【千歌繚乱インタビュー】The Benjamin、キャッチコピーは“オジかわいい”
2014年まで活動していた花少年バディーズのメンバー3人が結成したThe Benjamin。3ピース、そして3人がヴォーカルも担当するという、ヴィジュアル系では珍しい形態のバンドだ。今回、9月26日に渋谷REXで開催される<千歌繚乱vol.18>に出演するにあたり、The Benjaminがどのような思いで音楽に向き合っているのかを探ってた。
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※本記事は9月26日に渋谷REXにて開催される<千歌繚乱 vol.18>において、来場者限定で配布される「千歌繚乱 ARTIST BOOK」掲載のインタビューの一部を事前に公開するもの。「千歌繚乱 ARTIST BOOK」ではメンバーへの一問一答アンケートなど、より深い内容が掲載されている。
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■“こういう音楽の楽しみ方もあるんだよ”っていうきっかけをたくさん与えてあげることができたらいいな
──2015年2月の初ライヴから本格的に始動したThe Benjaminですが、ヴィジュアル系シーンでは珍しくメンバー全員がヴォーカルをとる3ピースバンドという形態ですね。
ミネムラ“Miney”アキノリ(Vo&G):まずヴォーカルが3人っていうのは、THE ALFEEに憧れて……。
──ああ、Mineyさんの髪の色も高見沢さんを意識してる感じですね。
一同:爆笑
ミネムラ“Miney”アキノリ:どうしてもヴォーカルが見つからないけどバンドはやりたいってなった時に、ビートルズもそうですけど、メンバーみんなで歌い回してもいいんじゃないかなと思って。僕ら3人の共通する好きな音楽って、ビートルズをはじめロックのルーツミュージックだったりするし。それで始めて半年くらいで目覚めたのは、自分たちの音楽ってちょっとキュートなサウンドなのかもしれないと。見た目がかわいいとかじゃなく(笑)。まあキャラは3人とも“オジかわいい”が入ってるんですけどね。
ウスイ“Tacky”タクマ(Vo&G):言ってったほうがいいよね(笑)。
ミネムラ“Miney”アキノリ:“キュートなロック”っていうのはバンドのキャッチコピーの1つになってますね。
ウスイ“Tacky”タクマ:でも最初は全然違ったんだよね。パンクとか男臭いロックをやろうと思ってたんですけど、だんだん変わってきたよね?
ツブク”Mashoe”マサトシ(Vo&B):うん。ライヴもガツガツ攻めた感じでやろうって話してたんですけど、やっぱりお客さんが笑顔になってくれる瞬間に“あ、これだわ!”って思うことが多くて。僕らがやりたいことってこういうことなんだっていうのがちょっとずつ見えてきた感じですかね。
ミネムラ“Miney”アキノリ:オジかわいさがね〜(笑)。
ツブク”Mashoe”マサトシ:そのオジかわいさで笑顔になってくれればいいなと(笑)。
──The Benjaminって楽しみながらバンド、音楽をやってるのがすごく伝わってくるんですよね。
ツブク”Mashoe”マサトシ:自由度は高いですね。頑張らなくていい自由っていうか。“これがやりたい!これしか見えない!”っていう感じじゃなくて、周りを見ながらやりたい方向に向かっていけるようになってきましたね。
──それはやっぱりキャリアですかね。
ミネムラ“Miney”アキノリ:“オジかわいい”のひと言でまとめてもらっていいっすか?(笑)。時間だけが過ぎただけで、キャリアとか貫禄とかあまりないんで(笑)。
──自由に音楽をやってる中でも、作品毎に毎回コンセプトを立てて作られていますね。
ミネムラ“Miney”アキノリ:そうですね。自由と言っても、楽しようとしてるわけではなくて。自由にいろんなものに挑戦したり実験しながら進化していく形が自由っていう。そういう意味では制約されず、興味を持った音楽に向かっていける良いバンドだなと思いますね。
──3人は前々身バンドから一緒でつきあいも長いですが、今までやっていなかった全員がヴォーカルを取るスタイルが加わったこともありますし、制作時には今もお互いに新しい発見もありますか?
ミネムラ“Miney”アキノリ:メンバーのポテンシャルは常々新鮮に感じますね。才能的なところもそうだし。“ああ、コイツこういうことできるんだ”とか、“練習してきやがったな”とか(笑)。常にマンネリ化しない3人でいられるというか。
──曲作りやアレンジでは“こんな新しい面を見せて驚かせてやろう”みたいな気持ちも?
