【ライブレポート】ベリーグッドマン「Youがいなければiはない。愛を込めてベストを尽くす」

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愛を込めてベストを見せる。ベリーグッドマン<“もっとてっぺんとるぞ宣言”ツアー2019「i AM the BEST」>は、7月7日の追加公演・大阪国際会議場メインホールをもってめでたく完結。2か月間18公演のホールツアーを駆け抜けた3人は、休む間もなくニューアルバム『SING SING SING 7』のリリースへと向かうが、その話はまた後日。てっぺんを目指す熱い意気込みと変幻自在のパフォーマンスを見せてくれたツアー14本目、6月22日のTOKYO DOME CITY HALLの模様を振り返ろう。

「準備はいいですか!」

バックDJのMANA-Bと共に楽屋裏へと潜入する生カメラ。普段は見られない「開演前の儀式」をすっぱ抜いたり、MOCAがカメラに向かって煽ったり。そりゃ盛り上がるに決まってる展開からの10カウント・ダウン、1曲目「プレイヤー」から全員参加のタオル回し大会と、勿体つけずにいきなりテンションMAXに持って行くのがベリーグッドマン流だ。ロックな「プレイヤー」からEDMの「Color」、元気いっぱい女子ダンサーズの太もも健康美に視線釘付けの「ベリーグッド」と、アッパーチューン連発で序盤から飛ばす飛ばす。「日頃のストレスを全部ここにぶちまけていきましょう!」Roverに言われるまでもなく、ホールのてっぺん第三バルコニーまですでに総立ちで踊りまくりだ。


「Mornin’」からの新曲「Good Day」は、会場中をカラフルに染めるツアーグッズのフレフレフラッグと、ダンスホールレゲエな曲調が良く似合う。6曲目に早くも名曲「ライオン」をやったのはちょっと意外だったが、それは他にもやりたい曲がありすぎるということ。ライブハウスではなかなかできなかったというラブソングの披露もその一つで、HiDEXのファルセットを交えたソウルフルな男前ボイスが響き渡る「Eye to Eye」、女性ファンをステージに上げて歌う「はじまりの恋」と、ホールツアーのスケール感を生かした演出もばっちりハマった。HiDEXに目の前で歌ってもらった小さな女の子、その思い出はきっと一生忘れないだろう。


NHK「みんなのうた」オンエア中の新曲「大丈夫」でHiDEXが入りを間違えると、すかさずRoverが「大丈夫!」とフォローする。ちょっとしたミスもポジティブに変換する、そんなところがライブ巧者。そしてこの日のハイライトの一つが、「Chill Spot」「BGM」「ミクロコスモス」「コンパス」の大メドレー、というかパーティーミックスだ。客席を三つにチーム分けして声出し合戦、コール&レスポンス、上から下までの客いじり(MOCA担当)、当意即妙フリースタイルなど、何でもありありの展開をこれだけ長く飽きさせずに楽しませる力。ベリーグッドマン半端ない。


ここからの三者三様、ルーツを見せるソロ・コーナーがとても興味深かった。Roverはアコースティックギター弾き語りで、感謝に溢れたラブソング「花束」をしっとりと。MOCAはダンサーを引き連れ、メロディアスなダンスホールレゲエのメッセージソング「No rain , No rainbow」を。HiDEXはアコースティックギターにビートを加えたミドルバラード「もしもいつか」で、日々をかみしめて生きる思いを切々と歌い上げる。陽気なMOCA、意外に生真面目なRover、クールなHiDEX。方法論も哲学も人それぞれ。音楽性もスタイルもかなり違う。この3人がなぜグループを組んでいるのか? いや、この3人が一つになるからこそベリーグッドマンは面白くなる。

「後半戦行きますよ!」

MOCAの叫びを合図に、ダンサーも加わりタオルをぶんぶん振り回す「TTS」で一気に加速。MANA-BがDJ台から飛びだし、ステージ最前線でマイクを握って気持ちよさそうに喝采を浴びている。踊りまくる女子ダンサーズのホットパンツに視線釘付けの「Trip」を経て、「Sixth Sense」では7人揃っての華麗なステップも見せてくれた。そして軽快ポップな「友達の歌」の、ぴったり息の合った三声ハーモニーの美しさ。一人の声は小さくとも3人束ねればどこまでも強くなれる。ベリーグッドマンの誰にも負けない三本の矢がここにある。


