【インタビュー】首振りDolls、新作AL『アリス』決定。ショーン・ホラーショー加入を振り返る

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──素敵な話だね。最初に3人で音を合わせたときの手応えはどうだったの?

ナオ:初めてスタジオに入って音を出した瞬間、勝ちを確信したんですよね。

ジョニー:そうやね。それで全ての不安がなくなったといっても過言ではないぐらいやった。もう、“俺たちが首振りDollsだ!”みたいな感覚(笑)。

ナオ:自然とニヤケちゃった。でも、あのときずっと笑顔になれたのは、俺もジョニーもすげぇずっと不安だったからだと思うんですよ。ジョンに脱退したいって言われてからずっと不安で不安でたまらなかった。でも、ショーンが全部の不安を取り除いてくれたというか、音で“俺イケまっしゃろー!”って感じで来てくれて(笑)。

ジョニー:バンドって、どんなに仲良くても、音を出さんと分からんから。音がダメやったら全員分かるんだよね、バンドって。“ダメかもしれん”みたいなことが肌で分かる。でも、そういうのが一切なかったからね。

ナオ:うん。なんなら、俺たちすごくね? かっこよくね? みたいな感じだったよね。

──初めてな感じがなかったんだね。

ナオ:そう。それに、そのとき、ジョンが辞めることが決まったのもすごく急だったのに、初めて音を合わせたスタジオまでに、ショーンは9曲も覚えて来てくれたんですよ!

ショーン:いやいや、9曲ぐらいだったらま~なんとか。サポートでやっていらっしゃる方とか、もっとすごい人はいますから。でも、その日、プロデューサーの戸城さん(ex.ZIGGY・THE SLUT BANKS・戸城憲夫)もいらっしゃってたのでドキドキで。

ナオ:そう。最初、戸城さんは、“首振りDollsの音にスラップは合わねぇよ”って頑なに拒否しててね。でも、それをショーンは音でねじ伏せたのよ! 頑なにスラップいらんって言ってたのに、後半、“スラップもっとやれよ!”って言ってたからね(笑)!

ジョニー:なんなら戸城さんが一番大喜びしとったよね(笑)。“いいじゃん! いいじゃん!”って(笑)。

一同:(爆笑)。

ナオ:“大丈夫だね”って言ってくれてね(笑)。それだけ、やっぱりショーンのベースプレイはすごいんですよ!

ショーン:いやぁ、嬉しかったですね。

──ショーン的にも手応えはあった?

ショーン:そうですね! バッチリとハマってるなっていう手応えを感じました。楽しー!って思いましたね(笑)。

ジョニー:あの日、わざと爆音にしとったんよ。ショーンがどんな反応するかなって思って。探りでもあって。俺ら基本的に音デカイから、どんな反応するかな? と思って。

ナオ:そしたらショーンがそれ以上の爆音にしてきてね(笑)。

ショーン:そうそうそう! 気持ちいい!って思った(笑)。

ナオ:あのとき誰も負けてなかったよね。俺もドラムの音もデカかったもんね。

ジョニー:も~はしゃぎにはしゃいとったからね(笑)。ガンガンに走っとったよ、俺も(笑)。

ナオ:興奮しまくって、ギャンギャンにスティック折れながらやってましたよ。リハスタでスティックばちばち折るなんてね(笑)。その日、ライヴの後やったのにめちゃめちゃ元気やった(笑)。

──根拠のない自信が湧くっていうけど、あった?

ナオ:あった、あった! すごい自信に満ち溢れるというか。

ジョニー:安心もあったけどね。

ナオ:うん。本当に安心した、本当に。ショーンのすごいのはそこから。既に決まってた年明けのMUCCとミオヤマザキとの対バンや、SEX MACHINEGUNSとの2マンツアーもあって曲を覚えなくちゃいけなかったのに加えて、レコーディングも差し迫っていたのもあったから新曲を作らなくちゃいけないってのもあって、必死で個人練習にもいっぱい入ってくれてたからね。

ジョニー:マシンガンズとのツアーは本編の最後にセッションがあってそれもコピーしなくちゃいかんかったから、ショーンは相当大変やったと思う。セッション曲がKISSやったから、ショーンは自分のルーツには無い曲やもんね。