ツブク”Mashoe”マサトシ:ありますね。今年出したアルバム『ブーゲンビリア』でも、タイトルからは想像できない曲にしてやろうと思って作りました。でも作ってる途中でTackyが聴いちゃうんですよ。
ウスイ“Tacky”タクマ:“それいいじゃん!いいじゃん!”って言って(笑)。
ツブク”Mashoe”マサトシ:せっかくびっくりさせようと思って作ってんのに聴いちゃったよ〜と思って(苦笑)。8月リリースの会場限定シングルを作ってる時も聴かれたのでその曲はボツにしました。
──Tackyさん、なんで聴いちゃったんですか(笑)。
ウスイ“Tacky”タクマ:ねっ!すごいカッコよくて、“それだったらこういうギター弾けるじゃん!”と思ってちょっと弾いてたのに、持ってきた曲、全然違うじゃん!って(笑)。あまのじゃくだわ〜。でもいずれ出すんでしょ?
ツブク”Mashoe”マサトシ:もう捨てちゃった。完全にゴミ箱を空にしちゃったから(笑)。
──やっぱり“ライヴでこういう曲あるといいな”っていうところで作ることが多いですか?
ウスイ“Tacky”タクマ:僕はめったに作らないですけど。自分のキャラも含めて自分が歌うとなるとシリアスな曲じゃねえなって。ライヴで楽しく元気にやれるのがいいなとは思いますね。
ツブク”Mashoe”マサトシ:ただ僕、速い曲を作るのが苦手で。
ミネムラ“Miney”アキノリ:俺も!基本的に速い曲は作んないですね。他のバンドのライヴを観て“羨ましいな、こういう作ってみたいな”って思うんだけど、なんか俺たちが作る速い曲ってダッセーもんね!(笑)。
ツブク”Mashoe”マサトシ:なんか違うんだよね(笑)。あと賑やかな曲とか、自分が歌ってるのを想像できないまま作って、ライヴでちょっとずつ曲に自分が合わせていくことも多いですね。
ミネムラ“Miney”アキノリ:ヴォーカルが3人だから何か足りないと思えば足していけるので。余計な足し算をいっぱいするのもまた面白いんですよね。
──ところで6月22日にTSUTAYA O-WESTで行った<The Benjamin 3rd Anniversary ONEMANSHOW>を終えてどんなことを感じましたか?
ミネムラ“Miney”アキノリ:まだまだ若いなと思ったよね。もっとやりたいことや成長していきたい部分が見えたし、続けたいっていう気持ちがより強くなりました。
ツブク”Mashoe”マサトシ:僕は2周年のときのO-WESTと違ってより楽しめたんですよね。意気込み過ぎず、何も背負わずにできた気がします。自分たちと、そこに来てくれた人たちを心から楽しませたいっていう気持ちしかなくて、実際そういうライヴができたなと終わった時に思いましたね。
ウスイ“Tacky”タクマ:やっぱり始まる前はいろんな葛藤もあったんですけど、終わってみたらひとつの理想的な形のライヴができたような気がして。だからこそもっと良いライヴがしたいっていう気持ちがわいたのも良かったなと思いますね。
ミネムラ“Miney”アキノリ:常に新しい発見と進化を求めているので、この珍しいバンド形態も活かしつつやっていきたいなと思ってて。それで9月のMashoeのバースデーライヴではMashoeが歌う曲だけのワンマンをやったり、ヴォーカルパートを変えてやるワンマンをやったり。
ミネムラ“Miney”アキノリ:ゲストミュージシャンを向かい入れてThe Benjaminの楽曲をアレンジしてやるんですよ。
ウスイ“Tacky”タクマ:ウチならではですよね。
ミネムラ“Miney”アキノリ:わりと隙がある編成だから、そういうことも楽しめるんですよね。ファンの方もその都度新鮮に聴けると思うし。これからどんどんこういうことをやっていきたいなと。バンドが好き、メンバーが好き、世界観が好きっていうのももちろん大事なことだけど、それプラス、“こういう音楽の楽しみ方もあるんだよ”っていうきっかけをたくさん与えてあげることができたらいいなと思ってますね、The Benjaminというバンドで。
ツブク”Mashoe”マサトシ:「あれ良かったね」「こっちのほうが良かったね」って会話になるほうが面白いですよね。
ミネムラ“Miney”アキノリ:「歌変えてみたけど、そっちのほうがいいんじゃない?」とかね。
ツブク”Mashoe”マサトシ:ゲストミュージシャンが弾いたフレーズが良かったら、ちょっと盗んでみようかな〜とか(笑)。
