【インタビュー】カヨ、名古屋から飛来した未確認生命体バンドが放つ最新シングル「紫陽花」

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■自分のこともお客さんのことも
■背中を押せたらいいなという気持ちを込めて作った曲です


――「紫陽花」は、メロディを大切にした曲を作りたかったと。

ワカ:そうです。メロディを大切にした、相手に届くような曲を作りたいという気持ちがありました。だから一番時間をかけています。アレンジもそうですけど、丁寧にやったので、いつもとちょっと違いますね。「アイドル番長」は初期衝動というか、テンション感を保って作っていったんですけど、「紫陽花」は落ち着いて考えていったところはあります。

――この曲、アコースティック・ギターがすごく効いてる。

イケヅ:僕が弾いています(笑)。そこ、すごい触れてほしくて。初めてアコギ弾いたんで。これ、母のアコギなんですけど。

――なんと。

イケヅ:最初はロック調のエモい曲にする予定だったんですけど、作って行く中で、「アコギ入れたらいいよね」という話が出て。僕はちゃんとしたアコギを持っていなくて、母のアコギを「ちょっと貸して」って持っていきました。これはどこにも言ってない話なんですけど、レコーディングが終わった段階で曲名が決まっていなくて、ボーカルを録った後に「紫陽花」という曲名になったんですよ。紫陽花は梅雨時じゃないですか。母の誕生日が6月なんですよ。すごくないですか?


――すごいねえ。

イケヅ:そんなに引っかかりませんか(笑)。


▲モリシタ ナオキ

――いいじゃないですか。母に捧げる歌。

イケヅ:母に捧げるような歌詞ではないですけど(笑)。いろんな偶然が左右して「紫陽花」になっている。彼(モリシタ)が弾いているイントロのフレーズとかも…それは彼が言ったほうがいいや。

モリシタ:何?

イケヅ:雨っぽいって言ってた。

モリシタ:ああ、なんか、歌が入っていない状態で聴いたら、イントロのフレーズが雨音みたいに聴こえて。なんとなく。それでタイトルが「紫陽花」になって、ハマったなと。

ヒロミ:私は曲を聴くにあたって、どんなアーティストさんでも、歌詞が響くことがあんまりなくて、メロディ・ライン重視で聴いているんですけど。「紫陽花」が出来上がって、お風呂場で聴いてた時に、泣くぐらい良くて。その時めちゃめちゃ落ち込んでいて、自分たちの作った曲に励まされたみたいな。音楽をやっていて良かったって、あらためて思いました。

――いい話。

イケヅ:サアヤ、まだ来ないね。

――このまま来ないのも有りかなって一瞬思ってる(笑)。

イケヅ:本当に未確認生命体になる(笑)。あ、来た。噂をすれば。

サアヤ:すいません遅れました。カヨのボーカル・サアヤです。よろしくお願いします。


▲サアヤ

――はじめまして。でもどんな人格か、すでに知ってるような気がします(笑)。

サヤア:えっ。何の話してたの?

イケヅ:いやいや。

――あとで記事を読んでもらえれば。でもいいメンバーですね。みんなあなたのことをよくわかって支えている。どんな意識があります? このバンドのボーカルとして。

サアヤ:えっと、みんなもそうですけど、私も自分のことはすごくわかっているから、一人じゃ何もできないのかなみたいな、最初はそういう気持ちでいたんです。だから仲間を集めようという気持ちがあって、それでバンドを組みました。結局、こうやってメンバーが集まって、みんなに支えられてボーカルがあるなって思っています。最初は下向きなところから入ったかもしれないんですけど、今はみんながいて、私がいて、良かったなと思ってます。

――いい話。今「紫陽花」の話をしてたんですけどね。サアヤさんにとって「紫陽花」はどんな曲ですか。

サアヤ:「紫陽花」は、別の新しいことに挑戦しようという気持ちから作りました。歌詞的には私自身の気持ちを書いていて、「私は今までこういうふうに音楽活動をしてきて、今ここにいるよ」みたいな、自分の背中を押すつもりで書いた詞なんですけど、でも聴き手側からは、自分たちの背中を押してくれるみたいにしようと思って、自分のこともお客さんのことも、背中を押せたらいいなという気持ちを込めて作った曲です。紫陽花は花言葉で「絆」「団結」という意味があるんです。歌詞ができた時に、みんながあって私がいて、新しい曲に挑戦する時に、団結という言葉が合うんじゃないかなと思って付けました。どうとらえてもらってもいいんですけど、前向きな気持ちになってくれたらいいなと思ってます。

イケヅ:今までで一番ストレートな歌詞だよね。

――初めての人はここから入って、前向きな気持ちになって。それから「アイドル番長」を聴いてひっくり返ってください。

イケヅ:たまげますね(笑)。

サアヤ:こっち(「アイドル番長」)はこっちで私の中にあるもので、書こうとしてる道筋は全然違うんです。2曲ともに言えるのは「私、こういう人だから」というものを入れていこうと思ったということ。私のワガママな部分や勝手な部分をふんだんに入れようと思って作った曲です。勝手だし、気の強いところもあって、いいいんだか悪いんだか、というところを特に盛り込んだのがこっちの歌詞です。

