【ライブレポート】K、「みんなと一緒に音楽で騒いでこれからも生きていけたら」
Kが自身の誕生日当日である5月26日に、新宿MARZで<URGE OF K BIRTHDAY>と題したワンマン公演を行った。
◆ライブ画像(12枚)
この日のサポートメンバーは、タイゾ(G/ex.Kra)、祐弥(G/DuelJewel,ユウヤヤバセ)、seiya(B/ギガマウス,GTB)、匠(Dr/ex.Unsraw)という気心知れた仲間たち。
ラウドなSEに導かれメンバーらがステージへ。最後に登場したKはスタンドマイクをガッと握りしめ、舞台上からあふれだした轟音を全身で感じながら歌い始めた。ライブの冒頭を飾ったのは「fame」だ。重く激しく低音を唸らせる演奏の上、まるで先導者のような出で立ちと歌声で、彼はフロアの人たちの理性のスイッチをこともなく破壊。拳を振り上げ、絶叫を上げる観客たち。マイクを両手で握り、沸きだす感情をぶつけるK。
お立ち台に右足を乗せKは前のめりの姿勢で煽り、「Raging pain」でさらに熱を加えだす。時に頭を振り乱し、歌をぶつけるK。途中、マイクスタンドを頭上高く突き上げれば、間奏ではフロアにヘドバンの嵐を巻き起こす風景も。「今日という日を最後まで楽しんでください」の言葉に続き、Kが突きつけたのがシンガロングなスタイルも魅力なパンキッシュナンバーの「Screaming for~」。なんて攻撃的な演奏だ。会場には、序盤から互いの感情をぶつけあう光景が生まれていた。
seiyaのベースが激しく唸りを上げると同時に、演奏は「Higher」へ。フロアには無数のモッシュピットも誕生。Kもお立ち台の上に立ち、観客たちを「もっともっと狂っちまえ」と言わんばかりの勢いで先導。凄まじい熱気だ。演奏陣も、互いに音をぶつけあい激しいグルーヴを生み出すことへ興奮を覚えながら、今宵のライブを存分に楽しんでいた。
ギターを手にしたKは、「HARMFUL」に乗せドライブした音を突きつけた。トリプルギターという編成も刺激的だが、K自身は熱したグルーヴの上で歌を弾ませることへ心地好さを覚えていた。激しい中へ胸をつかむキャッチーな歌を挿入することで、ライブの中へ緩急を描き出す。
チューニングを終えたメンバーたちがおもむろにセッション演奏を始めた。透明感と伸びのある旋律を幾つも重ねながら、その場へ静かな衝動というべき景色を作りあげてゆく。その音色を受け、Kが届けたのが「Lily」だ。廻るミラーボールの光を身に受けながら、彼は溜め込んだ感情を吐き出すように歌いだす。サビを通して優しく解き放った歌声が、触れた人たちの心を温かく包みこむ。愛おしさとを覚える楽曲だ。
ギターを置いたKはミディアムメロウな「色彩」を歌いかけ、続いて晴れ渡る景色を描くようにKは「STORY」を届けてきた。爽やかさを抱きつつも、Kは演奏が増すごとに激しさと熱を曲に加えていく。何時しかKはギターを手にし、沸きだす想いをこの空間へ解き放っていた。身体は熱を覚えながらも、心は、彼の歌へ導かれるまま心地好く大空を駆けめぐる。“解き放つようにSTORY”、この歌は触れた人たちの気持ちを無邪気に開放してゆく素敵なマジックナンバーだ。
サポートメンバーたちによる熱いセッション演奏を挟み、ライブは後半戦へ。マイクを手にしたKは、轟音ロックナンバーを背に、「雀羅」を歌唱。サビでは荒ぶる感情を雄々しい歌声に乗せぶち噛ましてゆく。Kと観客たちによる熱い声のぶつけあい。狂ったように頭を振り乱す観客たち。その熱をさらに掻き混ぜるように、Kは「deeply」を突きつけた。荒ぶる演奏に煽られ、大きく身体を折り畳む観客たち。サビではKの声を先導に、右へ左へと大きくモッシュも生まれる。
「まだまだイケるよな、今日はいい日だからさ」というKの言葉に続いて飛び出したのが、重く激しく疾走するブラストナンバーの「The beautiful hate」だ。その凄まじい音の衝撃に負けまいと、全力で立ち向かう観客たち。その様を観て、お立ち台の上から「もっと騒ぎ狂えよ」と言わんばかりに挑発し続けるK。ヘッドバンキングの嵐が吹き荒れる様を観ては、ニヒルな笑みを浮かべながら、「もっともっと」とKは煽り続ける。彼の中に潜むサディスティックな感情も露呈しながら、Kは朗々と歌いあげていった。
ライブも終盤戦だ。「PP」に合わせ観客たちが右へ左へと駆けだし、激しく頭を振り乱し、身体を折り畳む。そんな観客たちをKはお立ち台の上で煽り続けていく。時折舌も突き出し挑発する場面も。加えて祐弥やタイゾ、seiyaも前へ出てきて、観客たちを挑発。終わりを知らぬように、延々と逆ダイブが重ねられていく光景が生み出されていた。最後にKは「Mirror」をプレゼント。ふたたびギターを手にしたKは、高揚した歌声で、沸きだす想いをしっかり届けてきた。演奏を終え、最後にギターへ接吻したKの姿も美しかった。
アンコールは本編で生まれた熱の続きを描くように、ロックンロールナンバー「4/4Party」からスタート。ザクザクとした音の上で、挑発するように歌うK。フロアでは身体を嬉しく揺さぶる演奏に合わせ、観客たちがタオルを振りながら大騒ぎ。「深愛」では激しく、でも解放感を持って疾走する演奏。Kも込み上げる気持ちのまま感情的に歌声をぶつけていた。
