【インタビュー】ベリーグッドマン「しんどいと思ってる人にかけてあげるのはどんな言葉なのかを考えることが愛情だと思うんです」
■「今まで5年間応援してくれてありがとう」というのと
■「これからもよろしくお願いします」というのが僕の気持ち
――<LOVE DISC>の話に行きますか。ラブソング、どうですか。得意ですか。
Rover:ラブソングは難しいですよね。僕のラブソングの目標は「真夏の果実」なんですよ。
――おお。サザンオールスターズ。
Rover:ほかにもありますけど、スティーヴィー・ワンダーの「Isn't She Lovely」みたいなハッピーな感じとか、Mr.Childrenさんの「365日」や、DREAMS COME TRUEさんの「LOVE LOVE LOVE」も。僕らは到底そこまでのラブソングは書けていない現状の中で何ができるか?というと、平凡なラブソングだと思うんですよ。今挙げたみなさんが歌っているのも平凡な、身近な話だとは思うんですけど、もっと平凡に歌ってみるべきじゃないか?というのが、僕の中にテーマとしてあります。
HiDEX:僕は、パッと曲を作ろうとする時は、ラブソングを書くことが多い気がします。学生の頃の恋愛とか、一番経験が書きやすい。でも「はじまりの恋」とか、言っていられる年でもなくなってきたんで。
――思いっきり<LOVE DISC>の1曲目に入っていますけどね(笑)。
Rover:もっと言うと4曲目の「君に恋をしています」が一番ヤバいです(笑)。これは本当に僕たちの学生の頃を思い出したメモリアルソングで、若い子に、どうかベリーグッドマンを知ってほしいという思いを込めた曲です。
HiDEX:じゃないとね、MOCAが今この曲みたいなことを思ってたらおかしいでしょ。
MOCA:不倫してるんか! って言われる(笑)。
――こらこら。
Rover:<LOVE DISC>の中だと、「君に願いを」という曲が僕はすごく好きで、前回のツアーかファンクラブイベントで久々に歌った時があって、それがめっちゃ良かったんですよね。すごいハッピーな曲で、ハネたリズムで、「これがベリーグッドマンのラブソングのイメージやな」と思った。「冬が終わる頃に」みたいな、ぐっと踏み込んで泣ける曲もあるけど、「君に願いを」はさらっと聴けるのにうるっと来るみたいな。
HiDEX:悲しい顔で泣くか、笑顔で泣くか。
Rover:そうそう。「君に願いを」みたいな曲だったら、また書きたいと思います。しかもこれを書いた時にMOCAはまだ結婚していなくて、でも歌詞に書いたその人と結婚しているんで、気持ちに嘘がないし、すごくいいなあと思います。“心配は無いさ/ついてこい”って言っているんですけど、それもしっかり実現しているんで。
MOCA:有言実行の男です。
――かっこいいなあ。
MOCA:自分でもかっこいいと思いますもん。しっかりお金稼いで、嫁と子供のもとへ帰って行く。ええ男ですね(笑)。
――ええ男です。
MOCA:歌詞の中の“本当にバカね。”“でも変わらないでずっとそのままで。”とか、“子供ができたら手のかかる子が二人になるね。”とか、現実に言われていたことなんですよ。
Rover:だからいいんですよね。このMOCAの歌詞はいいよ。
――つまり、ラブソングは基本実話。
Rover:そうです。「Happy Wedding」以外は。
MOCA:でも「Happy Wedding」も実話というか、共通の友達の結婚式に作った曲なので。
Rover:そうか。実体験ではないけど実話か。
HiDEX:一番の実話は「Pain,Pain Go Away」ですね(笑)。
Rover:チャラ男(笑)。
▲BEST ALBUM『BEST BEST BEST』初回限定盤
▲BEST ALBUM『BEST BEST BEST』通常盤
――このナンパソングがベストに入って良かったですよ。そうじゃないと、ベリーグッドマンは良い人すぎるというか(笑)。
HiDEX:そうなんですよ。僕ら、良い人ではないんですよ。
――あはは。言い切った。
MOCA:いい人になりたいとは思っていますけど(笑)。
――いや、でもね、歌はきれいでもいいと思うんですよ。歌なんだから。
Rover:そうですね。ドロドロした部分は、ドラマか映画で描けばいいのかもしれない。
HiDEX:僕の割合で言うと、60曲に1曲、本音を言うという。
Rover:本音というか、裏側を言うみたいな。
HiDEX:そうそう。
――ぶっちゃけるなあ。
――話を戻して。<LOVE DISC>の新曲「I」はどんなふうに?
