【インタビュー】DAIGO、カバーアルバム完成「僕の中で“Beingサウンド”は大きい」

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DAIGOが12月5日、ZARD、T-BOLAN、WANDS、大黒摩季、DEEN、REV、ZYYG、FIELD OF VIEW、倉木麻衣らの1990年代の大ヒット曲や名曲をカバーしたアルバム『Deing』をリリースする。収録されているのはDAIGO自身が中学生のときに夢中になって聴いていた曲やカラオケで歌っていたフェバリットソングばかり。なお、本作の制作指揮をとったのはDAIGOがBeingに所属する転機を作ったキーパーソンであり、1990年代にミリオンヒットを次々と世に送り込んだBeingの創設者にして敏腕プロデューサーである長戸大幸氏だ。

◆アルバム『Deing』全曲紹介 動画

アルバムにはオリジナル曲のアーティストである森友嵐士(T-BOLAN)、大黒摩季、池森秀一(DEEN)がゲスト参加し、DAIGOとのデュエットを披露。WANDSのヒット曲「もっと強く抱きしめたなら」のミュージックビデオを同曲オリジナルミュージックビデオと同じロケ地で撮影したり、ジャケット写真でZARDやT-BOLANを意識するなど、アートワークもふくめてDAIGOの“Being愛”が溢れ出す仕上がりとなった。

音楽に目覚めた少年時代の思い出を振り返りつつ、40歳になったDAIGOと設立40周年を迎えたBeingの全面協力によって再構築された全11曲にまつわる想い、制作中の裏エピソードなど、たっぷり話を聞いた。

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■普遍的なメロディだから
■今聴いても全然色褪せない

──Beingから発信されたヒット曲の数々を収録した初のカバーアルバム『Deing』は、DAIGOさんからの提案で実現したものなんですよね?

DAIGO:そうですね。Beingが1990年代にリリースしたヒットソングや名曲たちを僕はリアルタイムで聴いていた世代なんです。カラオケでも歌っていた大好きな曲たちばかり。そんな背景がありつつ、BREAKERZとしてBeingに所属して10年が経って、いつか大先輩たちの曲をカバーしたいなという想いがあったので、出すならタイミングが大事だなとは思っていたんです。

──前から構想はあったわけですね。

DAIGO:はい。ソロデビュー15周年記念ライブ(※2018年7月21日@中野サンプラザ<DAIGO VS DAIGO☆STARDUST>)にはスペシャルゲストとしてT-BOLANの森友嵐士さん、大黒摩季さん、倉木麻衣さんが出演してくださったんです。大先輩に助けていただいて、共演することでより関係性が深まったなという感覚があったのも大きかったですね。さらに今年はBeingが会社創立40周年で僕も40歳になって、このタイミングしかないんじゃないかと。運命なんじゃないかと思うぐらいのリンクの仕方だったので、15周年ライブが終わってからBeingの社長に「“Deing”というタイトルでカバーアルバムを出したいんです」って直電したんです。

──DAIGOだから“Deing”って。タイトルまで決めていたんですか?

DAIGO:そうなんですよ。すごくいいんじゃないかなって。そしたら「じゃあ、カバーする曲を決めよう」っていう話になり。

▲『Deing』初回盤A

──先ほど「中学生のときに大好きで聴いていた」というお話が出ましたが、当時の思い出というと?

DAIGO:確か当時、カラオケボックスが世の中に流行り出したんですよ。それ以前はカラオケというと夜のイメージ。大人が行くスナックとかに置いてあることが多かったと思うんです。

──お酒を飲みながら、他のお客さんの居る前で歌う形ですよね。それが、カラオケボックスとかカラオケルームが出始めて、友達や家族だけで楽しめるようになった。

DAIGO:そうです、そうです。その時代からポピュラーなものになっていたので、CDシングルのカップリングにカラオケ音源が収録されるのが主流の時代だったじゃないですか。僕も家でカラオケバージョンを流しながら歌って練習していたし。WANDSさんを好きになったキッカケが今作に収録されている「もっと強く抱きしめたなら」(1992年発表)で、その直後に中山美穂さんとデュエットした「世界中の誰よりきっと」(1992年発表)が大ヒットしましたよね。WANDSさんの初期のアルバムもめちゃくちゃ聴いていましたよ。それからT-BOLANさんやZARDさんを好きになって。もちろんCDも持っていたんですけど、仮に持っていなかったとしても、テレビとかラジオや街でいつも流れているから、自然と耳に入ってきて歌えちゃう時代でしたよね。

──DAIGOさんがバンドに目覚める前というか、デヴィッド・ボウイなどの洋楽を聴く前のことですよね?

DAIGO:そうですね。ロックを好きになったのは氷室京介さんだったり、BOOWYだったりするんですけれど、音楽に興味を持ったという意味では、僕の中でBeingサウンドが大きいですね。

──DAIGOさんの少年期のいろいろな思い出が、今回のカバーアルバムには詰まりまくっているわけですね。

DAIGO:ええ。よく聴いていたので、各アーティストの方で1枚のカバーアルバムが作れてしまうぐらい。名曲や代表曲が多すぎるので、1曲ずつにしようって。WANDSさんは2曲ですけど、単体のバンド名義は1曲なので。


──好きな曲が多いだけに選曲は大変だったのではないですか?

DAIGO:そうですね。スタッフさんも思い入れがある曲がそれぞれにあって「あの曲もいい。この曲もいい」って。そういう意味では大変でした。

──DAIGOさん主導ではあるけれど、まわりの方の意見も取り入れながら決めていったんですね。当時の曲を改めて聴いて気づいたことなんですけど、歌詞やミュージックビデオに“車”がよく出てくるなって。今より恋愛と車が密接だったのかもしれないですね。

DAIGO:バブル時代の名残りというか、今より車が売れていたんでしょうね(笑)。僕が感じたのは普遍的なメロディだから、今聴いても全然色褪せないなって。

──普遍性って月日が流れることで、よりリアルに感じられますよね。

DAIGO:そうなんですよ。僕にとっては10代の頃から身体の中に染み込んでいる曲たちばかりなので、聴いても歌っても懐かしさもあるし、“やっぱりいい曲だな”って思いましたね。

──実際のレコーディングでは、どんな姿勢で歌に臨みましたか?

DAIGO:まず、今回のアルバムは当時の楽曲たちを世に送り出したスーパープロデューサーの長戸大幸さんが関わってくださっているんです。僕がBeingに所属することになったのも知人が長戸さんを紹介してくださったからで。そんな方がサウンドプロデュースしてくださることがすごく嬉しかったですね。

──BREAKERZ以前に知り合っていたんですか?

DAIGO:BREAKERZを組むか組まないかぐらいの時期ですね。恩人でもあり、“いつかお仕事をご一緒したい”と思っていた方なんです。なので今回のレコーディングではアレンジもボーカルも全て委ねました。長戸さんが手がけられた楽曲なので、いちばん輝くようにしてくださるだろうと信頼していましたから。

──まさに念願の1枚ですね。歌だけに徹したことで見えたものもありましたか?

DAIGO:今まではBREAKERZでもソロでもアレンジを含めて自分も作業に携わってきたので、お任せした分、発見も多かったですね。自分ではできないようなコーラスワークもそうですし。歌ってみて感じたのは、男性の曲は多少キーを変えた曲があるにせよ、“自分が歌ったら”って想像がつくんですよ。でも、女性の曲をどう歌うかは試行錯誤しましたね。

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