ギターを手にしたKは最後に「MY WORLD」を披露。心地よく走る演奏が、気持ちを弾ませてくれる。途中、マイクがスタンドから外れ、seiyaが直すというハプニングも登場。そんなトラブルさえ笑顔で飲み込んだほど、全員が楽しんでいた。メンバー、ファンはもとより、何よりK自身もこのパーティを心底楽しんでいた。音楽とは、理屈も理性も常識もすべて吹き飛ばし、その人の心を開放してゆく魔法。その楽しさをダイレクトに感じあえるライブという空間の中、みんなで心を一つに笑顔で「楽しい」感情を共有できるというのは最高のことだ。
止まない熱狂の声を受け、再びKがステージへ。ギターを手にしたKは、「Rebirth」をプレゼント。Kのギターが激しい音を掻き鳴らす…と思った瞬間に音が落ちるというハプニングが。そこへ登場したのが、バースデーケーキを手にしたDEZARTのSORA。みんなでKの誕生日を祝いながら、ふたたび演奏は「Rebirth」へ。Kとタイゾのギターが交互にリフを刻むと同時に、楽曲は激しい唸りを持って疾走。
Kのソロアーティストとしての始まりを告げた「Rebirth」を、Kの誕生日の最後に持ってくる演出が心憎い。間奏では、Kのギターソロも炸裂。本当なら、ここでライブは終了の予定だったが、気持ちが完全にバーニングしたKはふたたび「deeply」を演奏。お立ち台に上がり、観客たちを煽る。「Higher」を通し、またもフロア中にモッシュピットが誕生。誰もが熱狂したこの光景こそ、Kには一番嬉しい誕生日プレゼントだっただろう。
去り際、Kは「こうやって助けてくれる仲間を大切にしながら、みんなと一緒に音楽で騒いでこれからも生きていけたらなと思ってます」と語っていた。この続きは、Kの始まりの日となった8月19日の青山RizM公演、<EVER DEEPLY >で。
写真◎NORI
文◎長澤智典
編集◎BARKS
セットリスト
2.Raging pain
3.Screaming for~
4.Higher
5.HARMFUL
6.Lily
7.色彩
8.STORY
9.雀羅
10.deeply
11.The beautiful hate
12.PP
13.Mirror
-ENCORE.1-
14.4/4Party
15.深愛
16.MY WORLD
-ENCORE 2-
17.Rebirth
18.deeply
19.Higher
<PS COMPANY PRESENTS K 3rd Anniversary ONEMAN LIVE 『 EVER DEEPLY 』>
公演日:2019年8月19日(月)
会場:青山RizM
時間 開場17:30 / 開演 18:00
料金:スタンディング 前売 ¥4,200(税込・1Drink代別)
問い合わせ:会場:03-6804-5925
PS mobile受付
受付期間:5月27日(月)14:00~06月10日(月)18:00
受付URL:http://m.pscompany.co.jp/r/k_everdeeply_ticket/
一般発売:e+
発売日:2019年06月29日(土)10:00~
URL:https://eplus.jp/sf/detail/2970640001-P0030001
<K × ユウヤヤバセ PRESENTS 『Rock Acostic Show』 >
会場:西永福JAM
開場18:00 / 開演 18:30
CAST
Vo,ba. K
Vo,gt.祐弥(ユウヤヤバセ)
サポートメンバー
Gt. タイゾ(ex Kra)/ Dr.SOY(BreathingBooost)
スタンディング 前売 ¥4,000(税込・1Drink代別)
一般発売
4月27日(土)10:00~
https://eplus.jp/sf/detail/2926970001-P0030001
◆K オフィシャルサイト
この記事の関連情報
【ライブレポート】<千歌繚乱 1st LIVE TOUR ~錦秋の候~>東京公演、、音楽に真摯に向き合う7バンド
【photo-gallery 第三弾】<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>大阪公演
【photo-gallery 第二弾】<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>名古屋公演
10月22日、BARKS主催V系ライブイベント<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>東京公演開催
【photo-gallery 第一弾】<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>名古屋公演
【インタビュー】defspiral、10周年はこれまでやってきたことの1つの完成形に
【インタビュー】AXESSORYのリアルとファンタジー
BARKS主催ツアー<千歌繚乱 〜錦秋の候〜>、明日より名阪公演スタート
【インタビュー】極東ロマンスに疑問をぶつけてみた