(笑)。悲しいピエロなんですよ。
森:よくバンドやってるな(笑)。
宮田:よく、あんなに一生懸命叩いてくれるよね?
須長:歌詞で言うと韻を踏んでるところはいいなって。
宮田:ああ~韻踏みがち。それは大事!意外と触れてくれないの。そこは嬉しいね。
――では、宮田さんの1曲をどうぞ。
宮田:難しいですね~。アルバムを通して好きなんです。出てきた言葉って、韻を踏むために作為的に出したものもあれば自然発生したものもあって。やっぱり、自然発生した言葉の方が好きなんですよ。それで言うと「time machine」がすごく好きです。風景描写の歌詞なんですけど妄想も入っていて。サビで“目と目が合ったならどこへ行こうか 話し方の一つはもうどうでもいいや”という歌詞があるんですけど、1曲目の「春について」では“話し方も忘れてしまったよ”とか“話し方を探していたのに”ということにすごくこだわっているんです。でも、最後に「time machine」が出来たときに、“もうどうでもいいや”って自然に出てきたんです。そこで、自分の気持ちを回収した感じがあるんですよね。だから、アルバム全曲を聴いたときに、この曲で完結する感じがすごく好きです。
――アルバムタイトルの回収にもなっているということですね。
宮田:そうですね。ここまで細かいものを僕は色んなところに散りばめているんですけど、気付いてもらえないのは嫌だから自分から言っちゃいました(笑)。
――8月からのレコ発ツアー<The Whoops pre. 遅れてきたTime Machine TOUR>が控えていますが、ライブではどんなところが見どころでしょうか。
須長:全員、動き回って頑張ってる感じがあります。
宮田
:結構、パンク感ありますよ。
須長:At The Drive-inみたいに…
――どうしてもAt The Drive-inになりたいんですね(笑)。
宮田:そうなると人手が足りないんだよね(笑)。でも須長君がオラオラ~って叩いているので、それを見てテンション上がります。森ちゃんはジャンプしたり。元気だよね。
森:元気っこクラブですよねえ。ベースラインは動かないのにめっちゃ動いてるねって言われます。
――バンドの夢とか目標ってありますか?なんでもいいですけど。
宮田:僕は「アメトーーク!」と「タモリ倶楽部」に出たいですね。もちろんバンドで。ひな壇でちゃんと活躍できる人たちになりたいです。もちろん、大きいステージに立ちたい気持ちはありますけど、僕らがつまらなくなったら終わりなので。僕らが面白いと思うことを続けていった先にそういうことがあればいいなって。なんでもいいです、面白ければ(笑)。
須長:今まで以上に、もっと色んな人にライブを観てもらってフェスにも出たいです。あとはアイドルと付き合いたいです。全然知らないけど(笑)。
森:私は「M-1グランプリ」に出たいです(真顔)。バンドとは関係なく、私の人生のアナザーストーリーとして出たいです。
――漫才の相方はいるんですか?
森:全然いないんですよ。でもそういうのって自然に見つかる感じなのかな?恋愛と一緒でさ……。
宮田:いや、知らないよ(笑)。
――じゃあこの記事を通して相方を募集してみては?
森:そうですね、趣旨がブレてますけど(笑)。それで本当に来た人は相当良い人だと思うので。よろしくおねがいします!
取材・文●岡本貴之
撮影●長谷川大
リリース情報
2019.06.12 Release
HOR-300/ 価格\2,200(+tax)
HUNGRY OVER RECORDS
1. 春について
2. 天気予報
3.Soda
4. 手紙
5. 行方
6. センチメンタル
7. 東京メトロ
8. エンドロール
9. 踊れない僕ら
10.time machine
ライブ・イベント情報
8.3(土)渋谷CHELSEA HOTEL
w/FINLANDS、東京パピーズ
8.12(月祝)心斎橋Pangea
w/PK shampoo、COSMOS、and more...
8.31(土)名古屋CLUB ROCK'N ROLL
w/C Case(O.A.)、シャンプーズ、東京パピーズ、and more...
9.20(金)下北沢BASEMENT BAR
w/ONEMAN
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事の関連情報
【インタビュー】「DAM CHANNEL」20代目MCに森 香澄、サポートMCにチャンカワイが就任「プライベートな部分も引き出せたら」
2024年3月のDAM HOT!アーティストはアーバンギャルド、フジタカコら4組
【イベントレポート】<ビッグエコー35周年記念カラオケグランプリ>決勝大会が大盛況。応募4,061件の頂点決定
2024年2月のDAM HOT!アーティストはOHTORA、我生ら4組
2024年1月のDAM HOT!アーティストRKID'z、EINSHTEINら3組
2023年12月のDAM HOT!アーティストは学芸大青春、the paddlesら4組
2023年11月のDAM HOT!アーティストはACE COLLECTION、3markets[ ]ら4組
T-BOLANのメンバーと一緒のステージで歌えるチャンス、大好評実施中
2023年10月のDAM HOT!アーティストはNORTH、グラビティら4組