ミネムラ“Miney”アキノリ:新しいメンバー入れて、Tackyをちょっと……(笑)。
ミネムラ“Miney”アキノリ:こういうイベントに出るのって珍しいんですよ。今まで仲間内のイベントが多かったので。
ツブク”Mashoe”マサトシ:ウチはイベントの時、イベント全体を楽しんでもらえるような構えなんですよ。
ミネムラ“Miney”アキノリ:イベントを盛り上げるために俺たちは呼ばれてるわけだから。
ウスイ“Tacky”タクマ:それはいつも言い聞かせるもんね。
ミネムラ“Miney”アキノリ:動員とか知名度とか話題作りで呼ぶんだったら他のバンドを呼んだほうがいいんですよ。俺たちは盛り上げ専門で行ってるから、盛り上げなかったらダメ。だから客呼ぶバンドは客を呼ばなきゃダメ。話題性を作るバンドは話題性を作らなきゃダメ。The Benjaminは現場を盛り上げる用のバンドだから。
ツブク”Mashoe”マサトシ:野次馬みたいなもんだね(笑)。それができた日のライヴ後はちょっとテンション高いですね、「今日は仕事したよ!」って。
ミネムラ“Miney”アキノリ:最近俺が覚えたのはね、人のライヴの終わりがけ、間違えてステージに出て行っちゃうっていう。
ツブク”Mashoe”マサトシ:そう!主催者さんとかが「次でラストです」って言うと、いつの間にか楽屋からいなくなってて。モニターを観てると、最後にジャ〜ンとやってる時に拍手しながらMineyが出てくるんですよ。
──怒られないですか!?
ミネムラ“Miney”アキノリ:怒られたことはないけど、メンバーみんなすげえびっくりしてる。“ここステージだけど出てきちゃって大丈夫!?”って(笑)。
ツブク”Mashoe”マサトシ:お客さんが拍手しながらワァ〜!ってなってる時に、同じテンションで出ていくからね。それでヴォーカルとハグをして帰ってくるっていう(笑)。
ミネムラ“Miney”アキノリ:Soanプロジェクトでやろうかな?「(Soanの口調で)ちょっとやめてもらっていいっすかあ?」って言われそうだよね(笑)。まあ俺たちはいつも通り賑やかで楽しいライヴをやるだけですね。
取材・文◎牧野りえ
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The Benjaminが出演する<千歌繚乱vol.18>、チケットは現在イープラスにて発売中。
<千歌繚乱vol.18>
出演:EVERSSIC/Soanプロジェクトwith芥/ヘルタースケルター/The Benjamin/More
会場:渋谷REX
料金:【先行チケット】3,500円 【一般チケット】3,800円 【当日券】4,000円 ※ドリンク代別途
・チケット受付
【先行抽選受付】
7月13日(金)12:00~8月19日(日)16:00
チケット購入ページURL:[チケットデリ] http://ticket.deli-a.jp/
【一般先着受付】
8月20日(月)12:00~9月25日(火)
[イープラス]
チケット購入ページURL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002265279P0030001
<The Benjamin Collaboration ONEMANSHOW「Boys 2 Men」>
会場:渋谷DESEO
出演:
The Benjamin
ゲストミュージシャン
第1部 G.KEN(怪人二十面奏)/B.華凛 O.A:ケンタッキー
第2部 G.加藤透/B.RENA(ex.THE BLACK SWAN)
開場/開演
第1部 15:00/15:30
第2部 18:30/19:00
料金(各公演)adv¥3,500/door¥4,500 ※1DRINK別途
(1部2部2公演の通し券 有り ¥7,000)
主催/企画/制作:BadeggBox
問い合わせ:会場
<The Benjamin Tacky Birthday Acoustic ONEMANSHOW「Tacky Halloween Acoustic~36の鳴いた夜~」>
会場:中野SpaceQ
開場/開演 18:30/19:00
料金 adv¥3,000/door¥4,000 ※1DRINK+おやつ別途
主催/企画/制作:BadeggBox
問い合わせ:会場
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