【インタビュー】Skip the Chips、新ジャンル“コミカル・ポップ”を掲げ満を持してリリースする初デジタルEP『Picnic』
■東京だったら武道館でライブやりたいです
■福岡だったらマリンメッセでやりたい
――STCの曲のテーマは、ラブソングと応援歌の二本立てというか、そんな感じがするけれど。
YuSuKe:今そういう風に言っていただいて思ったんですけど、どっちかというと非現実というよりは、現実のことですね。みんなの朝起きて寝るまでの生活の中の一部として入れれば、というのがあるので。強烈に直接刺す応援歌というのも、それはそれでいいと思うんですけど、自分たちとしてはそれじゃないなと思っています。イメージとしては、キャッチボールをする時に上から投げるんじゃなくて、下から投げるというか、置きに行くというか…何て言ったらいいのかな、自由に受け取ってほしいんですよ。もしかしたら、メッセージ性が薄いと感じる人もいるかもしれないですけど、自由に受け取れる曲であるといいなと思っていて。
――なるほど。
YuSuKe:メッセージと言っても、そもそも、みんながもう頑張っていると思うので。それって人によって違うじゃないですか。周りには頑張っていないように見えても、その人なりに毎日頑張っていると思うんで、“頑張れ”って言いたくないなというのは全楽曲に対して気を付けているというか、そういう言葉は入ってないと思うんですね。
――うんうん。
YuSuKe:そこで『Picnic』というフレーズがいいなと思ったのは、僕らの“Soul Picnic”というイベントがあって、SEIKIが考えた名前なんですけど、それがすごくいいなと思っていて。その時自分が浮かんだメロディとそのフレーズがリンクして、二人に提案したら“いいね”をもらったので。人生を楽しむための考え方というか、楽しもうとする上で何かヒントになるものがこのミニ・アルバムの中に散らばっていればいいなと思って、それを1曲目から6曲目まで、僕らなりのドラマを考えて『Picnic』というタイトルにしました。僕たちとしても初めてのEPですし、ここがスタート。ピクニックに行く時って幼少期だから、それも掛けて、始まりのイメージで。だから1日の始まりにすごく向いていると思うし、昼と夜なら明らかに昼だと思うし、無意識なんですけどどれも夏っぽさがあるんですよ。そんなに狙ってなかったんですけど、“夏っぽくて、これからの時期にいいね”ってよく言われます。
SEIKI:確かに。
――爽やかだから。エレピとか、ギターのカッティングとか。
SEIKI:特にギターですね。
YuSuKe:6曲中5曲、同じレーベルの、Blue VintageのTaigaくんに弾いてもらっています。彼のギターのグルーブが僕らにすごくツボで、それがよりそうさせているのかもしれない。
SEIKI:トラックで言う主のメロディがギターなんで。どの曲も。歌のメロディとは別に。
――音がソウルっぽいというか、グルーヴィーで、しなやか。懐かしい感じの音色というか。
SEIKI:そうかもしれない。新しいシンセのサウンドじゃなくて。
YuSuKe:たとえばフューチャー・ベースというジャンルの中でも、僕らからすると新しすぎるかな?って感じる楽曲が、EDMが流行って以降、その印象が強くなってるなと思っていて。それも好きなんですけど、さっきの料理の話じゃないですけど、それが強すぎると最初の印象は面白くても、何回も聴きたい曲にはならない気がしていて。聴き心地は凄く大切にしています。
――リアルなフレーズだなあ(笑)。
SEIKI:日常の音とか、「Holiday」で言うと“カシャッ”ていう音や海の音、「Shy Girl」だと“パチン”っていうスナップの音など、自然音みたいなものを曲中に取り入れることは、意識的にしていますね。
――確かに。クラブのミラーボールじゃなくて、太陽の下みたいな。
YuSuKe:そうなんですよね。かといって、シティポップにしたいわけではなかったので。あの時代の曲もすごく好きなんですけど、“ありそうでないもの”という、自分たちなりのオリジナリティをどうしたら出せるか?ということを考えて、新しくも古くも感じられる曲がいいんじゃないか?って。
SEIKI:そして、セツナハッピー、みたいな。曲だけ聴くとすごいせつない感じに聴こえたり。
YuSuKe:コード進行がね。
SEIKI:「不完全Vibes」も、コードはめちゃめちゃせつない感じに聴こえるんですけど、メロディと歌詞が乗ることで全然違うように聴こえる。
――歌詞は、確かに、一個一個ストーリーがある。二本立てとか、適当なこと言っちゃった。もっといろいろありますね。
YuSuKe:ありがとうございます。コミカル・ポップとか言って、ライブではわちゃわちゃするのに、曲はふざけてるのと真面目なのがどちらもあるんですよ。
