【インタビュー】サマソニ出演の15歳SSW・ルエル、「自分がいつも聴いているような、成熟した音楽を作りたいんだ」
Photo by Mitch Ikeda
エルトン・ジョンから「若手シンガーの中で最も素晴らしい声の持ち主だ」と絶賛されたルエル──そのヴォイスに加え、豊かな表現力と優れたソングライティング・スキルを持つ新鋭はまだ15歳。
◆ルエル映像&画像
12歳で曲を作り始め、エミネム、デミ・ロヴァート、ザラ・ラーソンらの曲を手掛けてきたプロデューサーM-Phazesに見出された彼は、10代の切ない想いや複雑な感情を綴った歌詞で共感を呼び、ソウルフルな歌声と奥深いサウンドが称賛され、おまけにイケメンと、瞬く間に注目を浴びた。
6月にEP「READY」をリリースしたルエルは、日本では3月に<POPSPRING>でライヴ・デビューを飾り、<SUMMER SONIC 2018>に出演するため、今月、早くも2回目の来日を果たした。時おり、あどけない表情を見せるものの、しっかりとしたヴィジョンと信念を持つ少年だった。
──デビューEP「READY」、とても良かったです。ヴォーカル、メロディ、表現どれも素晴らしくて……
ルエル:ありがとう、嬉しいな。
──なので今日、最初に訊きたかったことは、あなた、本当に15歳?
ルエル:うん、15だよ(笑)。10月の終わりに16になる。確かにまだ若いけど、子供っぽい音楽は作らないようにしてる。自分が好きで、いつも聴いているような成熟した音楽を作りたいんだ。
──音楽との出会いは? 音楽と縁のある家庭だった?
ルエル:父がオタクってくらい音楽が好きで、楽器は演奏してなかったけど、家ではいつもあらゆるジャンルの音楽をかけてた。だから僕も小さいころから、ジャズ、R&B、ソウルなんかを聴いてた。
──初めて自分で買ったレコードを覚えてる?
ルエル:うん、ジェイムス・モリソンの『Undiscovered』だった。5歳のときだよ(笑)。父はいろんな音楽聴いてたけど、とくにハスキーなヴォイスのものが好きで、僕は、そういう歌声の裏にいろんな感情が込められていることに気づいたんだ。
──5歳で?
ルエル:そう、5歳で(笑)。それでお小遣い貯めて、レコード屋へ行って、そのとき1番好きだったジェイムス・モリソンのアルバムを買ったんだ。そういえば、数ヵ月前、このアルバムを10年ぶりに聴いたとこだよ。当時と同じようにいいなって思った。素晴らしいアルバムだよ。
──楽器をプレイし始めたのは?
ルエル:小さいときから家の中で歌ってたけど、ギターを習い始めたのは8歳のときだった。
──いまのあなたの年齢くらいから曲を作り始めるって人が多いと思うんですが、あなたが初めてちゃんとした曲を作ったのはいくつのとき?
ルエル:12歳だね。学校もあって忙しいから、毎日、できるわけじゃないんだけど、なるべくスタジオに入りたい、クリエイティブでいたいって思ってる。曲を作るって、僕にとって癒しみたいなものなんだ。トラブルや悩みを書き出し、曲にすると、自分のことを理解するのに役立つ。すごくビューティフルなことだと思ってる。
──曲を書き始めた後に、声変わりがあったと思いますが、それって曲作りに影響しましたか?
ルエル:そう、12歳のころから声が変わり始めて、ちょっと鬱陶しかった(笑)。どんどん低くなって、前とは同じキーで歌えなくなったんだ(笑)。最近ようやく落ち着いたかな。
──歌詞は、すべて自分の体験から?
ルエル:95%はそうだよ。僕が実際に体験したことだ。だから、すごく感情がこもるし、身近に感じる。
──バンドを結成する気はなかった?
ルエル:なかったね。バンドっていいと思うけど、いつか解散するんじゃないかって思っちゃう。ソロだったら、いつだって自分次第だから。
▲デビューEP「READY」
──デビューEPに収録した「Younger」が誕生したきっかけや制作時になにか面白いエピソードがあったら教えてください。
ルエル:このEPの中では最も新しい曲なんだ。LAにいるとき(共作者の)サラ・アーロンズと(プロデューサーの)M-Phazesと、子供ときの友達との関係って変わっちゃうよねって話してたのがきっかけだった。誰にでもあることで、3人で体験談言い合ってたら、どれも共感できた。そこからアイディアが膨らんだんだ。面白かったのは、レコーディングのとき2番目の姉が遊びに来たことがあって、彼女は歌も楽器もやらないんだけど、その日、バッキング・ヴォーカルをレコーディングしてて、僕の声じゃ届かない音があったんだ。プロデューサーもエンジニアもできなくて、彼女だけが歌えた(笑)。だから、バッキング・ヴォーカルの一部で姉の声が入ってるんだよ。
──お姉さんも喜んでるでしょ?
