【対談】フルカワユタカ×ハヤシヒロユキ[POLYSICS]、コラボ曲に類似/相違点くっきり「なんで仲がいいって思われることを頑なに拒むの?」
フルカワユタカが2018年12月5日、両A面コラボシングル「クジャクとドラゴン / インサイドアウトとアップサイドダウン」をリリースした。同シングルは、HAWAIIAN6の安野勇太とPOLYSICSのハヤシヒロユキの盟友2組をフィーチャーした共作2曲を収録。両氏とも2018年夏に開催されたフルカワユタカ主催企画ライブ<5×20 additional, Play With シックス>の対バン相手であり、フルカワとの共作という意味ではthe band apartの原昌和とのコラボシングル「ドナルドとウォルター」に続く作品となる。
◆フルカワユタカ×ハヤシヒロユキ[POLYSICS] 画像
フルカワユタカとハヤシヒロユキの馴れ初めや共通の趣味トークは、連載コラムやその特別編net radio ver.でも語られているが、今回はミュージシャンシップにスポットを当てたトークセッションだ。両氏ともギター&ボーカルであり作詞作曲を手掛けるほか、シンセや打ち込みの導入など接点が尽きることなし。
しかし、「インサイドアウトとアップサイドダウン」制作秘話からスタートした対談は、「そうやって上から目線だから友達いないんだよ」のような歯に衣着せぬ物言いやら、コミュニケーション不足がゆえの記憶違いによる言い争いやら、あまりにも赤裸々なトークが爆笑に次ぐ爆笑を呼んで腹筋崩壊。結果、それぞれの人となりもミュージシャンとしての類似/相違点もくっきりと浮かび上がるレアでコアなものとなった。今後の2人の発展も大いに期待できるホットでロングなトークセッションをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■POLYSICSは一目置いてたからですよ
■いや、この言い方も上目線になっちゃうな
──まずは、フルカワさんの新曲「インサイドアウトとアップサイドダウン」で、ハヤシさんとコラボレーションすることになった経緯から教えてください。
フルカワ:そもそもは2018年6月に、まーちゃん (原昌和/the band apart)と「ドナルドとウォルター」を作って、その時が、イチから共作っていう初めての試みだったんです。それが、とても実りの大きなもので。だから、もっと続けたいなと思って、最初に頭に浮かんだのが、勇太 (安野勇太/HAWAIIAN6)だったんです。自分がやったことのないメロコアを作ってみたくて。それでスタッフと、アルバムに向けての制作会議をしたんですね。本当は、10人くらいとコラボレーションして、アルバムを作ろうぜっていう話だったんですよ。その話は、もはや頓挫してしまったんですけど。だって、10人とやったら体力がもたないよって(笑)。まぁ、それはともかく、その制作会議の場で、スタッフから名前が挙がったのがハヤシくんだったんです。ちょうど8月に、下北沢SHELTERでの対バンも決まっていて、その時に「あっ、ハヤシくんしかいない」と思って。
▲フルカワユタカ |
フルカワ:それはもう、一緒にやりたかったからですよ(笑)。対バン企画自体、ドーパン (DOPING PANDA)の頃には、ほとんどやってなかったし。
──そのドーパン時代にも、一度だけPOLYSICSを対バン (<DP SUMMIT>2010年12月11日@東京・新代田FEVER)に誘っていますよね?
フルカワ:その頃も、先細っていく自分をどうにかするために、人と交わってやっていかなきゃって思っていた時で(笑)。今からすると、何を言ってんだオマエはって話なんですけど、当時、自分の中に許せる/許せないというボーダーがあって。偉そうに言うわけじゃないんですけど、そのボーダーの上をいってるバンドに、その時は声をかけて(笑)。だからPOLYSICSは、僕の許せるところにいたんですよ。ホントにオマエは何様なんだって話なんですけど(笑)。
ハヤシ:そうやって、上から目線だからね、友達いないんだよ(爆笑)。
フルカワ:いや、今はね、そんなことはまったく思ってないんですよ。だけどその頃は、本気で「このバンドはダサい、このバンドはダサくない」って線引きをしていて。今考えると、そんなボーダーなんてないんだって分かるんだけど(笑)、それでPOLYSICSを新代田FEVERのライブに誘ったわけですよ。
ハヤシ:それが不思議だったんだよね。そんなに仲が良かったわけでもないのに、何で誘われたんだろうって。
フルカワ:そりゃ、POLYSICSは一目置いていたからですよ。……いや、この言い方も上から目線になっちゃうな。表現が難しい(笑)。それはともかく、そのライブで仲良くなって、今回のSHELTERでの自主企画<フルカワユタカ presents「5×20 additional, PlayWith シックス」~with SICS~>誘ったわけですよ。2017年に一緒にやったASPARAGUSもそうだし、Base Ball Bear、the band apart、Benthamに関しても、意味のある人と対バンしたくて、だから突拍子もない人とはやらないっていうのが、<PlayWith>っていう企画の主旨で。
▲両A面コラボシングル「クジャクとドラゴン / インサイドアウトとアップサイドダウン」 |
フルカワ:それは、今の話?
ハヤシ:今も大して仲はよくないんだけど(笑)。
フルカワ:いやいや(笑)、今はあると思うし、むしろ世間の方が、「すげぇ仲いいんだ」って勘違いしているかもしれない。だって、よく言われるよ。この前の新木場STUDIO COAST(<フルカワユタカ presents 「5×20」>2018年1月28日)でも、「何でPOLYSICSは出ないの?」とか、よく言われたし。
ハヤシ:へぇ、そうなの?
フルカワ:そうそう。だけど正直に言うと、ハヤシくんとは飲みにいったり、今回の曲作りでもスタジオに遊びにいったりもしてるけど、ヤノくんなんか、この前、ようやく初めてちゃんと話したくらいで。
ハヤシ:あっ、ヤノの場合はね、ほとんどのミュージシャンがそうだから(笑)。
フルカワ:そうなの(笑)? フミちゃんにいたっては、ハヤシくんから変なこと吹き込まれて。オレ、下北のお店でフミちゃんに失礼なことして嫌われてるって、この数年間、ずっと思い込んでたから。
ハヤシ:あはははは(爆笑)。
──一体、何を吹き込んだんですか(笑)?
ハヤシ:フミがね、「あいつ、何?」って言ってたよって。「上から目線の嫌なやつが隣に座って気分悪かった」って(爆笑)。あはははは。
フルカワ:それで、ずっと嫌われてると思ってたんだから、COASTになんか呼べるわけないでしょ?(笑) だからSHELTERの時も、気合い入れてPOLYSICSを誘ったんだから。
ハヤシ:あはは、オレのせいだったんだ(笑)。でもさ、世間が僕とフルカワくんの仲をどう思ってるのか、気になるなぁ。
フルカワ:いやいや、仲いいんだからさ、それでいいじゃない? なんでそんな頑なに、仲がいいって思われてることを拒むのさ(笑)?
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