――4曲目「ハクナマタタ」とか、友情ソングでしょう。
YuSuKe:そうです。それは仲間に向けた曲です。
――これって絶対何かある気がする。背景にリアルな出来事が。
YuSuKe:超嬉しいです。これはあまり言ってはいないんですけど、元々のユニットが解散すると決まったあとに、僕とSEIKIが初めて作った曲なんですよ。だから、元々の相方に向けて作った曲なんです。それを、声を大にして言うことはないかなと思うので言ってなかったんですけど、今そういうふうに気づいてくれたので。このブリッジのDメロの、“きっと誰もが分かってる、人は一人では生きてけないこと”のところとか、まさにそうですね。それが不思議なことに、Skip the Chipsの初めてのEPの先行配信で、5月1日に令和の始まりと同時にこの曲が選ばれてリリースされるという。
SEIKI:知っている人からしたら、粋やな、みたいな。
YuSuKe:僕たちが個人的にそうしたいというよりは、自然な流れでそうなったので、すごく良かったと思います。この間、福岡で“Soul Picnic”を開催した時に元相方も観に来てくれて、ギャン泣きしてくれて。
Fumiya:号泣してたね。
――でも、その背景を知らなくても、卒業シーズンとかにすごくハマる曲だと思う。
Fumiya:いいかもしれない。バラードじゃなくて、ハッピー感がある卒業ソング。僕、「Days」も好きなんですよ。みんなこの曲を聴くと、“ハッピーセット”という言葉が印象に残るみたいで、「Days」という曲名よりも“あのハッピーセットっていう曲”って言う(笑)。
YuSuKe:めったにマクドナルドは行かないんですけど、たまたま3人でマックに入って入り口の外のテーブルに座っていたら、子供連れの親子が来て、“ママ、ハッピーセット食べたい”“うん、ハッピーセット買おうね”って言って入って行ったんですよ。それを聞いて勝手に、すごくいいフレーズだなあって思ったんですよね。みんなが聴きなじみのあるものを歌詞に入れたいという狙いはあって、それは僕が発信するというよりも、そのワードが持つ印象ってあるじゃないですか。それを実際目の当たりにして、本当にハッピーだなと思ったので。
――わかる。でもこれ、別れの歌なんだよね。
YuSuKe:設定としては、そうですね。でも、ただただ悲しいわけではなくて、そこに前向きなものがあって、一緒に共有したものは後悔とかじゃなくて、本当に良かったねというものを表現したかったので。
――みなさん1曲ごとのストーリーを楽しんでください。これがSkip the Chipsの第一歩。
Fumiya:やっとですね。友達に“どんな曲やってんの?”って聞かれて、前までは聴かせることができなかったんですけど、“こんな感じ”ってドヤ顔で聴かせることができるので。ここからどんどん広まって行ってほしいです。
――最後に、でかい夢を一つ、語っときましょうよ。
Fumiya:クールなSEIKIが語ります。
SEIKI:今は東京と福岡の2拠点でライブをやっているんですけど。東京だったら武道館でやりたいです。福岡だったらマリンメッセ。絶対やりたいです。
Fumiya:僕らには夏のイメージがあると思うので、夏フェスに出たいです。フェス、総なめしたいです。
YuSuKe:フェスに強いアーティストでありたいというのは、全員が思ってることなので。曲を作る段階でお客さんが参加できる部分を必ず入れるようにしてるので、“あいつらフェスに強いね”って言われたいです。連絡ください。すぐ出ます。
Fumiya:あいてます!
取材・文●宮本英夫
リリース情報
[収録曲]
1. Picnic
2. Shy Girl
3. 不完全Vibes
4. ハクナマタタ
5. Days
6. Holiday
ライブ・イベント情報
日時/2019年8月24日(土曜日)
会場/TSUTAYA O-WEST/duo MUSIC EXCHANGE
TSUTAYA O-nest/TSUTAYA O-Crest /7th floor
●出演/Absoulute area/OverTone/GOOD BYE APRIL
Skip the Chips/TaNaBaTa/とけた電球/ハシグチカナデリヤ
HAND DRIP/ましのみ/村屋光二(ex.redballoon)
メロウ・イエロー・バナナムーン/Mellow Youth
弓木トイ/Real/Ryu Matsuyama Duo and more!
●イベントHP/https://www.diskgarage.com/feature/munetaka/special/artist.html
●イベントTwitter/https://twitter.com/munetaka_dg
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