いい音爆音アワー vol.103 「2位でも名盤♪特集」

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いい音爆音アワー vol.103 2位でも名盤♪特集
2019年 6月12日(水)@風知空知
“売れたもの”=”いいもの”ではもちろんないし、ちょっとひねくれている私はどちらかというと、同じアーティストでもメチャ売れたものよりそうでないもののほうが好きなことが往々にしてあります。6月4日の朝日新聞に、イラストレーターの山藤章二さんの言葉が載っていました。
「二番手の奥ゆかしさはとても文化的な心理なのだ。」(from 随想集「昭和よ、」)
一番より、二番手もしくは敗者のほうが、「人間的挫折感、いま一歩の残念感、恥ずかしさ、少しカゲのある栄光感」といった機微に富んではるかに「滋味深い」、そして、自分が長らく阪神ファンなのもこうした理由による……のだそうです。
今回はそんな「滋味深い」、チャート2位だった曲あるいはアルバムから、名曲・名盤を選んでみました。

福岡智彦 (いい音研究所)

セットリスト

  • Foreigner「Waiting for a Girl Like You(ガール・ライク・ユー)」
    アルバムは10週連続1位なのに、シングルは10週連続2位!という珍記録。
  • Creedence Clearwater Revival 「Who'll Stop the Rain」
    全米1位シングルが1作もないのに、2位は5作あるという珍記録の持ち主。
  • The Stylistics「You Make Me Feel Brand New(誓い)」
    フィラデルフィアからディスコ・シーンを席巻した彼らも米最高位は2位でした。
  • The Ronettes「Be My Baby」
    後世に大きな影響を与えた”Wall of Sound”の代表曲も最高2位。
  • ベッツィ&クリス「白い色は恋人の色(Colors of Love)」
    皆川おさむ「黒ネコのタンゴ」に阻まれて2位でした。
▶チャートの算出方法
米国:
Billboard(1940年7月27日号よりチャート掲載)。
以前は「Cash Box」(1942→1996)、「Record World」(1964→1982)、「Radio and Records」(エアプレイ回数のみ 1973→2009)を含めて4大ランキングだった。
1958年8月4日以後、シングルの販売とラジオ局でのリクエストなどを元に”Billboard Hot 100”というシングル・チャートを掲載。
”Hot 100”の集計方法は何回か変更されている。
→1991年末:エアプレイ=75%/セールス=25%
1992年→1998年11月:エアプレイ=60%/セールス=40%
1998年12月→2005年1月:エアプレイ=75%/セールス=25%
2002年2月→:ダウンロードセールスを新たにカウント。DS1000件とエアプレイオーディエンス100万人を同ポイントとして集計
2012年→:ストリーミング再生数を追加
2013年3月→:YouTubeのストリーミング回数も集計に追加

アルバムチャートは”Billboard 200”
CD(レコード)とダウンロード売上の合算
2014年12月→:ストリーミング再生回数とアルバム収録曲単体のデジタル・セールスを追加。ストリーミング再生1,500曲分を、アルバム1枚としてカウント。収録曲のデジタル・セールス10回分を、アルバム1枚としてカウント

英国:
1952年11月14日版の「New Musical Express (NME)」 が初めて発表。公式なチャートは、1952年から1960年までNME、1960年から1969年までは「Record Retailer(現在のMusic Week)」、それ以降は「Official Chart Company (OCC)」が運営する。

英国のレコード店約6,500店の販売データと、オンラインのデジタル販売のデータより集計される。ダウンロードは2004年から、ストリーミングは2014年から追加された。エアプレイ件数はUKシングルチャートには使用されない。
チャートの集計期間は日曜日から土曜日の間であるため、英国のシングルのほとんどは月曜日にリリースされる。

日本:
1968年1月4日から「オリコンチャート」がスタート。
以前は「ミュージック・リサーチ」、「ミュージック・ラボ」もあった。
毎週月→日の、あらかじめ決められた販売店におけるCDの売上枚数を集計。
2018年12月24日→ CD売上枚数、ダウンロード数、ストリーミング再生数をポイント化して合算、「合算シングルチャート」と「合算アルバムチャート」を開設。


  • ちあきなおみ「喝采」
    レコード大賞受賞曲なのに、「女のみち」に阻まれて2位。
  • 太田裕美「木綿のハンカチーフ」
    ミリオン超えだけど、「およげ!たいやきくん」に阻まれ、最高2位。
  • サザンオールスターズ「いとしのエリー」
    その実力が本物であることを認めさせた曲は新人ゆえの2位。
  • 山下久美子「赤道小町ドキッ」
    私・福岡が音楽ディレクターでした。そして私にとってもこの2位が最高位。
  • 大滝詠一「雨のウェンズデイ」
    週間最高2位でしたが、年間でも2位。ロングセラーの証です。
  • エレファントカシマシ「今宵の月のように」
    邦楽では1位だったのですが、全体ではマライア・キャリーが上回りました。
  • Led Zeppelin「Misty Mountain Hop」
    全米2位だったのに、米国史上6番目の売上とはこれ如何に?
  • 10cc「I'm not in Love」
    録音芸術の奇跡。米国民をも唸らせたが、惜しくも首位には届かず。
  • Boz Scaggs「What Can I Say」
    アルバム『Silk Degrees』は半年かけて2位に到達し、その位置に5週間。名作の売れ方です。
  • Carpenters「Rainy Days and Mondays(雨の日と月曜日は)」
    シングルもアルバムもグラミー賞も、キャロル・キングの後塵を拝しました。
  • Ed Sheeran「Thinking Out Loud」
    なんと世界史上10番目に売れた曲なのですが、全米2位という珍記録。
  • Queen「Killer Queen」
    発展途上の溌剌さがつまった、伸び代のある全英2位。アルバムも。

次回の爆音アワーは・・・

                        
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