ラストが見えてきた。みんな大好き新生活応援ソング、丸々ワンコーラスがオーディエンスの大合唱になった「Hello」の感動的なシーンからそのまま最後の曲へ……は行かず、MANA-Bを主役に据えた小ネタで笑いを絞り取るのが、楽しませるためなら何でもするベリーグッドマン流。そして「TOKYO DOME CITY HALLを大きな愛で包みたいと思います」(Rover)と言って歌った「i」の力強いメッセージと、客席一面に揺れるペンライトとスマホのライト。大きな愛に包まれた美しい光のフィナーレ。

7月31日にニュー・アルバム『SING SING SING 7』リリース、8月22日にはZepp Osaka Bayside、26日には東京・豊洲PITでリリース・パーティー。そして9月28,29日にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンで初の野外ライブなどのニュースを発表。アンコールは、「スタートライン」から「ライトスタンド」へ、ベリーグッドマンが誇る強力応援歌二連発。ド派手な金テープが宙を舞う「Good Time」でさらに盛り上げ、いよいよ本当のラストシーンがやってくる。HiDEXが「大切なみんなに作りました」と語り掛ける。この歌で笑顔になれますように――「You」の歌詞をみんなが口ずさんでいる。Youがいなければiはない。愛を込めてベストを尽くす。「i AM the BEST」に込めたいくつもの意味が、全ての音が消えたあともじわじわと胸に沁みてくる。


夢の大阪城ホールを経て、ホールツアー、そして野外ライブへ。代表曲を増やしながら成長し続けるベリーグッドマンのライブに、完成の文字はきっとない。もっとてっぺんとるために、3人のチャレンジはまだまだ続いてゆく。

取材・文●宮本英夫

リリース情報

『SING SING SING 7』
2019.07.31 ON SALE
<収録楽曲 CD全形態共通>
1.イントロ 7
2.スタートライン
3.夢のまた夢
4.My Line
5.大丈夫
6.Good Day
7.Happy 7
8.とにかくこの瞬間だけはぐっすり眠るために爪弾きたくて
9.線香花火
10.Secret Drive

[初回限定盤A] CD+DVD ¥3500(税抜)UPCH-7499
DVD:『“もっと てっぺんとるぞ宣言”ツアー2019「i AM the BEST」バック・ステージ・フィルム』
5月から行われているホール・ツアー、”もっとてっぺんとるぞ宣言”ツアー 2019「i AM the BEST」より
5/6大阪国際会議場メインホールでの、40分を超えるパフォーマンス映像及びバックステージの模様を収録。
[初回限定盤B]2CD ¥3148(税抜)UPCH-7500/1
DISC 2:Remix Remix Remix ※ライブ定番となっている人気曲のRemix音源5曲を収録したボーナスCD
1.Supernova (KSUKE Remix)
2.Good Time (WHITE JAM Remix)
3.Brand New World (WHITE JAM Remix)
4.Mornin’(WHITE JAM Remix)
5. ウグイス (Remix)
[通常盤] CD ¥2500(税抜)UPCH-2187

ライブ・イベント情報

<i AM the BEST アフターパーティー>
7月11日(木) 鹿児島・CAPARVO HALL
7月12日(金) 鹿児島・CAPARVO HALL

<リリース・パーティー「MTV LIVE PREMIUM ベリーグッドマン音楽祭 ~SSS7 Release Party~」>
8月22日(木)Zepp Osaka Bayside
8月26日(月)東京・豊洲PIT

<ベリーグッドマン 超好感祭 2019 ~あなたとベリグでユニバーサル・スタジオ・ジャパン!~>
2019年9月28日(土)、29日(日)
大阪・UNIVERSAL STUDIOS JAPAN グラマシーパーク特設会場
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