ルエル:うん、自慢してるよ(笑)。
──では、「Don’t Tell Me」は?
ルエル:これは僕が初めて作った曲なんだ。夕食のとき、家族と話してたのがきっかけだった。僕は好きな女の子のこと、話してたんだ(笑)。12歳のときだよ。そしたら、みんなに「ルエル、そんなこと話すのはまだ早い。自分の話してることがわかってない」って言われて、ムカついたんだ。僕は自分がなに話してるか、わかってた。それで、このときのことを書き出して、メロディをつけたんだ。
──ティーンエイジャーだし、“Don’t Tell Me(言われたくない)”って思うことはいっぱいあるでしょう。プロのミュージシャンとして活動を始め、ある程度自信もついたであろういま、言われたくないと思うことは?
ルエル:スタジオに入ったとき……、若いミュージシャンみんなそうだと思うけど、僕のやることをコントロールしようとする大人がいる。“君はまだ若いからわかってない”とか“僕に従えばいい”とか言われる。それはムカつく。だって、そんなのわからないよ。僕のアイディアのほうがいいかもしれないし…。“チャンスをくれ。すぐに却下しないで”って思う。若い=バカってわけじゃない。
──エルトン・ジョンがあなたの音楽が大好きで、彼に会ったでしょ? 彼は“言われたくない”こと、言わなかった?
ルエル:言わなかったよ(笑)。彼はすごくいい人で、いろいろアドバイスくれた。
──どんなアドバイスを?
ルエル:一緒に仕事している人を信じなさいって。音楽業界ではクレイジーなことが起きるから、信用できる人達とだけ一緒にやるようにって。そうしたら大丈夫だって。エルトンは、すごくナイスで面白くて、本当にいい人だった。
──「Younger」はミュージック・ビデオもいいですね。主役の男の子の1人はあなただってわかったけど、バイオグラフィを読むまで、あなたが両方の男の子を演じてるとは思わなかったです。
ルエル:そうなんだ(笑)。
──ミュージシャンってミュージック・ビデオの中で本格的に演技しなくてはいけないときがありますよね。難しかった?
ルエル:ちょっとね。撮影のまえに数回、演技のレッスン受けた。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の脚本を書いたニコ(・ラサウリス)がコーチしてくれたんだ。実際やってみて、演技するのは楽しかったよ。
──上手かったと思います。だって、両方あなただってわからなかったもの。
ルエル:ありがとう(笑)。
──日本では<POPSPRING>でライヴ・デビューを飾り、今回は<SUMMER SONIC>のメイン…
ルエル:メイン・ステージ!! すっごく緊張してるんだ。でも、すごく楽しみ。今回は大阪も行くし、ワクワクする。
──学校があって、ツアーはできる?
ルエル:来月、初めてのヘッドライン・ツアーをやるんだ。オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカへ行く。すごく楽しみなんだ。日本でもやりたいって思ってる。
──そして、デビュー・アルバムの準備も?
ルエル:そう、ツアーの合間にもっと曲を作りたいと思ってる。アルバムの方向性はまだ決まってない。EP「READY」にはいろんなタイプの曲を収録したから、どれを選ぶかはまだわからないんだ。
──音楽活動と学校生活とのバランスを取るのは難しいのでは?
ルエル:ちょっとそうだね。大変なときもあるけど、ラッキーなことに、僕の学校はオンラインで済むこともあるんだ。
──オンラインといえば、有名になるとネット上にはヘイターも現れますが…
ルエル:そうだよね。でも僕の周りの人たちは、“そんなの気にするな”って言ってくれる。嫉妬だったり理解されなかったり、いろんなこと言われるけど、そういうのは気にしないって学ばないとね。僕は大丈夫。心構えはできてる。僕は音楽を作るのが大好きで、それに対するフィードバックしか気にならない。
──最後に日本のファンへメッセージをいただけますか?
ルエル:僕の音楽をサポートしてくれて、ありがとう! 感謝してる。絶対にまた戻って来て、コンサートを開くよ!
