【インタビュー】ソロデビュー5周年の寺嶋由芙、“いい女”の定義と令和元年の誓いを明かす

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■ アイドルは、表で見せるものがすべて

── 由芙さんはいつも笑顔でキラキラと輝いていて、その言葉からも応援してくださる方への想いがひしひし伝わってきます。何故、そういられるのでしょうか?

寺嶋:私自身が好きだったアイドルがそうだったから、ですかね。

── モーニング娘。の安倍なつみさんなどですね。

寺嶋:そうです! 安倍さんは私が一番好きで憧れたアイドルで。ただ、当時の私は小学3年生くらいだったので、『ASAYAN』の審査合宿やセンター争奪の大変さは理解できず、「なっちがかわいい!」としか思っていなくて。その原体験があるから、アイドルはいつもニコニコして歌や踊りで楽しませるもの、表で見せるものがすべてだと思っているんです。裏側的なことには興味がないし。それが今のアイドルシーンの需要と合っているかどうかは、わからないですけど(苦笑)。

── 確かに、プライベートもどんどん明かしていくという流れではあるかもしれません。

寺嶋:リアリティのあるものを求めていたり。もし自分が中高生のころにアイドルになっていたら、そういう流れに飲み込まれてしまっていたかもしれないし、もちろん、そういうあり方も全然ありだと思うんですね。でも、グループではなくソロで活動している私は、自分を切り売りするにしても限界がありますし(笑)。だからそこには頼らず、曲を面白くしてもらったり、ステージを頑張っていったりするべきなんじゃないかなって。

── あくまで表現で勝負していくと。今回のニューシングル「いい女をよろしく」にしても、まさに“面白い”曲です。

寺嶋:ありがとうございます! 5周年で10作目のシングルということで、スタッフさんから「原点回帰をしよう」という提案がありまして。ハロー!プロジェクト楽曲の作詞を多く手がける児玉雨子さんに歌詞をお願いしたりだとか、いつもお世話になっている竹中夏海さんに90年代っぽい振付をしていただいたりだとか、私が好きな憧れのアイドルである当時のモーニング娘。さん、ハロー!プロジェクトの要素をたくさん詰め込みました。

── だからですね、「LOVEマシーン」(1999年リリースのモーニング娘。初のミリオン達成曲)のようなインパクトがあるし、圧倒的なパワーを感じます。

寺嶋:そう感じていただけたなら嬉しいです!

▲シングル「いい女をよろしく」初回限定盤

── 一度聴いたら誰だって覚えられますしね。

寺嶋:変なかけ声が入っていたり(笑)。

── どこか懐かしくもあり、当時を知らない人にとっては新しいものとして響くはずです。ファンキーでサンバっぽい雰囲気は中毒性も高いですよね。

寺嶋:という曲を歌ってダンスするにあたっては、“やりきること”が大事だったんですけど、パフォーマンスしているときにいろいろなことを考えてしまう私にとって、最初のころはそれがなかなかどうして難しくて…。

── 由芙さんはロジカルシンキングな方だなと思いますから、がむしゃらに振り切るというのは対極にある行為だし、自らの中のなにかを壊して解き放たないといけませんよね。

寺嶋:そうなんです。裏設定を考えながら歌うことが多かったこれまでと違い、「いい女をよろしく」は真逆とも言えるファンキーソング(笑)。それが5年目に与えられた試練なのかな、と思って今も挑んでいるところです。

── 胸元で手をパカっとする振付けにしても……。

寺嶋:恥ずかしそうにやってしまうと見ているほうが恥ずかしくなってしまうので、思いきりやらないといけない。

── ミュージックビデオを観ても、とてもカッコカワイイです。


寺嶋:よかったです! 嬉しい。MVは、“いい女”が仕事を終えて家に帰ってきて、オフの時間を過ごして、翌朝にはまた“いい女”として出勤していくまでを描いていて。打ち合わせから参加させていただいたんですけど、ずっとやりたかったバスタオルを巻いて踊るシーンも入れられました。

── あのバスタオルで踊るシーン、タオルがとれてしまわないかドキドキしていたら、あ、とれた!という驚きが(笑)。

寺嶋:松浦亜弥さんの「♡桃色片想い♡」のMVが大好きで、オマージュしようと。最後にバスタオルがとれるところまで絶対にやりたかったんです。

── ほかにも、鍋から直接ラーメンをすすったり、“寝ていても口に寿司よ入ってこーい”というフレーズがまさか実現してしまったり(笑)。

寺嶋:いい女もオフは干物女だったりするんだぞ、っていうことでいろんなずぼらシーンを盛り込んでみました(笑)。足でティッシュをつかむのは大変で、これができたら逆にすごいぞ、って思ったりしつつ。

── でも、見事につかんでいましたね。

寺嶋:あれはもう、めちゃめちゃ練習しました(笑)。あと、今回はぬいぐるみの猫ちゃんだけじゃなく、ものすごく芸達者な実際の猫ちゃんがいてくれて。

── 由芙さんの顔の上に乗ったりして、ほっこりします。

寺嶋:そうなんですよ、現場もすごく和んで。そしてあのにゃんこ、カメラテストのときは全然私の横にいてくれないしカメラも見てくれないのに、本番になった途端、ちゃんとやるんですよ。

── 女優猫!(笑)

寺嶋:本当に。あの猫ちゃんから、プロのあり方を学びました(笑)。

── という楽しいMVですが、歌詞には働く現代女性のリアルがあって。背中を押してもらえたりもします。

寺嶋:まさに、女の子への応援歌にしたい、という想いがあって。私自身、ハロプロの女の子視点の曲が好きで、「いい女をよろしく」を聴いた女の子たちが少しでも元気になったらいいな、と思います。

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