【ライブレポート】私立恵比寿中学×打首獄門同好会、「打首獄門中学として来ました！」

結成10周年イヤーを迎えた私立恵比寿中学(通称：エビ中)が5月20日、Zepp DiverCity TOKYOにて＜私立恵比寿中学合同合唱コンクール＞の初日公演を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆私立恵比寿中学×打首獄門同好会 画像

＜合同合唱コンクール＞は、5月20日に打首獄門同好会を迎えて＜私立恵比寿中学と打首獄門中学合同合唱コンクール＞、5月22日にでんぱ組.incを迎えて＜私立恵比寿中学とでんぱ組中学合同合唱コンクール＞、5月23日にフレンズを迎えて＜私立恵比寿中学とフレンズ中学合同合唱コンクール＞と、Zepp DiverCity TOKYO 3公演にわたって開催される10周年新企画だ。その初日がスリーピースバンド打首獄門同好会と行われるもの。打首獄門同好会の5弦ベース担当であるjunkoはエビ中年齢(※中学生を基本とした学年)でいうところの中学49年生(60歳)として、史上最年長の共演者でもある。



先行は打首獄門同好会から。会長こと大澤敦史(G / Vo)が「＜合同合唱コンクール＞ よろしく！」とシャウトすると、「こどものねごと」「きのこたけのこ戦争」を立て続けに披露。日本の魚を称える「島国DNA」ではマグロのエア人形が客席に投入され、フロアが一気にヒートアップした。

「今日は打首獄門同好会という名前を捨て、打首獄門中学として来ました！ 名前はイカツいですが、VJが出す映像はかわいいのでお楽しみください」というMCに続いて、「Shake it up'n'go -ジャキッと!コーンのうた-」「はたらきたくない」「布団の中から出たくない」をパフォーマンスしていく。



打首メンバーが謎の被り物を装着すると、「アイドルにはメンバーカラーがあるが、我々はこの曲の時だけピンク色になれる」と告げ、エビ中ファンもこれに瞬時に同調してピンク色(エビ中・星名美怜のカラー)のペンライトが会場一面を染め上げた。そして栃木県の名商品“岩下の新生姜”(＝ピンク色)ソング「New Gingeration」を盛大に祭り上げる。

さらに、「ペンライトを持ってない人に、ペンライトを支給しようじゃないか」と“うまい棒”を会場のオーディエンスに配布。MCで大澤と河本あす香(Dr)が中学28年生、junkoが49年生であることが知らされると、ファンは“junkoさんコール”を連発した。そして、うまい棒が会場全体に行き渡り、「デリシャスティック」へ。「歯痛くて」「おどるポンポコリン」でクライマックスを迎え、ラストは「今年も田植えの時期を迎える日本の豊作を願って」と「日本の米は世界一」で打首獄門同好会のステージを締めくくった。



続いて、エビ中こと私立恵比寿中学のステージへ。出囃子「ebiture」で勢いよくメンバーが登場すると、学生の日常を歌うファンクチューン「制服”報連相”ファンク」、春の花粉症についてひたすら歌う「ザ・ティッシュ〜とまらない青春〜」、パクチーへの愛をひたすら歌うダンスチューン「パクチー」を連発。冒頭からレアな初期曲を織り交ぜ、ファミリー(※エビ中ファン)を盛り上げる。

「今日は打首さんのテイストにも通じるようなエビ中の楽曲をセレクトしてきました。お楽しみください」(真山りか)とのMCのとおり、日常をテーマにしたキャッチーな曲をメンバー自身が選曲したセットリストで、自称“グダグダ”なMCも少なめに攻めていく。



続いて披露されたのは、“令和”の元となった“万葉集”の一節にちなんだ楽曲「梅」だ。そのイントロが鳴った瞬間から歓声がMAXに。楽曲の途中でエビ中におじさんが紛れ込む「元気しかない！」では全く予備知識の無い打首ファンが突然の展開に笑顔となった。エビ中の出席番号をモチーフにした「ゼッテーアナーキー」、中学生と宇宙をモチーフにした「未確認中学生X」と、Zepp DiverCity TOKYOを中学生の世界観に染め上げていく。

「ラスト！ノンストップでいくぞ！」という中山莉子の煽りから「ちちんぷい」を皮切りに終盤戦がスタート。最新アルバム『MUSiC』収録曲で最もアッパーな「Family Complex」では、「打首さんのステージで頭振ってる若い兄ちゃんがいて、気になっていて思わずスカウトしてしまった」と星名が打首のVJ兼マネジャーであるVJ風乃海に本番中に交渉し、エビ中のステージに上げてしまった。そして本編ラストは「放課後ゲタ箱ロッケンロール」で最高潮へ。“MXジャンプ”で会場を一体にして、エビ中ならではの中学生セットリストでストイックに攻め上げた。




エビ中のパフォーマンスが終了すると、改めて打首獄門同好会がステージに呼び込まれた。会長から「業務連絡、打首メンバー、もう少し喋ってください」とお互いに人見知りを発揮するほっこりした展開になるが、ここでエビ中と打首の新事実が明かされる。実は、打首の楽曲「私を二郎に連れてって」はエビ中に提供される予定だったことが、エビ中メンバーの口から告げられた。2010年当時、インディーズ時代のエビ中に送られるはずだった「私を二郎に連れてって」は“ひとつのジャンルの中の特別な食べ物”とも言えるラーメン店への愛を歌ったもの。当時のエビ中スタッフにとって「さすがにハードルが高かった」と見送られた楽曲だったが、この夜、同曲のコラボレーションが遂に実現。会長がギターに徹し、中山莉子(出席番号12番)がスクリームを担当すると、会場はクライマックスさながらヒートアップ。約10年越しに“有り得たかもしれないエビ中ver.”が一夜限りでお披露目された。

お返しとばかりに、さらにもう1曲、エビ中のテーマソングとも言える「永遠に中学生」のコラボが披露された。打首獄門同好会によって高速アレンジにアップデートされ、エビ中メンバーもアグレッシヴにパフォーマンス。ステージ上のメンバー、そして会場全員が中学生となって＜私立恵比寿中学と打首獄門中学合同合唱コンクール＞が大団円を迎えた。



前述したとおり、エビ中は5月22日にでんぱ組inc.、23日にフレンズを迎えて同2マンシリーズを開催するほか、6月5日にはニューシングル「トレンディガール」をリリースする。そして6月22日には、10年の活動の中で楽曲コラボを果たしてきたアーティストが一堂に会する＜MUSiCフェス＞を神奈川･横浜赤レンガパーク特設会場にて初開催する予定だ。