Ako Suzuki
Photo by Mitch Ikeda
※配信限定
[収録楽曲]
1. Intro/イントロ
2. Younger/ヤンガー
3. Dazed & Confused/デイズ&コンフューズド
4. Not Thinkin’ Bout You/ノット・シンキン・バウト・ユー
5. Say/セイ
6. Don’t Tell Me/ドント・テル・ミー
購入・試聴リンク:
https://SonyMusicJapan.lnk.to/RuelReadyEP
エルトン・ジョンから「若手シンガーの中で最も素晴らしい声の持ち主だ」と絶賛されたルエル──そのヴォイスに加え、豊かな表現力と優れたソングライティング・スキルを持つ新鋭はまだ15歳。
◆ルエル映像&画像
12歳で曲を作り始め、エミネム、デミ・ロヴァート、ザラ・ラーソンらの曲を手掛けてきたプロデューサーM-Phazesに見出された彼は、10代の切ない想いや複雑な感情を綴った歌詞で共感を呼び、ソウルフルな歌声と奥深いサウンドが称賛され、おまけにイケメンと、瞬く間に注目を浴びた。
6月にEP「READY」をリリースしたルエルは、日本では3月に<POPSPRING>でライヴ・デビューを飾り、<SUMMER SONIC 2018>に出演するため、今月、早くも2回目の来日を果たした。時おり、あどけない表情を見せるものの、しっかりとしたヴィジョンと信念を持つ少年だった。
──デビューEP「READY」、とても良かったです。ヴォーカル、メロディ、表現どれも素晴らしくて……
ルエル:ありがとう、嬉しいな。
──なので今日、最初に訊きたかったことは、あなた、本当に15歳?
ルエル:うん、15だよ(笑)。10月の終わりに16になる。確かにまだ若いけど、子供っぽい音楽は作らないようにしてる。自分が好きで、いつも聴いているような成熟した音楽を作りたいんだ。
──音楽との出会いは? 音楽と縁のある家庭だった?
ルエル:父がオタクってくらい音楽が好きで、楽器は演奏してなかったけど、家ではいつもあらゆるジャンルの音楽をかけてた。だから僕も小さいころから、ジャズ、R&B、ソウルなんかを聴いてた。
──初めて自分で買ったレコードを覚えてる?
ルエル:うん、ジェイムス・モリソンの『Undiscovered』だった。5歳のときだよ(笑)。父はいろんな音楽聴いてたけど、とくにハスキーなヴォイスのものが好きで、僕は、そういう歌声の裏にいろんな感情が込められていることに気づいたんだ。
──5歳で?
ルエル:そう、5歳で(笑)。それでお小遣い貯めて、レコード屋へ行って、そのとき1番好きだったジェイムス・モリソンのアルバムを買ったんだ。そういえば、数ヵ月前、このアルバムを10年ぶりに聴いたとこだよ。当時と同じようにいいなって思った。素晴らしいアルバムだよ。
──楽器をプレイし始めたのは?
ルエル:小さいときから家の中で歌ってたけど、ギターを習い始めたのは8歳のときだった。
──いまのあなたの年齢くらいから曲を作り始めるって人が多いと思うんですが、あなたが初めてちゃんとした曲を作ったのはいくつのとき?
ルエル:12歳だね。学校もあって忙しいから、毎日、できるわけじゃないんだけど、なるべくスタジオに入りたい、クリエイティブでいたいって思ってる。曲を作るって、僕にとって癒しみたいなものなんだ。トラブルや悩みを書き出し、曲にすると、自分のことを理解するのに役立つ。すごくビューティフルなことだと思ってる。
──曲を書き始めた後に、声変わりがあったと思いますが、それって曲作りに影響しましたか?
ルエル:そう、12歳のころから声が変わり始めて、ちょっと鬱陶しかった(笑)。どんどん低くなって、前とは同じキーで歌えなくなったんだ(笑)。最近ようやく落ち着いたかな。
──歌詞は、すべて自分の体験から?
ルエル:95%はそうだよ。僕が実際に体験したことだ。だから、すごく感情がこもるし、身近に感じる。
──バンドを結成する気はなかった?
ルエル:なかったね。バンドっていいと思うけど、いつか解散するんじゃないかって思っちゃう。ソロだったら、いつだって自分次第だから。
▲デビューEP「READY」
──デビューEPに収録した「Younger」が誕生したきっかけや制作時になにか面白いエピソードがあったら教えてください。
ルエル:このEPの中では最も新しい曲なんだ。LAにいるとき(共作者の)サラ・アーロンズと(プロデューサーの)M-Phazesと、子供ときの友達との関係って変わっちゃうよねって話してたのがきっかけだった。誰にでもあることで、3人で体験談言い合ってたら、どれも共感できた。そこからアイディアが膨らんだんだ。面白かったのは、レコーディングのとき2番目の姉が遊びに来たことがあって、彼女は歌も楽器もやらないんだけど、その日、バッキング・ヴォーカルをレコーディングしてて、僕の声じゃ届かない音があったんだ。プロデューサーもエンジニアもできなくて、彼女だけが歌えた(笑)。だから、バッキング・ヴォーカルの一部で姉の声が入ってるんだよ。
──お姉さんも喜んでるでしょ?