ショーン:セッション曲がツアーの前日に決まったのもあって、本当に大変でしたね。

ナオ:ベース弾きすぎて膿が溜まってましたからね。病院に行ったらもしかしたら切らなきゃいけないかもって話になって。

ショーン:溜まってたね、膿(笑)。左手の人差し指が腫れちゃって。親指みたいにパンパンになっちゃったんですよ(笑)。でも、先生がいい先生で、切らずに治してくれて。無事に難を乗り切ったという。でも、今も腱鞘炎で痛いですけどね、利き手が(笑)。

ジョニー:俺たちですら12月、1月とかめちゃくちゃキツかったもん。とにかく濃ゆい日々を過ごしとったからね。でも、ショーンはもっと濃ゆかったと思う。ほんとに大変だったと思う。

ショーン:濃ゆすぎて、まだあんまり時間経ってないっていうことに最近気づいて。まだ2ヶ月ぐらいなんすよね。1月が初ライヴですから(笑)。

ジョニー:濃ゆすぎるね! 1ヶ月ちょいしか経ってないのか(笑)。半年ぐらい経ってる感じ(笑)。

ナオ:本当に。でも、ショーンには感謝しかないね。ねぇねぇ、この場を借りて聞きたいんだけど、ショーンが首振りDollsに入る前の印象ってどんなだったの? 首振りDollsをどう思ってた?

ショーン:それはもちろん、音がカッコイイと思ってたから行ってたし、メイクとかステージングも個性的でいいなって思ってた。なんて言ったらいいか分からんけど、本当にカッコイイって思ってたからライヴにも行ってたし。人もいいし、普通に会いたいなって思って行ってました。それに、その頃から、自分の中で、首振りDollsの中で自分を生かせそうだなって思ってたのもあって。ライヴパフォーマンスも好きだし、顔に絵を描くのも好きだし。

ナオ:首振りDollsになるために生まれてきたんかな(笑)。

ショーン:こういう世界観もあったら面白かったなっていうのも見て思ってました(笑)。そしたら、まさか本当に自分が首振りDollsになるなんて(笑)。

ジョニー:最初にナオから電話あったときはどんな感じやった?

ショーン:きたか。みたいな。

一同:(爆笑)

ショーン:いやでも、本当に嬉しいけど、もっと周りにすごい人いるでしょ、みたいな感覚だった。

ジョニー:いや、さっきも話したけど、本当にショーン一択だったやからね、何故か。全くそこに迷いがなかった。

ナオ:うん。何故かね。ジョニーに“誰がいいと思う?”って聞いたら、ジョニーからも“ショーン”って上がってきてたからね。

ショーン:嬉しいですね。俺の居場所はここだったんですね。

ジョニー:それ勇者の台詞やん(笑)!

──(笑)。最初に合わせた曲はインディーズ時代の楽曲で「ニセモノ」だったけど、とにかく、初めて音を重ねたとは思えないグルーヴだったよね。

ナオ:実は、「ニセモノ」が首振りDollsで俺が一番最初に書いた曲。首振りDolls用に一番最初に書いた曲なんですよ。

──すごいサクセスストーリー!

ナオ:久しぶりにスタジオでジョニーと顔見合わせてニヤってしたもんね。二人で目があってニヤってしたの久しぶりやった(笑)。

ジョニー:スタジオで楽しかったのは相当久しぶりやったかも(笑)!

ショーン:本当に楽しかった。でも、そういう話聞くと、本当に改めて嬉しいですね。

──ライヴも楽しそうだもんね。たまに3人だけで楽しんでるときあるよね?

ナオ:たしかに。3人だけで楽しんでるときあるわ(笑)。

ジョニー:ジョンの脱退ライヴのときは、お客さんが泣きながら拳振り上げよったから、首振りDollsがやりたかったロックンロールなライヴではなかったから辛くて。やっぱりライヴは楽しくなくちゃダメだって再確認したというか。だからね、そういう意味もあって、俺の中では一回解散したぐらいの気持ちなんですよね。

ナオ:俺も気持ち的には別バンドのつもり。多分それぐらいの気持ちの方がいいと思うんだよね。

ショーン:自分に至ってはデビュー戦がボス戦だったんで(笑)。急にドラゴン出てきた感じで(笑)。一気に世界が変わった感じでしたからね。

ナオ:デビュー戦前から長い間北九州にきてもらって、毎日、午前中に集まって昼から夜までずっとスタジオ入って。それで夜は俺の家でショーンと曲作って。2ndアルバムの曲は全部ほとんどそのときに作った曲だったりするんです。そのときに作った曲が、今度のアルバムに入る「黒い太陽」だったりするんですよ。初めて2人で作った曲なんです「黒い太陽」。ショーンがドッカドッカっていうリズムの曲欲しいよねって言って、俺が試しに弾いて、“それいいね”って。それで、ショーンがラララで歌い出して、“その感じのメロディーだったら言葉繰り返しでいける!”ってなって歌詞をつけていったんです。2人で赤玉飲みながら作ったんです(笑)。