Rover:HiDEXがトラックを作って、MOCAが最初に書いてきた歌詞とメロディが、“Dear My Friends”とかから始まっていて、いいなあと思って書いていきました。LOVEのくくりで入れていますけど、どっちかというとこの曲はLIFEなんですね。
MOCA:ヒューマンなLOVE。
Rover:それをアルバムの最後に入れたのは意味があって、実は一番聴いてほしい曲なので。「今まで5年間応援してくれてありがとう」という気持ちと、「これからもよろしくお願いします」という感じの、あとがきみたいな曲なんですね。ファンに向けて書いてるし、地元でいつも飲むような友達や後輩にも聴いてほしいし、サビはすごいシンプルなことを言っているけど、それが僕の気持ちなんですよ。
――君がそこにいるだけで、それだけでいいよ。僕らは大きな愛で繋がってる。
Rover:本当にそう思うし、もっと言ったら、そこにいなくても人を愛することはできるし、今いるファンの人にシンプルな言葉で感謝を伝えるにはこれかなということで。それこそ、どこにでもあるような言葉だから、不安はあったんですけど。
▲HiDEX
――伝わりますよ。HiDEXさんのパートもすごく素直。初恋、親友との出会い、失恋とか。
HiDEX:ほんまに僕の出来事をそのまま書きました。“初恋を覚えたのは12歳の時”という歌い出しは、ラブソングかなと思わせたかったんで。
――LOVEがだんだんLIFEになっていく。そしてMOCAさんの“長々と色々言ったけどいつも「ありがとう」”で締めくくる。
MOCA:ベリーグッドマンは“ARIGATO MUSIC”(ありがとうミュージック)という事務所に所属で、「ありがとう~旅立ちの声~」でメジャーデビューさせてもらったので。最後は「ありがとう」か「愛してる」か、めっちゃ悩んだんですけど、やっぱり「ありがとう」にしようと思いました。
Rover:最初は“蟻が10匹”と書いてありがとうと読ませてたよな。
MOCA:なんでやねん。でも最後に“長々と色々言ったけど「サンキューベリーマッチ」”って、そこでギャグにする手もあったな。
HiDEX:ちなみにこのくだり、二人はずっと家でやっていました。“長々と色々言ったけど「〇〇」”っていうシリーズを。
Rover:僕が一番好きなのは、“長々と色々言ったけど「まだ言うよ」”(笑)。まだ言うんですよ。
HiDEX:これを延々やってました。
――しょうがないなあ。でも「ありがとう~旅立ちの声~」でメジャーデビューしたグループが、ベスト盤の最後の曲を“ありがとう”で締めくくる、きれいにまとまりました。
MOCA:この曲は夜が似合う気がしていて、これを聴いて「明日からまた頑張ろう」と思ってもらえるような曲だと思います。
――さあ、最後に大阪城ホールのことを言って終わりましょう。来年1月20日、憧れの大阪城ホールワンマン。何を見せてくれますか。
Rover:今まで5年で培ってきた3人でのライブステージが間違っていなかったことを信じて、でっかいステージでもビビらずにやるだけやなと思っています。あと、感謝の気持ちってついつい忘れてしまうことが多いと思うんですけど、すごい感謝に溢れた1日になると思うし、ARIGATO MUSIC代表アーティストとして、本当に伝えたいのは「ありがとう」の気持ちなので、みんなと一緒に楽しみたいなと思います。それをしっかりと楽しんだあとに、実はそこがスタート地点で、気持ちを切り替えてまた明日から頑張ろうという、そういう日になると思うんで。前に進むセレモニーになればいいなと思います。
取材・文●宮本英夫
リリース情報
2018.10.24 ON SALE
初回限定盤 : 2CD+DVD(3枚組) ¥4,860(税込) UPCH-7448
期間限定スペシャル・プライス盤 : 2CD(2枚組) ¥2,980(税込)
UPCH-7449/50
●収録楽曲
[DISC1 / LIFE DISC]
1.Hello
2.Good Time
3.ライトスタンド
4.1988
5.さくら
6.ありがとう~旅立ちの声~
7.おかん~yet~
8.ライオン
9.Mornin’
10.コンパス -2016 Ver.-
11.友達の歌
12.ハイライト
13.大切なもの
14.You
15.ファンファーレ (2018 New Mix)
16.ドリームキャッチャー
17.プレイヤー
[DISC2 / LOVE DISC]
1.はじまりの恋
2.Eye to Eye
3.in what rain
4.君に恋をしています
5.Happy Wedding (2018 New Ver.)
