【ライヴレポート】TETSUYA (L’Arc-en-Ciel)、「2018年夏は“やっぱりTETSUYAだよね”という記憶と共に残る」
7月18日に1st EP作品『I WANNA BE WITH YOU』をリリースしたTETSUYA (L’Arc-en-Ciel)が、その翌週23日に東京・めぐろパーシモンホールで、同作を携えた1日限りのスペシャルライヴ<TETSUYA “LIVE 2018 SUMMER”>を開催した。
◆TETSUYA 画像
最新作「I WANNA BE WITH YOU」は、キャリア初の5曲入りEPであると同時に、夏をテーマにしたコンセプチャルな作品だ。“サマーコンセプトの作品”ということには正直、少し意外な印象を受けた。TETSUYAの誕生日が10月3日であることや、ソロ1stアルバムが『Suite November』というタイトルだったこと、恒例のBirthday Live THANK YOUが10月初旬に行われることが多いので、勝手ながら“秋のイメージ”を抱いていたからだ。だが、『I WANNA BE WITH YOU』を聴いて考えを改めた。同作で彼が提示した煌びやかかつロマンチックな夏感は本当に魅力的で、夏も似合うアーティストであることは疑う余地がない。
<TETSUYA “LIVE 2018 SUMMER”>はこれまでのライヴテイストに『I WANNA BE WITH YOU』の“サマーコンセプト”を加えた公演になるのか、それとも夏らしさを全面に押し出した新機軸の公演になるのか。そんなことを思いながら2階席までビッシリと埋まっためぐろパーシモンホール 大ホールの場内で開演を待った。
暗転した場内に快活なオープニングSEが流れ、TETSUYAとバックを務めるJuicy-Bananasの面々がステージに姿を現した。客席から熱い歓声と拍手が沸き起こる中、メンバーたちはステージ中央で円陣を組んで気合入れを一発。続いて、TETSUYAの甘い歌声が響き、ライヴは新曲「Eureka」から始まった。ノーブルな白いロングジャケット姿でステージに立ち、温かみと力強さを併せ持った歌声を聴かせるTETSUYAの姿やJuicy-Bananasが奏でるタイトでクリアなサウンド、ステージ上方に据えられた巨大なミラーボールが発する眩い光が渦巻く情景などが相まって、場内は瞬く間に非日常空間へと移行していく。
その後はキャッチーなサビを配したメジャーチューンの「Make a Wish」と、疾走感溢れるサウンドと流麗なメロディーのマッチングが心地いい新曲「READY FOR WARP」をプレイ。ステージの上手下手を行き来して歌い、間奏でバックメンバーと2ショットを決めるTETSUYAは圧倒的な存在感を放っている。彼に引っ張られる形で場内のテンションはどんどん高まっていき、オープニングブロックで早くも場内がひとつになったことが如実に感じられた。これら3曲を聴かせたところでMCへ。
「あつは、なついね(笑)! 今日気温は何度までいったの? 40度!? 暑かったね。どう新曲? 宇宙で一番早く新曲を聴けるなんて、Wow Foo! それに、この会場いいよね。僕も初めて来たんですけど、見やすい? 音もいいんじゃない? 空調も効いているし。気分が悪くなったら座れるしね(笑)。ロッカーはあるの? あ、ロッカーはないんや。でも、俺らがロッカーやからな(笑)」──TETSUYA
リラックスした表情で、客席とやり取りを楽しみながら話すTETSUYA。彼の問いかけに対してオーディエンスが一生懸命に笑顔で応える様子にも心が和んだ。
続くブロックではTETSUYAのソロデビュー曲「wonderful world」や浮遊感を纏ったミディアムチューン「LOOKING FOR LIGHT」、ゴシック的ホラー感をフィーチュアした「FATE」などを披露。1曲ごとに表情を変えながら深みを増していく流れは観応えがあるし、ソロ初期の楽曲が古さをまったく感じさせないこともさすがといえる。TETSUYAが長い年月を経ても色褪せることのない普遍的な魅力を備えた楽曲を作り続けていることを再確認させられた。
抒情的な「REVERSE」やシンフォニックな「Time goes on ~泡のように~」などを経て、グラムロック調の「愛されんだぁ I Surrender」からライヴは後半へ。「愛されんだぁ I Surrender」でオーディエンスを再びアッパーモードにシフトさせた後、客席でタオル回しが巻き起こった「Roulette」や、ブラックスーツ姿のダンサー2名が登場して賑やかに盛り上がった「Are you ready to ride?」などが畳みかけるように演奏された。
ステージ前に出てプレイするバック陣と一緒に熱いステージングを展開しながら抑揚を効かせたヴォーカルを聴かせるTETSUYA。息の合った振りを行い、拳を振り、何度となく大合唱を湧き起こすオーディエンス。TETSUYAは客席にノリを強要しないタイプにもかかわらずオーディエンスは華やかなリアクションを見せ、場内は熱気と一体感に溢れた良質な盛り上がりとなった。
