【ラストライブ直前対談:2】ベビレ傳谷&大矢×クアイフ「感情のままに、その時間を素直な気持ちで」

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9月24日に山中湖でのラストライブをもって解散するベイビーレイズJAPAN。ラストライブ<全虎が啼いた!伝説の最高雷舞(クライマックス)>までのこり一週間となった今、BARKSではベイビーレイズJAPANのメンバーと、彼女たちに楽曲提供を行なってきたアーティスト達との対談を全3回にわけて掲載していく。

第2回はベイビーレイズJAPAN傳谷英里香&大矢梨華子と、スリーピースバンド・クアイフとの対談。森彩乃(クアイフ)が冒頭から「泣けてくるよ〜(泣)」と涙腺を緩めにかかってくるなか、思い出の楽曲トークではベビレの“エモさ”の意外な舞台裏が明らかになった。

◆ベイビーレイズJAPAN(傳谷英里香、大矢梨華子)、クアイフ 写真

■ファンと同じ気持ちと、分かるよという気持ちと。だけど、解散した後も楽しみだなとか。いろんな気持ちがある(森彩乃)

——ラストライブに向けて、いまはどんな心境ですか?


▲傳谷英里香(ベイビーレイズJAPAN)

傳谷英里香(以下、傳谷):私はあまり実感がなくてですね。ライブに向けて準備していくなかで、ライブのことやファンのことを考えると、寂しい気持ちになって胸がザワザワして落ち着かない感じはあるんですけど。本当に終わるだという実感はなく、なんともいえない心境ですね。

大矢梨華子(以下、大矢):今はラストライブに向けてやるっきゃないなという気持ちですね。もうこの6年間で私はやりきったなという気持ちが大きくて。もちろん、もっと立ちたかったステージはたくさんあるものの、グループとして日本武道館に立てたというのはすごく大きかったですね。さらに、クアイフさんを始め、この6年間に素敵な曲をたくさんいただけたというのも私たちのこれからの財産で。そんな経験を本当にたくさんさせてもらったので、あとはラストライブに向けて気持ちを高めて。アイドル人生の幕を閉じるまで、ファンの方と一緒に「いい6年間だったな」と思える時間を作ることに専念しなきゃなと思っているところです。

——なるほど。ではラストライブの前夜祭への参加も決まったクアイフさんですが。彼女たちの解散を知ったとき、どうでしたか?


▲三輪幸宏(クアイフ)

三輪幸宏(以下、三輪):最初に知ったのはネットのニュースだったんですよ。そのときに3人で一緒にいたのかな?

内田旭彦(以下、内田):いや。僕がバンドのLINEアカウントに「ベビレ解散だってよ」って入れたんだよ。

傳谷:『桐島、部活やめるってよ』じゃなく(笑)。

三輪:それで自分でも調べて「マジか」と。ただ寂しかったです。もう一緒のステージに上がれなくなるのかって。でも解散後は彼女たちも違うステージに上がってくるよな、そういう未来も楽しみだなといまは思ってます。

森彩乃(以下、森):私たちはベビレと関わらせてもらって以降、イベントにも呼んでもらったので、虎ガーさんたちもクアイフのライブに来てくれたり、サイン会のときに話す機会もあったんですよ。だから、SNSとかでファンの方がショックを受けてるのを見ると「辛いよな」と同じ気持ちになりました。だけど……ダメだ。私こういう話してると泣けてくるよ〜(泣)。

傳谷:えーっ!!

大矢:まだ始まったばかりですよ〜。

森:大丈夫、大丈夫。そういうファンと同じ気持ちと、もう一つ。みんなはアイドルだから、会うといつも笑顔で一生懸命だけど、やっぱり苦しいこと、辛いことがあるんだなって。それはバンドも同じだから分かるよという気持ちと。だけど、解散した後も楽しみだなとか。いろんな気持ちがあるから、私は混同してます。いろんな気持ちが入り混ざって。

内田:2人と僕も一緒で。彼女たちと出会って、僕たちはそこから新しい自分たちのスタートがきれたんですよ。いままでアイドルの方と対バンする機会なんてなかったですから。

——楽曲提供もベビレが初ですか?

内田:そうなんですよ。だから、彼女たちに教えてもらったことがいっぱいあって。本当にリスペクトしてるんです。ベビレとは過去に大阪ツーマンに誘っていただいたことがあるんですけど、僕らからまだお誘いしたことがないんですよ。なので、時期をみて僕らからお誘いしてツーマンしたいなと思ってた矢先だったので、それが叶わなかったことは残念に思ってます。

——ベビレとクアイフは楽曲提供を通して出会ったんですよね?

傳谷:はい。

大矢:最初に「ノンフィクションストーリー」という楽曲を提供していただきまして。(※9thシングル「栄光サンライズ」収録)

森:非常に摩訶不思議な(笑)。


▲内田旭彦(クアイフ)

内田:だいぶ難しい曲でした(笑)。そのときはメンバーと面識もなかったので。その後に提供させていただいた「Dreamer」(※11thシングル「走れ、走れ」収録)のときはもう面識があって、対バンもさせてもらった後なので、「でんちゃんならこう歌うな」、「リコピンはこう歌うな」というのをイメージしながら作ったんですけど。「ノンフィクション〜」はまったくそういうものがなかったんで、これで驚いてくれ、みたいな気持ちだったんですよ。

大矢:それで、もれなく驚きましたね(笑)。

——いきなりあれがきたらそうなりますよね?

