【ライブレポート】Soanプロジェクト、2019年初ワンマン

ポスト

1月27日には、前日に行ったSoanプロジェクトwith手鞠とは異なる和装姿で、Soanプロジェクトwith芥が公演を行った。

◆ライブ写真

Soanプロジェクトwith芥としての2019年のライブは、先に2マンシリーズで幕を開けていた。とはいえ、ワンマン公演という形は今回が今年初となる。

1月27日、Soanプロジェクトwith芥は3rdミニアルバムと同じ<『動猛成る狂想、動脈に射つ。』~2019 1st Oneman Live~>というタイトルを掲げ、Soan、芥(from Chanty)、K、Shun(from DuelJewel)、Ivyというお馴染みの仲間たちと一緒に池袋EDGEの舞台に立っていた。


ライブの始まりを飾ったのは、和心抱いた雅なロックナンバー「月欺けば傀儡が笑う」だ。冒頭から荒ぶる祭りビートに合わせ観客たちが右へ左へ駆けだした。まさに宴の幕開けに相応しい、感情の留め金を一瞬にして壊す楽曲だ。サビでは両手を華麗に舞い揺らし、煽り部分では荒ぶる声を上げ激しく身体を折り畳み、沸きだす感情を舞台上へぶつける観客たち。

「派手にいこうか!」というSoanの煽りを受けて飛び出したのが「朽ち木の行方」だ。雄々しく気高さを持った演奏に、身体が激しく騒ぎだす。芥の「3.2.1.GO!」の掛け声を合図に、観客たちが一斉に左右へモッシュ。その様へさらに熱を注ぐよう、Soanが「飛べ、飛べ、飛べ、飛べ」と声を張り上げる。誰もが右手を頭上高く掲げ、「薄紅は舞い散り寂光に消える」に合わせ高く跳ね続けていた。会場を揺らすくらいの勢いで、乱れ騒ぐ観客たち。この熱狂の風景こそSoanプロジェクトwith芥に似合うだ。


ここで、同期のデータが飛ぶというハプニングが。ならばと、ここは生演奏だけで勝負。それくらい、今宵のメンバーたちの気持ちは最初から熱く燃えたぎっていた。「隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬」の演奏に合わせ、沸き上がる気持ちを拳と叫びに変え全力で舞台上へぶつける観客たち。その熱に浸りながら冷静でなどいれるわけがない。雄々しく叫びながら、想いを求める芥。その声に熱を降り注ぐ観客たち。互いに気持ちを剥き出しに感情をぶつけあう。

雰囲気を一変するように流れたのが、もの悲しさを持った暗鬱な音色たち。歪みと狂気を携えた「透過幕」だ。一筋の美しさを重ねながらも、その音が生み出していたのはノイズにも似た黒い轟音。濁った衝撃的な音の上で、刹な感情のままに歌を唱える芥。芥の歌声は、澱みなき心の慟哭にも思えていた。


Soanの大地を揺さぶる原始的なドラムソロを挟み、ライブは「濁った瞳」へ。芥は抑揚した声を持って嘆く心を歌いあげる。その歌声は、濁った景色の先に、無垢な心の嘆きと純潔な想いを映し出していた。 「undelete」では、フロアから無数の拳が舞台上へ向け突き上げられる。重厚でシンフォニックな楽曲を通してさえも、メンバーは煽り続けてきた。「吐き出せ」という芥の声を受け、喉を枯らし声をぶつける観客たち

「さぁ、踊ろうか」とSoanプロジェクトwith芥がぶつけたのが、「躁狂の踊り子~山紫水明の宴~」だ。会場中の人たちが手にしたタオルを振りまわし、熱狂の踊り子さながらに全力で右へ左へ駆けだした。続く「arrive」でも、絶叫と熱狂が交差する。「hysteria show time」でもそれは同様。


本編最後は「frowery count」だ。会場中の人たちが演奏に合わせ絶叫し、頭を振り乱し、拳を突き上げ、一体化。この日もSoanプロジェクトwith芥は、止まることなき熱狂の宴を描き続けてくれた。緩みを知らないジェットコースターのように、一度Soanプロジェクトwith芥のライブへ飛び乗ったなら、彼らが宴を止めるまでは熱が止まらない。限界を超えた先には、日常では出会えない自分と出会えるだろう。きっとそれを味わいたくて、みんなここへ集うのだ。

アンコールでも本編での熱狂をさらに盛り立てるように、「月欺けば傀儡が笑う(煽りループver.)」をふたたび演奏する。そして芥からは 「プロジェクトが3年続いていくって、稀に見ることだと思います。ぞれぞれの歩いてきた道が繋がってこの空間が出来ています。今年は、愛や恋を紡いで、愛にあふれた年にしましょう。そして、未来に向かって突き進みましょう。」との言葉も。


その言葉に続けて、この日の宴を優しく抱きしめるようにSoanプロジェクトwith芥は「紫陽花がまた咲く頃に」を届けてくれた。こんなにも肌に嬉しく刺さる想いのこもった雨なら、いくらでも全身に浴びていたいと思わせられた。

次にSoanプロジェクトwith手鞠とSoanプロジェクトwith芥に同時に出会えるのは、振替公演となった5月19日の新横浜公演、6月1日と2日の高田馬場AREA公演になる。6月はSoanプロジェクト始まりの日であり、Soanの誕生でもある。

写真◎インテツ
文◎長澤智典
編集◎BARKS編集部

セットリスト

「月欺けば傀儡が笑う」
「朽ち木の行方」
「薄紅は舞い散り寂光に消える」
「隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬」
「透過幕」
「濁った瞳」
「sign…」
「undelete」
「躁狂の踊り子~山紫水明の宴~」
「arrive」
「hysteria show time」
「frowery count」
-ENCORE-
「月欺けば傀儡が笑う』煽りループver.」
「紫陽花がまた咲く頃に」

◆Soan オフィシャルブログ
この記事をポスト

この記事の関連情報