【インタビュー】KNOCK OUT MONKEY、崩壊危機を乗り越えて「新しいミクスチャーを自分たちがつくる」
■“攻めたものにしたい”という
■全員の共通した思いがあった
──逆に自身が“一貫して変わらない”ところとは?
dEnkA:僕が変わらないのは、ずっとレスポールを弾き続けていることですね。“自分のイメージが固まってしまわないように、変えていきたい”という気持ちもあるけど、レスポールに対する気持ちは変わらない。これからも違うギターをメインにすることはないと思う。元々レッド・ツェッペリンからギターに興味を持ったというのもあって、“ジミー・ペイジといえばレスポール”みたいに同じギターをずっと弾き続けるギタリストが好きなんですよ。“リッチー・ブラックモアといえばストラトキャスター”とかね。もちろんレコーディングでは、いろんなギターを使いますけど、最初にそういうところに憧れたので自分も続けたいなと思っています。
w-shun:もうね、dEnkAが違うギターを持ったときの違和感をみんなに知ってほしい(笑)。ストラトを持ったときの違和感、ハンパじゃないんですよ(笑)。
dEnkA:うん(笑)。特にサーとかトム・アンダーソンみたいなハイエンド系ストラトタイプは、自分でも違和感しかないです(笑)。
w-shun:そうそう(笑)。
──レスポールが似合いすぎると言い換えることもできるでしょうから、それはメリットですよね。w-shunさんの変わらないところは?
w-shun:どうやろう……なにかに対して吠えていたいとか噛みつきたいという気持ちは、全然変わらないですね。それが結果的に、自分がつくる音楽に反映されることが多い。だからロックを選んでいるんだと思う。そういう人間なので、もしもこの世から音楽がなくなってしまったら、ものすごくストレスが溜まって、すっげぇ太って、ハゲるんじゃないかなと思います(笑)。
dEnkA:ははは。w-shunは音楽がなかったら、マジでヤバいと思う(笑)。それは俺も一緒かな。もし音楽がなくなったら、気の小さい自分に戻ってしまうかもしれない。僕にしてもw-shunにしても、本当に音楽に救われていますね。
▲3ndミニアルバム『BACK TO THE MIXTURE』 |
w-shun:元々今年はリリースの予定がなかったんですよ。リリースに関係なく曲を作っていく中で、「Black or White」ができたときに、“これはカッコいい!”という話がスタッフから上がって。“ならば、作品として出されへんか?”と会社に逆提案したところ、“夏をめどに”という返答を得たところから今回の制作は始まったんです。つまり、『BACK TO THE MIXTURE』は、自分たち発信でつくることにしたという。
──一番最初に出来た曲が「Black or White」?
w-shun:いや。4曲目の「Sailing day」はデモがかなり前にできていたけど、わりとキャッチーな曲なので、今はそういうモードではないなとも思っていたんです。
dEnkA:“次の作品は攻めたものにしたい”という全員の共通した思いがあって、ポップよりも激しめでいこうぜと。そういう中で「Black or White」が出来上がって、音源を作ろうという方向へ。
──自分たちから行動を起こされたんですね。では、その「Black or White」の話からうかがいますが、ヘヴィな歌中と高速ビートで疾走するサビの対比が印象的なロックチューンです。
w-shun:最初にリフができて、そこから広げていきました。歌詞に関しては、今回、全体を通してそうなんですけど、あまり手直しをしていないんですよ。“こういう曲だから、こういうメッセージにして……”みたいな考え方はしなかった。それぞれの曲から受けた第一印象に沿って歌詞を書いていったんです。
──「Black or White」もそうだと。
w-shun:そう。自分の中のモヤモヤしているものを、そのまま歌詞に落とし込んだだけ。バンド活動も、日常生活も、歳をとればとるほど選択を迫られる局面が増えますよね。ただ、その選択って、どっちかが絶対的に正しくて、どっちかが間違っているということでもなかったりする。僕はその両方を見極めたうえで、自分自身が答えを出すことが一番大事だと思っているんです。「Black or White」は、そこに対して自分が思っていることを書きました。
──パーソナルな思いを綴った歌詞でいながら、大きなメッセージになっているとも言えますね。今は情報で溢れかえっている時代で、自分にとって正しいものを見極める目がより必要になっていますから。
w-shun:メジャーのフィールドでキラキラしたものも見ているし、キャリアの中でドロドロしたものも見てきた。じゃあ、キラキラしているものが絶対的に良いかというと、そうでもない。煌びやかな世界には裏側があって、キラキラとブラックな部分が表裏一体だったりもする。だからこそ、自分が実際に経験して、咀嚼してから答えを出すことが大事で。思い込みだけで突っ走ったり、敷かれたレールの上をいくだけでは、本当に自分が進むべき道は見えてこないんです。それが「Black or White」の歌詞になっています。
dEnkA:ギターとしては、あまりメロディックにしたくなかったんです。だからリフ押し。コード感が出てくるのはサビからで。それにギターソロもマリリン・マンソン的なノリというか、インダストリアルな感じで、悪そうな部分を出したいなと。結果、歌中のソリッドさとサビのエモさのコントラストを際立たせることができたかなと思います。今回のアルバムでは「Black or White」はもちろん、2曲目の「It’s going down, No doubt」も僕の中では印象強いですね。この曲は不思議な作り方をしたんですよ。
w-shun:そうそう(笑)。
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