【ラストライブ直前対談:1】ベビレ高見&渡邊×鶴「いつも楽しく終わってるので、笑って終われるといいね」

ポスト


ベイビーレイズJAPANが、2018年9月24日をもってグループを解散する。結成から6年間にわたり突っ走ってきたメンバー5人の側には、様々なスタッフ、アーティスト、虎ガー(ファン)達の姿があった。山中湖でのラストライブ<全虎が啼いた!伝説の最高雷舞(クライマックス)>までのこり一週間となった今、BARKSではベイビーレイズJAPANのメンバーと、彼女たちに楽曲提供を行なってきたアーティスト達との対談を全3回にわけて掲載していく。

第1回はベイビーレイズJAPAN高見奈央&渡邊璃生と、スリーピースバンド・鶴との対談。ベビレの解散発表後、鶴の3人がベビレメンバーと直接話をするのはこれが初となった。グループ初期から彼女たちを見守ってきた鶴の3人と、なおすけ&りおトンのトークは終始ホットでユーモラスな空気の中進んでいった。

◆ベイビーレイズJAPAN(高見奈央、渡邊璃生)、鶴 写真

■鶴の曲を歌わないといけないのに、ついついベビレの曲を口ずさんでしまうっていう。“あっちこっちそっちどっち”(恋はパニック)って言っちゃう感じでしたね。(秋野温)

——まず、最初に解散を発表してしばらく経った現在の心境からお聞かせください。

高見奈央(以下、高見):実感がないですね。<最高雷舞>のリハーサルも始まってるんですけど、普通のワンマンライブのリハをやってる気分なんですよ。夢に解散ライブがでてくるんですけど、それもすごく楽しくて。寂しい気持ちが全くない夢なので、本当にいまだに解散するのかな?っていう感じですね。

渡邊璃生(以下、渡邊):ラストライブのリハーサルとか、セットリストや演出をどうするかを考えることでいっぱいいっぱいの状況なので、感傷に浸る時間は少ないんですけど、ふとした時に、あと何日で終わりなんだなってしんみりした気持ちになったりしてます。

——鶴の皆さんさんは解散を知ってどう感じました?

笠井快樹(以下、笠井):最初に聞いたのは3人一緒にいるときだったので、大騒ぎして。でも、本当に終わる感じがしなくて。もしかしたら、ラストライブで「ベイビーレイズワールドです!」って新グループを立ち上げるんじゃないかと今でも思ってます(笑)。


▲秋野温(鶴)

秋野温(以下、秋野):僕は想像したことはないわけではなく、いつかは……って考えたこともあったし、もっと早い段階で考えてたこともあって。それこそ、武道館を目指す時期から関わっているので、常にもしかしたらと思っていたので、とうとうこの日が来てしまったかっていう気持ちです。これから先、どうなっていくんだろうなっていう楽しみもあるけど、純粋にさみしいなっていう気持ちの方が強いかな。最初に聞いたときは、リハーサル中だったんですけど、ショックでギターが手につかなくて。全然歌えませんでした。

笠井:ミスが多かったな。

神田雄一朗(以下、神田):動揺が出てた。

秋野:鶴の曲を歌わないといけないのに、ついついベビレの曲を口ずさんでしまうっていう。“あっちこっちそっちどっち”(恋はパニック)って言っちゃう感じでしたね。

高見:あはははは。そうだったんですね。

神田:皆さん知ってると思うんですが、うちの奥さんが熱烈でガチのファンなので、この話を聞いたときに、直接会った時に伝えるか、先に電話で伝えるか、すごく悩んで。会った時に伝えたら落ち方が半端ないだろうなと思って、先にラインで送ったら、既読になって返信がなかったんですね。これはちょっとやばいぞ、かなり落ちてるなと思って。夜の11時くらいに家に帰ったら、案の定、落ちてて。「大丈夫だった?」って聞いたら、「ひとしきり泣いた後です」って。心の支えを失ったみたいな感じでした。玄関入ってすぐの扉に過去のポスターやチラシが全部入ってるので。

秋野:サイン入りだよね。一番最初に俺らが会った時にサインをもらったやつ。

神田:そうそう。だから、自分も落ち込んだし、夫婦で凹んだっていう感じですね。

高見:変な言い方ですけど、そういう言葉を聞くと嬉しいですね。

——今日、直接会った時に言おうと思ってたことありますか?