場内が笑顔で染まる中、本編のラストソングとして煌びやかな「Fantastic Wonders」をプレイ。熱く盛り上がった後に浮つくことなく、穏やかなナンバーをしっかりと聴かせるあたりも実に見事。TETSUYAは最良の形で本編を締め括り、2018年夏の酷暑を忘れさせる爽やかな余韻を残してステージから降りた。
「今日は“夏”がテーマのライヴなので、サザンとかTUBEの曲をカバーしようと思ってたんだけど、メンバーにそれを伝えるのを忘れてしまって(笑)。来年やろう、“LIVE 2019 SUMMER”でお会いしましょう。それにしても今年の夏は暑いね。一生忘れられないんじゃない? “あの夏は暑かったな”っていう2018年夏は“やっぱりTETSUYAだよね”っていう記憶と共に残る。そんな夏にピッタリの曲をお届けしようかな」──TETSUYA
というアンコールのMC後に披露されたナンバーはEP表題曲の「I WANNA BE WITH YOU」。そして「Can’t stop believing」「流れ星」を続け、アンコール3曲を含めて全16曲のステージが終了した。
彼ならではの多幸感に溢れたステージでオーディエンスを魅了してみせたTETSUYA。『I WANNA BE WITH YOU』に収録された新曲4曲で夏を香らせ、より幅広さや深みを増したステージは本当に観応えがあった。また、ギミックや演出などを最小限に抑えた内容でいながら、物足りなさをまったく感じさせないことも印象的だった。楽曲のクオリティーの高さは圧倒的で、おそらく曲を1曲も知らないリスナーがライヴに来ても楽しめるに違いない。あらためて、そう強く感じさせられるステージでもあった。
取材・文◎村上孝之
撮影◎今元秀明
■<TETSUYA “LIVE 2018 SUMMER”>2018年7月23日(月)@東京・めぐろパーシモンホールSET LIST
02. Make a Wish
03. READY FOR WARP
04. wonderful world
05. LOOKING FOR LIGHT
06. TIGHTROPE
07. FATE
08. REVERSE
09. Time goes on 〜泡のように〜
10. 愛されんだぁ I Surrender
11. Roulette
12. Are you ready to ride?
13. Fantastic Wonders
encore
en1. I WANNA BE WITH YOU
en2. Can’t stop believing
en3. 流れ星
■1st EP「I WANNA BE WITH YOU」
【初回限定盤A (CD+DVD+PHOTOBOOK [68P])】UPCH-89379 ¥3,500 (+tax)
※三方背スリーブケース・ピクチャーレーベル仕様
▼DVD収録内容
「READY FOR WARP」Music Clip
The Making of “READY FOR WARP (Music Clip)”
【初回限定盤B (CD+DVD)】UPCH-89380 ¥2,800 (+tax)
※デジパック・ピクチャーレーベル仕様
▼DVD収録内容
「I WANNA BE WITH YOU」Music Clip
The Making of “I WANNA BE WITH YOU (Music Clip)”
【通常盤 (CD)】UPCH-89381 ¥2,000 (+tax)
初回仕様:「新幹線変形ロボ シンカリオン」デカ帯仕様
※通常盤[初回仕様]のみ、ボーナストラック1曲収録
※通常盤[初回仕様]の出荷終了後は通常仕様(UPCH-80497/¥2,000+tax)での出荷となります
※全3形態
※全形態 ジャケットの絵柄は異なります。
※全形態 CD収録内容は共通です。
<CD収録曲>
1. I WANNA BE WITH YOU
2. READY FOR WARP
3. FATE
4. Eureka
5. [BonusTrack] wonderful world (Acoustic Version)
▼タイアップ情報
楽曲:「I WANNA BE WITH YOU」
TBS系全国28局ネットアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」エンディング主題歌
※毎週土曜日あさ7時から放送中
▼「I WANNA BE WITH YOU」トラック先行配信
iTunes http://po.st/iwbwy_it
レコチョク http://po.st/iwbwy_re
Spoyify http://po.st/iwbwy_sp
LINE MUSIC http://po.st/iwbwy_lm
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