ルエル:うん、自慢してるよ(笑)。
──では、「Don’t Tell Me」は?
ルエル:これは僕が初めて作った曲なんだ。夕食のとき、家族と話してたのがきっかけだった。僕は好きな女の子のこと、話してたんだ(笑)。12歳のときだよ。そしたら、みんなに「ルエル、そんなこと話すのはまだ早い。自分の話してることがわかってない」って言われて、ムカついたんだ。僕は自分がなに話してるか、わかってた。それで、このときのことを書き出して、メロディをつけたんだ。
──ティーンエイジャーだし、“Don’t Tell Me(言われたくない)”って思うことはいっぱいあるでしょう。プロのミュージシャンとして活動を始め、ある程度自信もついたであろういま、言われたくないと思うことは?
ルエル:スタジオに入ったとき……、若いミュージシャンみんなそうだと思うけど、僕のやることをコントロールしようとする大人がいる。“君はまだ若いからわかってない”とか“僕に従えばいい”とか言われる。それはムカつく。だって、そんなのわからないよ。僕のアイディアのほうがいいかもしれないし…。“チャンスをくれ。すぐに却下しないで”って思う。若い=バカってわけじゃない。
──エルトン・ジョンがあなたの音楽が大好きで、彼に会ったでしょ? 彼は“言われたくない”こと、言わなかった?
ルエル:言わなかったよ(笑)。彼はすごくいい人で、いろいろアドバイスくれた。
──どんなアドバイスを?
ルエル:一緒に仕事している人を信じなさいって。音楽業界ではクレイジーなことが起きるから、信用できる人達とだけ一緒にやるようにって。そうしたら大丈夫だって。エルトンは、すごくナイスで面白くて、本当にいい人だった。
──「Younger」はミュージック・ビデオもいいですね。主役の男の子の1人はあなただってわかったけど、バイオグラフィを読むまで、あなたが両方の男の子を演じてるとは思わなかったです。
ルエル:そうなんだ(笑)。
──ミュージシャンってミュージック・ビデオの中で本格的に演技しなくてはいけないときがありますよね。難しかった?
ルエル:ちょっとね。撮影のまえに数回、演技のレッスン受けた。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の脚本を書いたニコ(・ラサウリス)がコーチしてくれたんだ。実際やってみて、演技するのは楽しかったよ。
──上手かったと思います。だって、両方あなただってわからなかったもの。
ルエル:ありがとう(笑)。
──日本では<POPSPRING>でライヴ・デビューを飾り、今回は<SUMMER SONIC>のメイン…
ルエル:メイン・ステージ!! すっごく緊張してるんだ。でも、すごく楽しみ。今回は大阪も行くし、ワクワクする。
──学校があって、ツアーはできる?
ルエル:来月、初めてのヘッドライン・ツアーをやるんだ。オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカへ行く。すごく楽しみなんだ。日本でもやりたいって思ってる。
──そして、デビュー・アルバムの準備も?
ルエル:そう、ツアーの合間にもっと曲を作りたいと思ってる。アルバムの方向性はまだ決まってない。EP「READY」にはいろんなタイプの曲を収録したから、どれを選ぶかはまだわからないんだ。
──音楽活動と学校生活とのバランスを取るのは難しいのでは?
ルエル:ちょっとそうだね。大変なときもあるけど、ラッキーなことに、僕の学校はオンラインで済むこともあるんだ。
──オンラインといえば、有名になるとネット上にはヘイターも現れますが…
ルエル:そうだよね。でも僕の周りの人たちは、“そんなの気にするな”って言ってくれる。嫉妬だったり理解されなかったり、いろんなこと言われるけど、そういうのは気にしないって学ばないとね。僕は大丈夫。心構えはできてる。僕は音楽を作るのが大好きで、それに対するフィードバックしか気にならない。
──最後に日本のファンへメッセージをいただけますか?
ルエル:僕の音楽をサポートしてくれて、ありがとう! 感謝してる。絶対にまた戻って来て、コンサートを開くよ!
Ako Suzuki
Photo by Mitch Ikeda
デビューEP「レディ」|「READY」
※配信限定
[収録楽曲]
1. Intro/イントロ
2. Younger/ヤンガー
3. Dazed & Confused/デイズ&コンフューズド
4. Not Thinkin’ Bout You/ノット・シンキン・バウト・ユー
5. Say/セイ
6. Don’t Tell Me/ドント・テル・ミー
購入・試聴リンク:
https://SonyMusicJapan.lnk.to/RuelReadyEP