▲高見奈央(ベイビーレイズJAPAN)

高見:発表後に会うのは初めてですよね。

秋野:そうだね。メンバーはどういう状態でいるのかな?と思ってたんだけど、さっき、事務所のビルの下でリコピン(大矢梨華子)にも会いましたけど、みんな、さらっとしてるというか。

高見:あはははは。へらへらしてますよね。

秋野:いろいろ考えることも多いかと思いますけども、本当になんでかなって。発表されている通りなんだろうけど、どういう心境の変化があったのかが聞きたいかな。

高見:同じことになっちゃうかもしれないんですけど、去年、 野外ワンマン3連戦が終わって、5周年という節目もあって。そこからの<「EMOTIONAL IDOROCK FES. 2017」 ~僕らはここにいる!~>開催だったので、みんなでこれからどうしていくかっていう話が多くなってる期間中だったんですよ。

渡邊:年末にご一緒した時ですね。

高見:そこでメンバーみんなで話してて。グループ活動を続けていくのかどうか。個人活動をしたいっていうメンバーもいるので結構揺れ動いてたんですけど、グループをやりながらだと中途半端になっちゃうので、だったらここで解散して、それぞれの道を頑張っていこうよっていう話になりました。

秋野:それは、みんな残念だけど、それぞれがやりたいことを尊重しようっていうことなのかな。

高見:グループをやってるからわかると思うんですけど、グループって一人ではできないじゃないですか。

——鶴は結成15周年を迎えましたが、一度も解散を話し合ったことはないですか?

秋野:今のところ、バンドをどうするかっていう話になったことはないね。ただ、デビューの時とか、メジャーのレーベルとの契約が終わって自主レーベルを始める時とか、節目節目でこれからどうしようかっていう話はしてますね。それも“それぞれ新しい方向へ”というよりは、鶴としてどうしようかって考えてた。おかげで。でもね、ベビレはそれぞれが活躍できる場があるからね。例えば、俺が急に役者を始めるって言っても……。

神田:1回だけ舞台をやったことあるよね。1回しかないけど。っていうことは、そういうことだよね(笑)。

秋野:あははは。もしかしたら誰かが海外行きたいとか言い出したらわからないけど。そういうメンバー内の尊重がありつつなのかなって思うけど。

高見:鶴さんの結成15周年の日に一緒にいた時も話には出ていたので、続けることってすごいなって感じてました。

神田:でも、なおすけが21歳でりおトンが18歳でしょ。俺らが鶴を始めたのが21くらいだもんね。その年齢から始めたバンドが続いてるってことだから。

秋野:そう。俺らからしたらスタートの年だから。

神田:スタートがベビレを5年間やってきたいまのみんなの状態っていうのは、俺らのハタチくらいの頃とはレベルが違いすぎて、なんかすみません!みたいな。いまの二人は、俺らの27〜8の頃の感じ。

秋野:10代後半はまだエアガンで遊んでたからね(笑)。バイトもせずに河原に行って、エアガンで遊んでた。

笠井:バイトしないでエアガンで遊んでたのは君らだけだから。俺がバイトで稼いだお金を全部、二人に持って行かれたんだから。

神田:同級生だからね。やっぱり好きだったんだな、俺らのこと。

高見:あははははは。愛が伝わってきますね。

——(笑)先ほどポスターにサインしてもらった話がありましたが、最初の出会いを覚えてますか?