――一応、恋の歌っぽいシチュエーションで。好き嫌いどっち?って、ぐいぐい攻め込んでいく。真ん中あたり、「本当は好きなんでしょ?」ってセリフがすごく効いてる。

サアヤ:これ変わってるでしょ?っていう言葉を特に選んではいないんですが、結果的に中毒性とか毒っぽい部分が「これが私です」という感じです。


――そうそう、毒の話をしましょう。カヨって毒という言葉をよく使うでしょう。バンドTシャツの背中にでっかく「毒」って書いてあるし。あれって何なんですか。

イケヅ:中毒性とか毒っ気とか、とらえ方は何でもいいんですけど、一般的に言ったら癖があるとか、それを僕らは毒と呼んでいるんですけど。最初に出した『CHITOSE E.P』の時から毒は意識していて、じゃあ毒をテーマにツアー回ろうぜと言って、最初のツアーを回ったんですね。でもそこからミニ・アルバムを出したり、今回2曲リリースしていっても、消えないもんね? 今回の2曲も、「紫陽花」のメロディの中には中毒性があるし、「アイドル番長」は歌詞に毒があるし、だからカヨって毒なんですよね。

ワカ:『CHITOSE E.P』に入っている「千歳ダンス」も、あの曲調なのにギターのモリシタがすごい歪んだ音でソロを入れちゃうとか。そういう毒っ気は今も継続してあるのかなと思います。

サアヤ:音源もそうですけど、ライブ・パフォーマンスも、カヨらしいものを作っていきたいと思っているから、ライブも毒っ気がある雰囲気になっていったらいいなと思っています。

――百聞は一見に如かず。みなさんライブへ。ところでなんでカヨなんでしたっけ。最初に聞くべき質問を最後にしますけど。

サアヤ:私とワカがバンドを組もうと思って、まずバンド名を決めようということになった時に、私が「さっと覚えたい、長いと嫌だ、2文字か3文字に収めてくれ」と言って。それでカヨです。特に意味はないんですけど、「バンド名はカヨです」って、何かちょっといいんじゃない?って思ったりして。何にしろ覚えてもらえるんじゃないかなと思って、人の名前にしました。

イケヅ:絶対誰もが読めるし、覚えるし。

――最後に、近未来の夢、目標、野望を発表して終わりましょうか。

サアヤ:夢は、カヨというジャンルを築き上げたいです。いろんなバンドが今後出てきた時に、「カヨっぽいねそれ」って言われるみたいな。名古屋を拠点に活動してるんですけど、まずは名古屋と言えばカヨだよねというところから始まり、そこからカヨというジャンルを建設したいです。どうせやるんだったら、バンド・メンバーもこだわって集めた人たちだし、曲もオリジナルだし、自分たちにしかないものを作りたいというのは、最初から今までも、今後もたぶん変わらない、一番大きな野望ではないかと思っております。

取材・文●宮本英夫


リリース情報

1st 配信シングル「紫陽花」
配信日:3月20日
レーベル:GARDEN CITY RECORDS
1.紫陽花
2.アイドル番長

ライブ・イベント情報

<Aril Orange 1st EP リリースツアー 空っぽのバスケット>
2019/3/20 (Mon) 神戸太陽と虎(兵庫)
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<「LIVE HOUSE ANTHEM 2019」>
2019/4/7 (Sun) 仙台FLYING SON(宮城)
ACT カヨ / FEEDWIT / Velka / ケイタ爆発

<Escapism vol.38>
2019/4/8 (Mon) 渋谷Milkyway(東京)
ACT カヨ / Brash / CASPA / Super Lapin /and more…

<リムキャットPRESENTS リムフェス’19 ー大阪カオティックスー>
2019/4/13 (Sat) リムフェス'19(大阪)

<カヨ「紫陽花」RELEASE TOUR “愛愛傘”~道草編~>
2019/4/21 (Sun) 今池GROW(愛知)
ACT カヨ / Without Crying / Kream / ネノコクランク / Split BoB / センチミリメンタル / 藤沢アユミ

2019/5/6 (Mon) 下北沢CLUB251(東京)
ACT カヨ / and more…

2019/5/19 (Sun) 札幌SPIRITUAL LOUNGE(北海道)
ACT カヨ / and more…

2019/5/20 (Mon) 札幌SOUND CRUE(北海道)
ACT カヨ / and more…

2019/6/14 (Fri) 下北沢ReG(東京)
ACT カヨ / and more…

2019/6/20 (Thu) 北堀江club vijon(大阪)
ACT カヨ / and more…

2019/6/22 (Sat) 今池CLUB 3STAR(愛知)
ACT カヨ / and more…

<「紫陽花」 RELEASE TOUR “愛愛傘” FINAL>
2019/7/6 (Sat) 今池GROW(愛知)
ACT カヨ / and more…

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