ショーン:2人で、キャッキャキャッキャ言いながら作った曲が「黒い太陽」なんです。今、もうライヴでもやっているんですけど、反響が良くてすごく嬉しいです。Twitterとかでも良かったって書いてくれてる人がたくさんいたのが、本当に嬉しかったですね。

ナオ:「黒い太陽」は、いままでの首振りDollsには無い曲調でもあるからね。

──さっき、ショーンのルーツにはKISS的なルーツは無いって話が出ていたけど、ショーンの音楽ルーツはどの辺りなの?

ショーン:リズムを感じる音楽ですね。ファンクだったり、ミクスチャーだったりですね。

──ショーンのベースプレイが加わったことで、首振りDollsの曲の振り幅は確実に広がるよね。

ショーン:そうですね。古くからの首振りDollsのお客さんからしたら、首振りDollsの音が変わっちゃうんじゃないかって心配もあると思うんですけど、不思議とどんな曲を僕が持っていったとしても、ジョニーがギターを弾いて、ナオくんが歌ったら首振りDollsになるんですよね。本当に不思議なくらい。だから、そこは本当に何も心配してないんです、今は。

ナオ:そうだね。そこ不思議よね。例えMr.Childrenみたいな曲を作ったとしても、ジョニーがギターを弾いて私が歌ったら、首振りDollsになるっていう(笑)。そこにショーンのベースが加わったことで、より個性的になったって感じね。でも、本当に確実にグルーヴは変化したと思う。ノリを前面に出した曲だったり、ゴリゴリのリフで頭振るような曲だったり、本当にいろんな曲調があるよね。

ジョニー:曲を作るのがすごくスムーズで、めちゃくちゃ楽しかった。

ナオ:1日3曲くらいずつ仕上げていったからね、アルバムも。

ショーン:すごく楽しかったね。

──現在、ナオとジョニーは小倉、ショーンは東京っていう遠距離での活動だけど、不便はない?

ナオ:ずっとツアーしてるし、ほぼ一緒にいるから遠距離感ないかな(笑)。

ジョニー:誰よりも一番一緒におる感じやもんね(笑)。

ショーン:あははは。そうですね(笑)。

ナオ:でも、それが成立してるのもショーンの努力あってのことだと思う。本当に時間さえあれば個人練習でスタジオに入ってくれてるから。そりゃ膿も溜まるよね〜って。

ショーン:首振りDollsはパフォーマンスありきというか、ステージでの動きが激しいから、鏡のあるスタジオでそこも含め練習してるんですよね。

ジョニー:すごいストイック!

ナオ:やっぱなぁ〜。カッコイイもん、ショーンのステージング! たまにライヴでも見とれちゃう(笑)。

ジョニー:ショーンは俺が絡みに行くとちゃんと絡んでくれるからね(笑)。

ナオ:私が首振りDollsのファンだったら、間違いなくショーンのファンだと思う。本当に目を引くパフォーマンスと演奏力だから。首振りDollsは私がドラムボーカルだからライヴ中動きまわれないこともあって、いままではVJを入れたり、照明を落として私が花を食べたりする、魅せるための演出にこだわらなくちゃいけないと思っていた部分もあったんだけど、新体制になってからの首振りDollsにはそういうものは要らないのかもなって思えるくらい、音とジョニーとショーンのステージングで魅せていけるバンドになれた気がするの。とにかく、首振りDollsはライヴバンドなんで、ここから先もずっと走り続けていきますし、たくさんライヴをやっていきますので、是非、遊びに来てください! 

取材・文◎武市尚子
撮影◎FukcrecHbk!

■ライブ・イベント情報

3月9日(土)名古屋クラブロックンロール
3月21日(木)大阪南堀江ネイヴ
3月23日(土)小倉fuse
3月24日(日)岡山ペバーランド【one-man】
4月5日(金)大阪ファンダンゴ【one-man】
4月7日(日)東京下北沢クラブキュー VS Mary's Blood

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