渡邊:直接、お会いしたのは つるとんたん(うどん店)ですね。


秋野:最初の曲「SMILE」を書かせてもらったときは、会ってない状態で。そのあと、ライブを見に行かせてもらって。下北沢GARDENだったかな。そこで、「SMILE」がライブでどんな風になってるんだろうって遊びに行かせてもらった時に、楽屋でちょろっと挨拶して。そのあと、ちゃんと面識を持ったのは、つるとんたんの直談判企画。(※動画シリーズ『虎ノ門列伝』#56)

高見:その節はご迷惑をおかけしました(笑)、うちのりおトンが。

渡邊:すみませんでした!

秋野:全然全然。あれは後世にも語り継がれる名シーンになってるでしょ。

神田:あの頃、12〜13歳くらいでしょ。中2だったら記憶にあるよね。

渡邊:覚えてます! 今日みたいに対面して、つるとんたんを食べながら直談判するっていう企画で、ちょうどいまと同じく、笠井さんが目の前にいて。うどんにかける胡麻をずっと擦ってました。


▲笠井快樹(鶴)

笠井:本当にお姉さんになったんですね〜。ゴマすってないもんね、今。

渡邊:そうですね。でも、胡麻があればいつでも擦ります。

——(笑)初対面の二人はどんな印象でした?

秋野:りおトンは不思議キャラ。

笠井:俺、その時も言ったけど、「手に負えないな」って思いましたね。

秋野:うちのバンドではあたりが良いというか、どんな人と会っても、うまいこと受け入れて、扱えるタイプの彼が、りおトンを目の前にして、「扱いきれねー」って。

高見:(拍手)すごい! 勝ったね、りおトン。

秋野:そういうキャラだったよね。

渡邊:でも、胡麻を受け取ってくださったので。

笠井:擦り切った胡麻をね。通じ合えた気がした(笑)。

秋野:なおすけは当時から今に至るまで、いい意味で変わってない。ずっとパワフルスカッシュガールを地でいってるな〜みたいな。どんどんパワフルさが増して、肝っ玉お母さんになってるのかな。

神田:最近はお母さんみたいだよね。でも、そう思いきや、意外と一番乙女だっていう。そこが良いところですよって嫁からも聞いてます。

高見:恥ずかしい(笑)。

——グループとしては何か変化や成長を感じてます?

秋野:最初の頃は、僕も勝手なアイドル像があったし、直接会った時も当時はみんなもっともっと若くて、大人に囲まれてる中で、何に対しても全力でキャッキャしてるっていう。ガンバってんだなっていうイメージがあったんですよ。でも、この5年くらい付き合ってきて、近くで見るたびに、この若さで酸いも甘いも味わった強さを感じるようになってきましたね。

——ベビレにとっては鶴はどんな存在ですか?

高見:本当にお兄ちゃんですね。ライブの煽り方とか、立ち振る舞いとかを見て勉強したり。昨年末のエモフェスでも、自分たちもライブの経験を重ねて知っていくたびに、鶴さんのライブって本当にすごいなって思うようになってきて。虎ガーさんがすぐに鶴さんの雰囲気に変わる。あの、ノリやすい空気にしてるライブを見て、その時は、いつかこういうライブができるのかなって思ってました(苦笑)。本当にいろんなことを学ばせてもらいましたね。

渡邊:私たちがベイビーレイズJAPANに改名する前からずっとずっとお世話になっていて。しかも、楽曲提供もたくさんしていただいて。本当に虎ガーさんも鶴さんの楽曲が大好きですし、ライブでコラボさせていただいたり、対バンさせていただく度に、虎ガーさんも喜んでくださっていて。いまのベイビーレイズJAPANを作り上げるにあたって、私が言うのもおこがましいんですけど、本当に必要不可欠な存在でしたし、感謝しています。

秋野:ありがとうございます。

笠井:……コメントまでお姉さんになったね〜。

神田:こんなに成長して。本当に幸せになって欲しい。

高見:あははははは。親戚のお兄さんみたいになってる。

◆インタビュー(2)へ
この記事をポスト

この記事の関連情報