6.ずっと
7.One Love
8.片想いの恋
9.You & Me -Remix-
10.Remember
11.エスコート (2018 New Mix)
12.冬が終わる頃に
13.君に願いを (2018 New Mix)
14.It’s more love -Remix-
15.Pain, Pain Go Away feat. MUTSUKI from Softly
16.世界中のどんなラブソングよりも feat. erica 17.i
[初回盤DVD / LIVE DISC]
コンパス [2015.1.31 @ SHIBUYA CLUB QUATTRO] / Trip [2016.5.3 @ BIGCAT] /
ライトスタンド [2016.12.30 @ なんばHatch] / おかん~yet~ [2017.7.15 @ Zepp DiverCity]
Good Time [2018.1.27 @ 中野サンプラザ] / ライオン (2018 New Ver.) [2018.7.22 @ Zepp DiverCity]
Chill Spot [2018.7.22 @ Zepp DiverCity] / in what rain [2018.7.22 @ Zepp DiverCity]
Hello [2018.7.22 @ Zepp DiverCity] / ドリームキャッチャー [2018.7.22 @ Zepp DiverCity]
ライブ・イベント情報
2019年1月20日(日) @ 大阪城ホール
OPEN 17:00/START 18:00
■ベリーグッドマン 2019年全国ホールTOUR情報
ベリーグッドマン“もっと てっぺんとるぞ宣言”ツアー2019 「i AM the BEST」
2019年5月6日(月・祝)大阪府 大阪国際会議場 メインホール
2019年5月11日(土)静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール
2019年5月12日(日)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2019年5月18日(土)岡山県 倉敷市芸文館
2019年5月19日(日)香川県 レクザムホール(香川県県民ホール) 小ホール
2019年5月25日(土)愛知県 名古屋日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2019年6月8日(土)熊本県 熊本県立劇場 演劇ホール
2019年6月9日(日)福岡県 福岡サンパレス
2019年6月15日(土)石川県 金沢市文化ホール
2019年6月22日(土)東京都 TOKYO DOME CITY HALL
2019年6月23日(日)宮城県 仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
2019年6月29日(土)北海道 道新ホール
2019年7月6日(土)広島県 JMSアステールプラザ 大ホール
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事の関連情報
ベリーグッドマン、“通して聴いても13分”のEP『Party Party Party』配信リリース+MV公開
ベリーグッドマン、「タンスの前でダンス」MV公開
ベリーグッドマン、ひらパー貸し切りスペシャルイベント開催
【ライブレポート】ベリーグッドマン、ベストアルバムを掲げたツアー完走
ベリーグッドマン、今秋デジタルEPリリース&全国5都市Zeppツアー開催
ベリーグッドマン、松屋タイアップソングに新曲「ガッツポーズ」書き下ろし
ベリーグッドマン、<BEST TOUR 2024 “GOOD GOOD GOOD”>開幕。追加公演も開催決定
【インタビュー】「DAM CHANNEL」20代目MCに森 香澄、サポートMCにチャンカワイが就任「プライベートな部分も引き出せたら」
2024年3月のDAM HOT!アーティストはアーバンギャルド、フジタカコら4組