大矢:ええ。だから。レコーディングもすごい苦戦したんですよ。テンポが難しくて。いままでは感情をそのままぶつけて歌う曲が多かったので「これ、どういう感情?」って。

内田:だはははははっ(笑)。

大矢:しっとりでもないし、棒読みで歌うのも違うなと思って。かなり苦戦しましたね。ライブでもすっごい難しいです。いまだに。表情もサビになったら笑顔でいこうと決まっているんですよ。それまで笑わないっていうのがそもそも私、無理で。

森:笑っちゃうってこと?

大矢:はい。なんかみんなが(人形みたいに)ロボットやってるのが面白すぎて。だから、新しい挑戦でしたね。あの曲は。私たちの楽曲のなかに新しいジャンルを作って下さった1曲だと思います。

傳谷:私はもともとクアイフさんの世界観が大好きで。しかもベビレの曲のなかで、ピアノの音が全面に出る曲ってそれまでなかったんですよ。私は元々ピアノをやってたので、余計にこの曲の世界観に魅了されたっていうところはありました。私は曲もダンスも好きだからもっとライブでもやりたいんですけど。

森:なかなか(セトリに)食い込んでこない?

大矢:ノンフィクション〜or〇〇という感じで入ってくるんだけど、落ちちゃうんです。

内田、三輪:ぶはははっ。

傳谷:だから、お客さんも「ノンフィクション〜」聴けたときは「うぉー!!」となります。

内田:ベビレと対バンしたときは、自分たちが演奏してベビレが歌うこともあったんですけど、演奏も難しいもんね?

森:自分たちでやっても難しいんですよ。

内田:クアイフ史上一番難しい曲かもね。

——ではその次に提供された「Dreamer」。こちらはさっき内田さんがおっしゃってたように、彼女たちが歌うことを前提として作ったということですが。歌詞はどんなイメージで書かれたんですか?


▲森彩乃(クアイフ)

森:夢を追っていくベビレが虎ガーのみなさんと一緒に前に向かっていこうという気持ちと、でもAメロとかBメロとかで、そういう辛いこともあるよね、苦しいこともあるよね、みたいなことも書いてて。ただ単に明るいだけの歌ではなく、苦しさも乗り越えていこうという意味合いで当時作った曲ですね。だけど、その時々で曲の意味、歌詞の響き方は違うと思うんで。解散が決まった今は、この後解散してしまってもここまでみんなと夢を追ってきた気持ちは本物、だからラストライブを成功させて、その後はさらにその先に描く夢に向かっていってほしいな、と。いまはそういう意味合いで聴こえるんじゃないかなと思います。

——お二人はこの「Dreamer」が届いたときは、どんな印象だったですか?

傳谷:めちゃめちゃいい曲だなと。

大矢:そして、かんた〜ん!! と思いました。

内田、森、三輪:うはははははっ(笑)。

大矢:歌ったら泣きそうになりました。

——なんで泣きそうになったんですか?

大矢:自分たちのことを本当に書いて下さってるなと思ったからですかね。さっき森さんがおっしゃって下さったように、AメロBメロはちょっとしっとりで。2Aは私と高見(奈央)で歌うんですけど。そこの歌詞は「そうそう! そうそう!」って本当に思いながら歌ってて。本当にいい曲なんですよ。

傳谷:いま思い出したんですけど。この曲を初披露した東京ドームシティホールのアンコール。私、歌いながら泣いてたんですよね

森:へー。そうなんだ。

——なんで泣いちゃったんですか?

傳谷:その1日だけじゃなくて、これまでを振り返って、ベイビーレイズからベイビーレイズJAPANに変わった頃の一番つらかった当時のことを思い出したり。JAPANになってからの悔しさやつらさも走馬灯のように出てきちゃったんですよ。それでも活動は進んでいくし、前を見なきゃいけないと私は前向きにとらえてたんで。そういうものを全部素直に表現したら泣いてたんですよね。

——これは歌詞を書いた森さんに質問なんですけど。この曲でポジティブな日々だけではなく、つまずいたり涙した日々も描いて彼女たちに歌わせた真意を教えてもらえますか?

森:もちろんベビレのみんなが歌うことを考えてるんですけど、自分たちが曲を作る上で、自分が歌詞を書くとしたら、自分が本当に思ってることじゃないと嘘になるなと思ってて。ベビレはネガティブを歌うカラーではないけど、絶対そんなずっとハッピーなことばっかりじゃないでしょ? 人間なら。というのが私が思ったことで。そういうちょっとネガティブなところも書いてみたらそれが受け入れてもらえて。アンコールで涙するぐらい感動してもらえたのは、すごく嬉しかったです。

——なるほど。

◆インタビュー(2)へ
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